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『NHKスペシャル 食の起源』~「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」の正体~

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『NHKスペシャル 食の起源』は全5回で、
これまでに「ご飯」と「塩」が放送されました。
なかなか興味深い内容で、
初回の「ご飯」では現在注目の糖質についても解説されていました。

TOKIOがメインで出演されているということで、
糖質を完全な悪だとすることはありえないと思っていましたが、
番組では3食、それぞれ1杯ぶんぐらいのご飯の糖質は必要という解説だったでしょうか。
私も余計な糖質は摂らないようにしてから、
もう1年ぐらいになりますが、
パンも米のご飯も食べています。
ただ、毎食の間に余計な糖質を摂らないようにはしています。

糖質は人体に必要なもので
どれぐらいの糖質が必要なのかという点で、
まだ、答えが出ているわけではありませんが、
「3食、1杯ぶんぐらいのご飯」なら問題ないのではないかと思っています。

「塩」もなかなか興味深く、
人体にとって必要な塩の量は1日わずか1.5gだとは驚きでした。
現在の世界における1日の平均塩分摂取量は5gで、
日本人は摂りすぎていますので、
18歳以上の男性は1日当たり8g未満、
18歳以上の女性は1日当たり7g未満が目標となっています。
特に腎疾患のある人はさらなる減塩が求められます。

動物にとってナトリウムは欠かせませんが、
海で暮らしていた頃は海の塩化ナトリウムに囲まれていたため、
不自由しませんでした。

しかし、陸上生活ではそれを補給する必要が生まれます。
よって「塩味」の味覚が発達し、
その味がするものを積極的に食べるようになりました。

そして、人類は製塩技術を生み出し、
さらに農耕が始まると

植物に含まれるカリウム過多に対応する必要が出てきました。
カリウムも人体に欠かせない物質ですが、
体内にカリウムが多くなりすぎると、
高カリウム血症で筋収縮が調節できなくなり、
心停止の可能性もあります。

腎臓はカリウムを排出する役目を担いますが、
その時にナトリウムまで排出してしまいます。

農耕は狩猟採集生活とは比べものにならないほど
食生活を安定させましたが、
植物性の耕作物を食べることが多くなり、
カリウムが増加、
人体はより多くのナトリウムまで放出するようになってしまいました。
こうして、人類はさらに塩を求めるようになったというお話でした。


「塩味」は人体に欠かせないナトリウムを確保するために発達した味覚でした。
「甘味」も同様で、活動に欠かせないエネルギー源であるため、
それを味覚で見分けられるようになりました。
脳においても、糖質は唯一のエネルギーなのです。
私たちはこれらを必要とするため、
塩の味や甘味を「美味しい」と感じるようになっています。

「基本味」と呼ばれているのは、
「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「旨味」ですが、
ほかはどうでしょうか?

「旨味」は私たちの体を作る材料のたんぱく質を見分けるための感覚ですので、
これも進化の上で必要だから発達してきた味覚でしょう。

問題は「酸味」と「苦味」です。
「酸味」は腐敗の味です。
だから、多くの動物は柑橘系の果実を食べませんし、
柑橘系の植物はそうであるから、
酸っぱい果実を実らせるのかもしれません。
この味覚が発達したのは、腐っているものを感知し、
それ以上食べないようにするためでしょうか。
しかし、人類は酸味のある食べ物を食べます。

また、「苦味」はアルカロイドなどの毒の味です。
この味覚が発達したのも
毒を避けるためなのでしょうが、
人類は苦みのある食べ物を食べます。

大人になると味覚の好みが変わり、
子どもの頃は食べられなかった食べ物が
食べられるようになることがあります。

「甘味」「塩味」「旨味」の食べ物を嫌う子どもは少ないかもしれませんが、
子どもに嫌われがちな食べ物は
「酸味」「苦味」のものが多いように思います。

人間は成長する中で「これは安全だ」という確認ができるようになります。
一種のラベリング効果により、安全だと判断した
「酸味」「苦味」の食べ物を私たちは食べられるようになります。
特に人類はほかの動物とは違い、
成体となってからも好奇心を持ち続けます。
「食に対する探究心」などという無意味な意欲を持つ動物は人類だけですので、
より一層、様々な味の食べ物が食べられるようになってきたのでしょう。

 

 

 

 

 

 


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