今日昼、たまたまテレビをつけましたら、読売テレビで、
吉本制作のワイドショー的な番組を放送中。
今田耕司さんと
月亭八光さんが司会の「今田・八光の特盛!よしもと」でした。
その時、何やら珍しく今田さんが語気を強めておられて、
杉村太蔵さんへの反論を述べておられました。
話題は沢尻エリカ被告の芸能界復帰、
ひいては薬物事案を起こした芸能人などが
テレビなどのメディアに復帰してもよいか否かでの議論。
杉村さんは「一発アウト」とご発言。
おそらく、ここから今田さんの反論が始まったのでしょう。
杉村さんの意見にほんこんさんが加わり、
今田さんの意見には角田龍平弁護士が同調していました。
杉村さんとほんこんさんは芸能界と、
そのほかの世界は異なるという意見で、
角田弁護士は「何が違うのですか?」と質問。
杉村さんらは視聴者に悪影響があるという回答だったでしょうか。
杉村さんらは自己責任論をお持ちのようでしたが、
対する今田さんは
「なんで薬に手を出したかなんて誰にもわからへんやん
もしかしたら、最初はやせられるとか言われて使ったのかもしれへん」
というようなことを真顔で笑いを忘れて仰っていました。
芸人さんが笑いを忘れることを好まない私も、
この時の今田さんはかっこいいと思いました。
私は判決に従えば、どんな仕事をしても構わないと思っています。
単純に職業選択の自由は守られるべきということもありますが、
過ちを犯した人に厳しすぎる社会は、
自分自身にとっても生きづらいのではないかと思うからです。
薬物だけではなく、
自分が何か間違ったことをした時、
それが赦される機会すら与えられないような社会では
あまりにも辛いと思うのです。
人は間違うものです。
やり直すチャンスは与えられるべきではないかと思います。
情けは人のためならずといいますけれど、
自分自身だって、間違うかもしれないんです。
他者にとってチャンスがあるということは、
自分にもチャンスがあるということなのです。
さらに考え方が甘い、甘くないという議論以前に、
社会全体のコストの問題でもあります。
違法薬物の事件で有罪になった人が
やり直しのチャンスを与えられないとすれば、
再犯率はさらに上がるでしょう。
薬物事件での有罪は終身刑が前提になってしまいます。
それは社会にとって重すぎるコストです。
杉村さんの意見に従えば、
今、野球の世界でもう一度頑張ろうとされている
清原和博さんを否定することになってしまいます。
彼の奮闘は教科書になるはずなんです。
極端な話、奮闘していたはずの田代まさし被疑者にしても、
あんなに頑張っていたのに、
薬物依存はそれほどまでに抜け出せない底なし沼なのかと、
反面教師として理解することができます。
また、よく言われる「芸能界は薬物が蔓延している」
という意見にも反対です。
今の時代、それらの薬物なんて、手に入れようと思えば
誰でも手に入れられる状態になっています。
自分から近づかなくても、
向こうからやって来ることもあるでしょう。
芸能界と芸能界以外を比較した時に、
はたして、芸能界が芸能界以外より著しく薬物汚染が進んでいるなんて、
誰が言えるのでしょう。
データがあるのでしょうか。
目に見えないだけで、職場の誰かが
知人の誰かが違法薬物を使用していても不思議ではありません。
大阪地方裁判所の開廷期日の予定を確認してみますと、
裁判所 裁判員裁判開廷期日情報(大阪地方裁判所本庁)
http://www.courts.go.jp/osaka/saibanin/kaiteikijitsu/index.html
表示されている12件のうち、3件が薬物事件です。
印象としては、これは特別多くはないでしょう。
少ないかもしれません。
この3件について「芸能界は薬物が蔓延している」という意見の人は、
ちゃんと認知しているのでしょうか。
ただ単に、有名芸能人の場合、
大きく報じられるからという可能性はないでしょうか。
芸能界復帰については
需要次第の世界であるだけに、
個別の件は別にして、難しさはあろうかと思います。
ただ、問答無用でその機会さえ与えない、
禁止するというのであれば、
私はそれに反対することになるでしょう。