大麻取締法違反(所持)で起訴された田口淳之介被告が保釈となり、
謝罪のコメントと土下座をしたわけですが、
土下座は余計だったような気がします。
おそらく、有罪判決となるでしょうが、
コメントからは今後も芸能活動を続ける意向が伺え、
そうなると、あの強烈なイメージが邪魔になりそうです。
さて、大麻所持、使用による逮捕者が出ますと、
いつも出てくる「大麻は有害じゃない」という意見。
それと、「医療用大麻の解禁を」という声は常にありますね。
2016年、高樹沙耶が「そこまで言って委員会NP」に出演、
医療用大麻の有用性をアピールし、
その後、その解禁を目指して参院選に立候補し落選、
そして、大麻取締法違反(所持)で逮捕され起訴、
判決では懲役1年、執行猶予3年でした。
番組で彼女の話を聞いた時、
調べてみる価値はあるかなと思ったのですが、
何分、この分野は研究発表が乏しく、
これというエビデンスが見つけられないままでした。
彼女については、
医療用大麻の有用性を訴えるなら、
その所持がその実現の妨げになることなど容易に想像できるはずで、
その後の会見で語った
一つ皆様に理解していただきたいのは、決してふざけた気持ちで大麻草に向き合ってきたわけではなく、本当に医療で困っている方のために使うことができたら、という思いで頑張ってまいりました。それだけは信じていただきたいと思います
も、本当に医療用大麻が必要だとすれば、
そういう方々の思いを踏みにじったことが理解できていません。
なお、念のためにお書きしておきますと、
「医療用大麻」なる大麻が存在しているわけではなく、
大麻を医療に用いた場合に
「医療用大麻」という呼び方がされることがあるというだけに過ぎません。
さて、大麻は有害なのでしょうか?
よく大麻は「ゲートウェイドラッグ」だといわれます。
大麻を入口として、
ほかの違法薬物に手を出しやすくなるという考え方です。
大麻は実際に違法薬物の入口になっていて、
よって駄目なんだという説明には説得力があります。
しかし、それも大麻が違法であるからであり、
もしも、違法でないなら
大麻はゲートウェイドラッグではなかったでしょう。
もちろん、合法の煙草がゲートウェイドラッグだとすると、
大麻が合法だとしても、
ゲートウェイドラッグとなるでしょう。
大麻は煙草よりも依存性が低いことが知られています。
これは事実で、煙草の場合、
喫煙者の約70%がニコチン依存症だとされていますが、
大麻は使用者の9%程度の依存症発症率です。
ただ、ゼロというわけではなく、
若い頃、特に10代からの使用者における依存症の発症率は
最大で50%というデータがあります。
記憶力や学習能力も低下、
これは大麻に含まれるテトラヒドロカンナビノールという成分が、
脳の発達に悪影響を与えるためで、
10代からの使用者のIQは、
そうでない人に比べて低いというデータもあります。
10代での大麻使用は危険であることは間違いないようです。
問題は成人です。
成人においては、アルコールのほうが大麻よりも
脳に与える持続的な悪影響が大きいという論文もあります。
ただ、これも第三者による検証を見つけられませんでした。
とはいえ、大麻に害がないというわけではなく、
あえて、有害なものを解禁する必要があるのかと思います。
また、いわゆる「医療用大麻」においても
ろくな論文がありません。
ただ、痛みを軽減する緩和ケアにおいては、
既に大麻よりも優れた医薬品がありますので、
この分野での活用はあまり意味がなさそうです。
それらが使用できない患者には有効の可能性はありますが。
次に特定の病気や怪我に対する使用により、
症状の改善や治癒を促すことができるのではないかと主張ですが、
これもよくわからないままです。
骨折を早く治す、てんかんの症状改善に繋がるなどいわれますが、
データといえるほどの研究結果はなさそうです。
大麻を医薬品として使用するならば、
その効果のほかに、どのような副反応があるのかを把握する必要があります。
個人的にはもっと研究されるべきかと考えています。
医療に大麻を用いた場合の研究がなされる中で、
人体における大麻の機序がもっと明らかになるかと思います。
その内容次第で、医療用以外の大麻について議論すべきと考えます。
私の意見としましては、
なぜ、今になって諸外国の中に
大麻を解禁するところがあるのかがよくわかりません。
そして、そういう国や地域があるという理由で、
日本でも解禁をという理論には無理があると思っています。
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大麻は有害か否か有益か 結論は出せないものの解禁には反対
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