今回は
なんで妊娠・出産してママになった時イライラするの?
この疑問が面白かったですね。
ビデオの作りもNスペの該当部分を紹介するというものでした。
ここ数年、特にメディアで目にする機会が増えたオキシトシンにも触れられ、
それがイライラの原因の一つになっているのではないかとも解説されました。
私がオキシトシンという言葉を初めて知ったのは、
昔、医療漫画か小説か何かで陣痛促進剤として使われていたのを読んだ時でした。
あの頃はオキシトシンというホルモンが
人体に多様な作用をもたらしているとは思いも寄りませんでした。
古くからオキシトシンが授乳に関わりがあるということは知られていて、
その後、男女問わず普遍的なホルモンであることがわかり、
現在、メディアでは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」
「抱擁ホルモン」なんて呼び方をしていることもあります。
オキシトシンの作用は多岐にわたります。
子宮収縮、母乳分泌、産後の子宮復古など、
産科の領域以外にも、
闘争心や恐怖心、逃げたいという気持ちを抑制します。
近年では自閉症患者への投与でその症状が緩和、
ヨーロッパでは授乳促進の目的でオキシトシン経鼻剤が使用されていますが、
これを自閉症スペクトラム障害に対して使用することで
対人コミュニケーションの問題などを改善できるのではないかとして
研究が進んでいます。
今回の「チコちゃん」では、1月に放送されたNスペから
このオキシトシンが母親の攻撃性を生む可能性について指摘されました。
愛情を実感させる作用のあるオキシトシンですが、
その一方で出産時や産後において、
育児に非協力的な人を攻撃対象として
イライラを募らせることになります。
産後クライシス
は、夫婦の間に生まれた子供が
2歳までぐらいの時期に離婚が多いという事実を指す言葉ですが
これにオキシトシンが関わっていると考えられています。
この時のNスペでは女性ホルモンのエストロゲンでも
類似の作用があるとしていて、
ヒトという種特有の習性である共同養育がままならない
現代社会ならではの強い不安、孤独感を生み出している可能性を指摘していました。
鈴ノ木ユウさんの漫画「コウノドリ」では
産後うつ
がテーマになっている部分があり、
ドラマ版では高橋メアリージュンさんの演技が絶賛されていました。
産後クライシスは病名ではなく、
産後うつは病名ですので
治療が必要です。
時期も産後クライシスが比較的長い期間で起きるのに対し、
産後うつは産後1カ月前後に起きるという点も違います。
ただ、いずれもオキシトシンやエストロゲンといった
ホルモンが大きく関わっているようで
産後に限った話ではないのでしょうが、
性格や感情といった部分は
こういった体内の物質の影響を無視できないという点を
認識しておく必要があると思います。
体内のある物質が多い、または少ない、
あるいは変動が大きいなどの理由で
性格や感情は変化します。
人格そのもの問題ではないと考えるべきです。
特に産後うつは母子の生命を守るために、
治療を受ける必要があります。
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