今朝、Twitterを見ていますと、
「人工呼吸器が足りないなら増やせ」という発言に対し、
多数の医師らが反論していました。
イタリアでは人工呼吸器が足りず、
どの患者に使用するべきか、どの患者に諦めてもらうか、
国内全体でトリアージが必要な状態です。
日本でもこのパンデミックに見合うだけの数があるわけでもなく、
私も増やせるなら増やすべきかと考えます。
ただ、国産の人工呼吸器は少なく、
製造する、増産するにも年単位の期間が必要です。
さらに、人工呼吸器管理の知識と技術を持つ医師や看護師、
臨床工学技士が必要となります。
その養成にも時間がかかることでしょう。
もっとPCR検査ができるようにしろ!
という意見の中には、
それがまるでジャガイモの断面にヨウ素液を垂らすが如く、
捉えている人もいました。
実際には臨床検査技師の中でも、
特にPCRの技術を身に付けている技師さんでないと無理です。
現在、各機関の技師さんたちはフル稼働で、
36時間連続勤務の方いらっしゃるとのこと。
増やすべきなのですが、
平時からどの程度の人員を確保しておくべきか考える必要があるでしょう。
人工呼吸器管理はたいへんです。
気管吸引が必要となりますが、本来は2時間毎のような
画一的な吸引ではなく、患者の状態により
吸引が必要かどうかを「評価」し、
過剰な圧をかけないよう短時間に適正な吸引圧で行う必要があります。
看護師であれば誰でもできるというものではなく、
当然、夜間を含めてのケアになります。
理想をいえば、私もPCR検査は軽症者でも行えるほうがいいと思います。
ただ、これまで何度もお書きしてきたように、
医療資源の問題、医療者の感染リスクの問題、
自宅待機の感染者全員がルールを守るかなどの問題があり、
現実問題として、PCR検査は
医師が必要だと判断した時のみに行うのがよいということになります。
クラスターの連鎖を断ち切る目的での検査は否定しませんが、
軽症の患者全員に対し、感染しているかどうかの検査はできません。
人工呼吸器については、私の父もそうでしたが、
人工呼吸器管理になり、そのまま亡くなることも少なくありません。
果たしてその医療に全力で注力すべきかどうか、
この議論にはそのあたりの認識も必要ではないかと思います。
さて、その後、岡田晴恵白鴎大特任教授の
国立感染症研究所時代の論文不正疑惑が報じられ、
小保方晴子氏のような状態に近づきつつある中、
反論もせず、また「モーニングショー」に出ていました。
反論しないままでは、感染研時代のその時の怨嗟が
あのデマの動機だったんだという印象です。
一方、まだまだ演出面で煽情的な扱いはあるものの、
マシな番組が増えてきました。
こちらではYouTube動画をご紹介しておきます。
現在、AmebaブログではYouTube動画の貼り付けができなくなっていて、
何やら、トラブルのようですが、
HTMLタグを書いてみても動画が表示されないあたり、
これはYouTubeの仕様変更が原因でしょうか。
ともあれ、貼れないのでリンクだけにしておきます。
新型コロナウイルスについて専門家に質問しました
https://www.youtube.com/watch?v=xDBtQCQ6fWk
https://www.youtube.com/watch?v=qICAP83rDck
ホリエモンこと堀江貴文さんのチャンネルです。
先日もお書きした
米国国立衛生研究所(NIH)内アレルギー感染症研究所(NIAID)の
峰宗太郎先生がご登場です。
抱えやすい疑問について一般の目線で堀江さんが質問し、
峰先生が解説されています。
ぜひ、ご覧下さい。
峰先生(@minesoh)はTwitterで
どうでもいい会話にも付き合っておられる先生でもあります。
SNS医療のカタチONLINE(2020/3/15)
https://www.youtube.com/watch?v=c7rZpfQDVco
こちらは同じくTwitterなどで
正しい医療情報などを発信しておられる有志の先生方四氏による
オンラインの「市民公開講座」です。
15日にライブ配信されたもので、今もアーカイブされています。
この動画では一般が医療に関する情報に出会った時に、
気をつけるべき点などが解説されています。
・医療におけるスクープを見たら?
・専門家の意見が割れていると思ったら?
・「○%」「○人」という数字を見たら?
・「~らしいよ」というセリフを聞いたら?
件の岡田晴恵のこれまでの発言に当てはめますと、
如何に駄目なのかがよくわかります。
私も気をつけます。
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付け焼き刃ではできない 人工呼吸器管理もPCRも -新型コロナウイルス感染症-
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