依然、安倍総理の持病である潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患(IBD)患者に対し、
差別的な発言が多数行われています。
全国のIBD患者会の集まりであるIBDネットワークが6日付で声明を発表しています。
未来を拓く声明 - NPO法人IBDネットワーク
https://www.ibdnetwork.org/pdf/NPOibdnetwork_statement20200906.pdf
難病は、生まれながらにして、あるいは、ある日突然に発症し、且つ、原因と治療法がない疾患群の総称です。どんなに治療をきちんと受け、健康に留意していても再燃や増悪、進行することが起こります。体の辛さや疲れやすさ、痛みや筋力の低下など、見た目では分からない症状も多く、誤解されやすいという特徴もあります。「なまけている」「さぼっている」「病気に甘えている」「疲れているのはあなただけではない」そう言われた経験がある人は少なくありません。そして悪化すると「自己管理が悪い」「無理をしたあなたが悪い」「迷惑だ」と責められることもあります。
本人も自分がどこまで頑張れるのか、どこからが無理なのか、その判断はとても難しいです。病状に波があることを前提に、過度の負担を避けて仕事をするというのが現実的ですが、病気の理解を得にくいこともあり、過度の負担を求められることが残念ながら多いのが、病気をもって働く人の現状ではないでしょうか。また、本人も仕事への責任感からも無理をしてしまいがちです。
差別を続けている人たちは、
こういう人たちを踏みつけていることを知るべきです。
IBDに限らず、外見ではわからない疾患、内部障害を持つ人は、
社会的な理解が得られにくいです。
なぜ、理解されにくいのか?
病気や障害を目に見えるものだと思っているからです。
ろくに知ろうともしないのに
「この病気ならこんなことしない」と決めつけます。
当事者や医師にしかわからないことがあります。
当事者にしかわからないこともあります。
さらには当事者にもわからないことがあるんです。
安倍総理の辞任発表以後、差別を続けている人は、
日本式のいわゆる「リベラル」な人が多く、
普段から人権を重視しているようですが、
自分のイデオロギーや党派性で、
簡単にそんなものは捨てられるんです。
第一次政権の時から何も変わらない、
自分の都合次第で
ダブルスタンダードな主張を平気で行う連中の存在を忘れないようにしましょう。
続いて消費税増税。
管官房長官が増税の必要性を訴えたと思ったら、
直ちに「10年は増税しない」と軌道修正。
最初に出したのは観測気球なのでしょう。
各種給付金の給付が決まるまでにはたくさんの観測気球のリークがありました。
基本的に、ほとんどの国会議員は財政再建重視の考えを持っています。
そうではない議員は表舞台に出てこられず、
財務省のレクチャーの影響を受けた人ばかりが出てきます。
そうでないと、総理大臣にはなれないのが現実です。
管官房長官の頭の中はどうなっているのか、
財政再建の重要度をどの程度と考えているのか、
期待薄ですが、財務官僚を静かにさせておくために…、であればよいのですが。
さて本題。
英医薬品企業のアストラゼネカは開発中の新型コロナウイルスワクチンで、
有害事象が発生したとのことで、臨床試験が中断されました。
再開は独立委員会が判断するとのことで、
昨日、再開が発表されました。
ワクチンなどの医薬品は多くの段階を経て開発されます。
まず、基礎研究で自然由来のものを含む化学物質の中から
薬になる可能性のある新規物質を取捨選択していきます。
現在はゲノムを参照することもあります。
続いて非臨床試験。
新規物質の薬理(効果)と安全性を動物や人工的に作った細胞などで確認します。
動物や人工的に作った細胞は基礎研究の段階でも使用されています。
そして、臨床試験。
臨床試験は3段階に分かれていて、
第1相試験と呼ばれる段階では10~100人程度を対象に少量で試験、
第2相試験では人数を増やして数百人規模で通常の量で試験します。
第3相試験では数千人規模で、一般に使用するという前提での試験を実施します。
ここまでの段階で、有効性と安全性、品質が確認されれば、
日本では厚生労働省に対して承認を申請、
医薬品医療機器総合機構と、
厚生労働省が所管する独立行政法人の薬事・食品衛生審議会にて
審査と審議が行われます。
一般論として、新薬は10年20年以上をかけて開発されるもので、
それだけの時間をかけても、
厚労省の承認を得られるまでに至らないことも多いです。
新型コロナウイルスに対するワクチンの場合、
この過程が急ピッチで行われているものの、
懸念されるのは、見切り発車で行われたワクチン接種により、
健康を害するようなケースが多発しないかということです。
8月11日、プーチン露大統領は、
新型コロナウイルスのワクチンを承認すると発表しました。
この時、9月から大量生産が始めるとしていて、
彼は娘にワクチンを接種したと公表。
発熱があったものの、「それだけだった」と話しています。
8月の時点では、この新ワクチン「スプートニクV」の臨床試験の開始から2か月弱。
第3相試験をすっ飛ばしたと報じられています。
恐ろしい話ですが、「スプートニクV」は各国から照会が殺到したようです。
私が親なら、絶対に接種させませんし、
プーチンの発言も怪しいかと思います。
現時点では、新型コロナウイルス感染症で
どのような症状が出るのか明らかになっていて、
治療法も、医師らスタッフの対応方法の知見も蓄積され続けています。
全てのワクチンを含むあらゆる薬は、
利益と不利益を天秤にかけて、利益のほうがはるかに大きい場合に使用されます。
現状、安全性の確認が不充分なワクチンを、
接種するほどの利益はないと考えるべきでしょう。
結果的に「スプートニクV」が安全で有効だとしても、
それは「たまたま」に過ぎません。
現時点では、接種による利益よりも不利益のほうが大きいはずです。
アストラゼネカはオックスフォード大学と共同で
ワクチン開発を行っていましたが、
こういう有害事象は臨床試験につきもので、
むしろ、安全性に配慮しているからこその中断です。
世界中の人がワクチンを求め、政治的な要請もありますが、
ここを軽視すると、
新型コロナウイルス感染症以上の被害を出してしまうかもしれません。
さて、ここまでに「有害事象」という言葉を使用しました。
この種の問題で最も目にすることが多いのが「副作用」ですが、
ほかに「副反応」という言葉もあります。
これらの言葉は、これから報道などで目にする機会が増えるかもしれません。
「有害事象」は、ワクチンを含む医薬品、手術などの医療行為全般において、
好ましくない事象全般のことを指す言葉です。
この言葉自体には、その医療行為の因果関係の有無は問わず、
実際はその事象の原因がほかの原因だったり、単なる偶然だったりしても、
まずは有害事象として捉えられます。
アストラゼネカのケースでは、
報道で「副作用」「副反応」としているものもありましたが、
ここでは「有害事象」とするべきかと思います。
次に「副作用」。医薬品には使用する目的となる主作用があり、
それ以外の作用を副作用と呼んでいます。
副作用という言葉本来の意味では、
無害な作用も、有益な作用も副作用となります。
心臓病の内服薬で頭髪が濃くなったという副作用の事例は、
男性型脱毛症の薬を開発するきっかけとなりました。
ただ、メディアで見る「副作用」は「薬物有害反応」のことが多く、
本来の「副作用」は英語で「side effect」ですが、
「薬物有害反応」は「adverse drug reaction(ADR)」と呼んでいて、
「有害事象」という言葉とは異なり、
こちらは因果関係が認められる場合に使用します。
「副反応」という言葉は、ワクチンについてのみ使用されます。
ワクチンは免疫を付与するために接種されますが、
それ以外の反応のことを指します。
報道などでは「副作用」が使用されることが多く、
英語の報道などでも「side effect」を使用しているケースも多い気がします。
これもワクチン接種において主反応以外の反応が認められる場合に、
「副反応」という言葉が使用されます。
なお、話は遡りますが、「臨床試験」という言葉に似た言葉で
「治験」という言葉もあります。
この言葉は本来、薬機法に基づき
厚労省の承認を得るための臨床試験のことを指します。
これも言葉として混同されがちではあります。