本日、天皇、皇后両陛下は伊勢神宮内宮を参拝され、
天照大御神に即位の礼、大嘗祭を終えたことを報告する
親謁の儀が行われ、このあと、
神武天皇、孝明天皇、明治天皇、
昭和天皇、大正天皇の各陵墓にての親謁の儀に臨まれるとのこと。
さて、各社の調査によれば、
多くの国民が皇室の安定的な継続を望んでいるそうで、
「天皇は男系男子」という規定は
それを難しくしているのではないかという意見があります。
真に尤もな話で、側室がいた時代とは違い、
天皇1人に皇后1人の間に生まれた男子に
期待し続けるのは無理があります。
そこでずっと言われ続けているのが
女性天皇と女系天皇で、
社によってはあえてその意味するところを説明していないところもあります。
我が国の歴史において、女性の天皇は何度も出現しています。
元号、改元についてお書きした記事に登場している
初の元号「大化」は使われなかった？ 新元号・令和記念
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12458446615.html
皇極天皇(斉明天皇)もそうですし、
推古天皇、持統天皇、元明天皇、
現時点での最後の女性天皇は
1762～70年の後桜町天皇になります。
一方、女系天皇は母のみが皇統の血筋である皇族が天皇になることを意味します。
日本では万世一系、男系により皇位が継承されているとのことですので
女系天皇は出現していません。
まずこの違いを認識した上での議論が必要です。
実際のところ、国民にその理解が進んでいるのかが疑問のあるところで、
NHKが9月に行った世論調査では、
「女性が天皇になるのを認めること」の質問では賛成74％、反対12％で、
「女系天皇 認めること」では、賛成71％、反対13％、
それなのに、
「女系天皇の意味を知っているか」の質問では
知っている41％、知らない52％となっており、
かなりの数の人が
「女系天皇という言葉そのものや意味は知らないが賛成」
という意見を持っているのではないかと考えられます。
女性天皇に“賛成”多数 制度は十分知られず NHK世論調査 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191021/k10012142641000.html
女性天皇についても
「女性の天皇を認めていないのは時代後れだ」という意見も的外れです。
「時代後れだ」という意見はある種の合理性を含んでいます。
ただ、天皇制自体、極めて不合理なシステムです。
今上陛下は上皇上皇后両陛下の間にお生まれになったというだけで、
天皇になるという選択をして即位されたわけではないんです。
天皇、あるいは天皇家、皇族の方々は
日本国憲法が保障するところの基本的人権を有していません。
全く不合理な存在です。
その不合理な天皇家について合理的に考えようとすれば、
どこかで不合理性と合理性の折り合いをつけなくてはなりません。
理詰めだけで考えるなら、
天皇制は廃止する必要があるでしょう。
上では女系天皇は出現していないとしましたが、
本当にそうなのかは疑問のあるところです。
男系に限るという史料があるわけでもなく、
家系図では男系でも、
実際にそうなのか証明できるはずはありません。
ある種の不合理です。
現在、皇位継承資格者は秋篠宮文仁親王、
悠仁親王、常陸宮正仁親王ですが、
常陸宮正仁親王は現在、83歳のご年齢で、
上皇陛下が譲位されたご年齢を考えると
その継承は現実的ではないでしょう。
すると、お二方のみになってしまいます。
この問題は悠仁親王のご誕生までは盛んに議論されていましたが、
ご誕生以来すっかり沙汰止みとなり放置されていました。
しかし、どうするべきかを考える必要があります。
その考えの一つが女系天皇の容認で、
もう一つが旧宮家の活用というものです。
戦後、多くの宮家が皇籍から外されましたが、
天皇の血筋ではありますので、
その方々を皇位継承資格者とすべきだというものです。
個人的には旧宮家の方々にご無理をお願いするほうがいいのかと思います。
ただ、どの道を選んでも不合理です。
完全に合理的な解決法なんてありません。
天皇制が不合理なのですから。
また、フェミニズムの考えを持ち出して「時代遅れ」とするのは
強い違和感があります。
天皇には基本的人権が認められていません。
その地位に女性をという主張ですから、
そこに男女同権を持ち出すべきではありません。
天皇の位は権利ではないのですから。
じゃあ男性ならいいのかということなのですが、
そのあたりの不合理を捉えるのか、
現代の皇位継承者問題はそこをはっきりさせる必要があります。
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