大相撲前頭五枚目・阿炎関が
「数人のお客様と会食に行ったため。大事を取って休場することになった」
とのことで、突然のことに驚きました。
これは師匠の錣山親方のコメントですが、
日本相撲協会は関係者に不要不急の外出自粛を求めていて、
それに反する行動により、感染者が同席していたという情報はありませんが、
念のため感染拡大を防止するための措置と考えられます。
阿炎関の行動について世論は厳しいようですが、
少し気の毒かなとも思います。
ただ、あらゆる興行は、全関係者が祈るような思いで開催されていて、
その点はしっかり理解しておくべきだったかと思います。
ところで、相も変わらず「検査」「検査」「検査」と
ワイドショーなどが騒がしく、
そのレベルの話をいつまで続け、
いつになったら信者たちが騙されていることに気付くのかと思います。
経済を回すためにはもっと検査を、
陰性なら安心して仕事ができる
そんな理窟です。
仮に感度も特異度も100%という検査があるとしましょう。
そして、検査を受けた人が「陰性」と判定されたとします。
絶対に間違わない検査ですから、この人は確実に感染していないことになりますが、
この人はその後、どうすべきでしょうか?
感染していない状態を維持するためには、
日本相撲協会が求めているような生活が最低条件になります。
東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に
緊急事態宣言が発出される前、
京都大学医学部附属病院では、院長判断で
感染リスクをゼロに近づけるために、
職員は一人きりで食事しなければならなくなっていました。
ルールでは家族でも食卓をともにできませんでした。
現在、どうなのかはわかりませんが、
それでも、確実に感染していない状態を維持できるかはわかりません。
どんなに完璧な検査でも、
得られるのは「一時の安心」か、
「偽りの安心」に過ぎません。
そもそも、検査で得られた「陰性」という判定は、
検体を採取した時点のものであり、
検査された時点から以後の感染については感知しません。
「検査」「検査」「検査」とやかましい連中は、
この点を無視しています。
当然、感度も特異度も100%なんていう検査はあり得ません。
一般的に医療で用いられる検査では、
陽性と判定されるべき人を正しく「陽性」と判定できる感度を上げようとすれば、
陰性と判定されるべき人を正しく「陰性」と判定できる特異度が下がります。
その逆も同様で、両方を上げることは無理なんです。
偽陰性を減らそうとすれば偽陽性が増え、
偽陽性を減らそうとすれば偽陰性が増えます。
さらに、連中が持ち上げている各国の事例についても、
希望者が検査を受けられるにしても、
結果が届くには1~2週間の期間が必要であることもあり、
そんな検査結果に何の意味があるのでしょうか?
各国の事例でも、日本と同様の対策を市民に求めていて、
密となる施設の営業を禁止するなど、
検査だけで感染者数を抑えようなんて考えていません。
緊急事態宣言中から解除後、
医師の中にこんなことを仰っている先生がいました。
感謝なんか要らない。ワイドショーの放送をやめてくれ
奴等のために、どれだけ現場が余計な労力を強いられていることか。
「この問題には何かいい解決策があるはずだ」
「解決策があるのに実行しないのは政府が悪い」
「検査」「検査」「検査」
という誘導です。
手洗い
人との距離が近い状態でマスクの着用
密閉・密集・密接の3密を避ける
体調が悪い時にはできる限り人と接触をしない
こればっかり言っているという批判がありますが、
個人ができるのはこれしかないんです。
あらゆる問題に、簡潔な解決策があるとは限らないんです。
国としてすべき検査は、医師が必要とした場合、
クラスターの追跡の目的以外では、
無作為抽出による検査で、
疫学的に実際にどの程度、感染が広がっているかを確認すること。
これを定期的に行うことぐらいです。
そろそろ、増強したPCR検査のキャパシティも
限界に近いという話も聞こえてきます。
もしも、日々発表される「新規感染者数」が頭打ちになった時、
一喜一憂しないようにしないといけません。
現時点で私が最も気になるのは、
無症状の人に対する検査が「濃厚接触者」を拡大解釈して行われているのに、
陽性率が高い状態が続いているということでしょうか。