Quantcast
Channel: テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

ニホンミツバチと感染症による発熱・ハチドリから考える糖尿病予防

$
0
0

以前、高熱が出た時に考えたのが
ニホンミツバチによるスズメバチへの攻撃、
いわゆる「熱殺蜂球」でした。
いろいろな番組で紹介されて有名になりましたよね。

こちらは気の毒なスズメバチとニホンミツバチの様子です。

https://www.youtube.com/watch?v=4shJeO9KsnA

巣に侵入しようとするスズメバチの体を
ニホンミツバチが集団で包み込み、
一斉に羽を動かすことで体温を上昇。
タンパク質の温度の限界を超えさせることで
スズメバチを蒸し殺そうという方法です。
ニホンミツバチの体のタンパク質はやや高い限界温度らしいです。

ただ、蜂球が作る温度はその中心部で46℃にもなるらしく、
市販の体温計の計測可能な温度が42℃であることからもわかるように
だいたいそのあたりが人体の限界です。
それを超えると蒸し上がってしまいゆで卵のように
細胞は固まってしまうでしょう。

ニホンミツバチも熱殺蜂球攻撃を行うと、
寿命が短くなるという論文が昨年発表されました。

ニホンミツバチの対オオスズメバチ蒸し殺し戦法は「諸刃の剣」だった -天敵熱殺の代償に蜂球参加ミツバチの余命が短縮!それに対応する驚きの戦略も!!
玉川大学:大学院

http://www.tamagawa.jp/graduate/news/detail_14741.html

自分たちが生み出した熱が寿命を縮めるだけでなく、
スズメバチの強力な顎の犠牲になるニホンミツバチも少なくないでしょう。
このような自己犠牲が行われるのは、
巣全体がまるで一個の個体であるかのようなシステムがあるからで、
これは動物一般の個体が備えている免疫システムに似ています。

菌やウイルスなどが体内に侵入すると、
私たちの体は体温を上げることがあります。
それを「発熱」と呼んでいますが、
ウイルスなどは低温であるほうが増殖しやすく、
また、免疫機能全体は高体温であるほうが活発に働きます。
だから、風邪などの発熱のうち、
軽度で苦痛が少なければ解熱剤は使用しないほうがいいとされています。
ニホンミツバチの巣を一個の生命体と考えるなら、
非常に似ていることになります。



続いて、糖尿病。
最近、生活習慣病についてお書きすることが多く、
糖尿病の記事を作っている時に思い出したのが
糖とタンパク質の話でした。
健康志向の強い人、
あるいは体を鍛えておられる方には
その役割の違いは常識ですよね。

糖尿病はいくつかの種類があり、
中でも大半を占めているのが2型糖尿病と呼ばれるもので、
これには生活習慣が大きく関わっています。
その予防や、かかっている人に必要なのは食生活の改善で、
加えて、運動の必要性も説かれています。
この運動の必要性についてあまり周知されていないような気がします。

超小型の鳥類であるハチドリは
まるで昆虫のハチのようにホバリングして
花の蜜を吸います。

https://www.youtube.com/watch?v=BCoao0vGF_0

そのホバリングを可能にしているのが
毎秒60~80回という超高速の羽ばたきです。
その羽ばたきのためには多量のエネルギーが必要で
それを賄うために多量の蜜が必要となっています。
そのエネルギー量は体長6cm程度のハチドリで
一日に必要なカロリーは1万5千kcal。
人間の場合、成人で1800~2200kcalだとされていますので、
ハチドリがいかに運動のためのエネルギーを必要としているかがわかります。

蜜は主に糖ですので、ハチドリは蜜を燃料にして
糖である蜜を集めていることになります。

また、小型の動物共通の体重に対する体表面積の大きさ、

つまり、体温の失われやすさのためにも糖は必要です。


ただ、ハチドリは昆虫も食べています。
ハチドリも生命体として体を作らなくてはなりません。
私たちと同じように
成長と新陳代謝が行われているでしょうし、
そのための材料が必要なるわけですが、
糖はその目的に適いません。
必要なのはタンパク質ですので、
ハチドリは昆虫を食べることになるのでした。

糖は運動に欠かせないエネルギーで
タンパク質は体を作るために必要な栄養となります。
糖を摂取した場合、
それを運動により消費しなければ
体内の糖は増え続けることになるでしょう。
実際には脳も糖を必要とし、

ハチドリも私たちにも何もしなくても

消費する基礎代謝というものがあります。

成人の基礎代謝は1000kcalから1100kcalで、

これは加齢ととともに減少します。

それ以上は運動により消費されるべきエネルギーとなります。


もちろん、ここにはタンパク質由来のエネルギーも含まれますが、

エネルギー、特に糖を摂取して運動しないと
2型糖尿病になりやすくなるということになります。
糖尿病患者も血糖コントロールを改善には
食事療法と運動療法が必要とされています。

ハチドリが人間では考えられない糖を摂取してもなんともないのは

それだけ体を動かしているからなのでした。


 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

Trending Articles