台風19号が広い範囲で日本列島を直撃し、
まだ、はっきりとした被害の全容はわかりません。
一部地域では、先の15号の影響が強く残る地域もあり、
これから国には復興のための施策が求められます。
2011年の東日本大震災の頃からずっと言い続けているのですが、
このままでは、災害復興を自国で行えないような国になってしまいます。
昔はたくさんあった
土木、建築、解体業者が今はありません。
東日本大震災では、首都圏と東北を結ぶ大動脈が瞬く間に通行可能となり、
海外から驚きの声が聞かれましたが、
それも、過去のものになってしまうでしょう。
業者が足りません。
昨年の大阪府北部地震と台風21号の被害では、
今もまだ、屋根にブルーシートが見られる家屋があります。
こちらのベランダの屋根も吹き飛ばされましたが、
修理は12月でした。四半期が過ぎての工事です。
東日本大震災だって、福島第一原発事故関連以外は、
もっと早く復興できるはずなんです。
人員も足りず、充分な予算も出さず、
復興といえるのはまだまだ先のようです。
あの時、期待していたのは
復興景気でした。
復興では建築や土木などを中心に
経済活動が活発になります。
震災をバネに景気浮揚を図る機会だったと思います。
景気がよくなれば、震災復興も加速します。
ただ、人手不足もあり、
さらに火事場泥棒のような復興税が実施され、
復興による景気浮揚は起きませんでした。
あの時、しっかりと建設国債を発行していればと思います。
諸外国には他国の手を借りないと、
主要インフラの復旧すらできない国があります。
自力ではない復旧、復興にスピードは期待できません。
日本がそうならないためには、
人材の確保が必要で、
そのためには公共事業としての人材育成が必要です。
今、要らないからではなく、
毎年のように大災害が起きる日本には、
国を挙げての事業が必要であり、
政府が国土強靱化を掲げるなら、
防災の観点からも各分野の人材が必要です。
土木、建築、解体はいずれも簡単な仕事ではなく、
希望者が少ないかもしれません。
それなりの待遇が必要です。
経済的な観点からの論理からのみで設定される待遇ではもう無理なのです。
災害続きで迅速な復興が望めなくては、
日本という国はもたないでしょう。
そのためには、
土木、建築、解体の分野の人材育成と、
この分野に憧れるだけの待遇を
国として用意することが必要ではないかと思います。