浅野竹二「鞍馬寺春色」
浅野竹二は複製を目的としない現代美術的な創作版画でも知られていますが、
新版画の作品も残しています。
こちらは鞍馬寺。下のものは3年程前の秋の写真です。
さて、日々伝えられる新型コロナウイルスの新規感染者数が減っています。
重症者の数字は遅れて変化し、
これまで「入院させたかったができなかった人」が入院するケースもあり、
まだまだ医療機関が逼迫していて、
死者数も、闘病してこられた方たちが亡くなっているため、
まだ多い状況にあります。
ただ、感染者が本当に減っているのか、という疑問があります。
クラスターの追跡を諦めたから、
新規感染者数が減るのは当然と認識している人もいます。
ただ、検査陽性率のほうも下がってきていて、
確実に感染者そのものが減ってきていると考えてよいかと思います。
クラスターの追跡を諦めた場合、
「感染しているかもしれない人」の多くが検査されず、
「感染している可能性がより高い人」に対する検査の割合が増えていくはず。
この場合、高い陽性率が結果となって見えてきているはずです。
しかし、目に見えているのは、陽性率の減少です。
「感染している可能性がより高い人」だけに検査を行っているわけではなく
「感染しているかもしれない人」の多くも検査されているから、
陽性率は下がり、新規感染者数が減っていると考えることができます。
現在、私たちが行っている感染拡大防止の努力は、
概ね、正しいと考えてよいでしょう。
本質的には、緊急事態宣言などは必要ないはずです。
個人個人や組織が密を避け、手洗いとマスクの徹底、
同居家族以外との食事を避け、
食事の時などを含めて、マスクがない状態ではできる限り喋らないようにしていれば、
飲食店の夜間営業の自粛を求める必要もありません。
旅行も同様です。
緊急事態宣言の出口が議論されるようになってきましたが、
例年のインフルエンザウイルスの流行では、
まだまだ流行期間は続きます。
それなのに、新型コロナウイルスで減少が続いているということは、
個人個人や組織が頑張っている成果が現れていることの証です。
緊急事態宣言が解除されても、
ワクチン接種が始まっても、継続すべきは継続しなければなりません。
新規感染者数が減れば、やがて重症者数が減ります。
さらにその後、死者数が減っていくことになります。
努力の方向性は間違っていません。
さて、ワクチンの話題。
ファイザー社が新型コロナウイルスに対するワクチンで、
売上高が1.6兆円になるであろうという報道がありました。
ワクチン売上高、1.6兆円 米ファイザー、21年見通し
https://news.yahoo.co.jp/articles/d66cb0f3e3758bdaa409161a920ca050abaae450
すると、例の如く「ワクチンでぼろ儲けか!」という声が湧いて出てくるわけですが、
ワクチンの問題で常に言えるのは、
「ワクチンなんか開発せず病気になってもらったほうが儲かる」
という事実です。
これは医薬のどちらでも言えることで、
ファイザーについても、ここ10年、
全く利益にならないかもしれない研究をずっと続けてきたんです。
10年間というスパンで1.6兆円という数字が大きいかどうかは微妙でしょう。
たしか、ファイザーは国などのから助成金が出ていなかったのでは。
それに、売上高が1.6兆円というだけで、
利益がどうかなんて、一切報じられていません。
もしも、利益が出たとしても、
製薬会社は今後の医薬品開発の資金も必要です。
イスラエルにおけるファイザーとビオンテックのワクチンのデータでは、
全人口の6%余りに接種した時点で、0.014%に症状が見られたものの、
重症化した例は見られず、
ファイザーは2回目の接種から1週間後にワクチンが95%有効になると考えています。
アストラゼネカとオックスフォード大のワクチンは、
感染を抑制する効果はやや劣るものの、
現時点では、現在行われているインフルエンザワクチンよりも
効果が高いのではないかと考えられています。
今のところ、ファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、
ジョンソン・エンド・ジョンソン、
武田薬品と製造・流通で提携しているNovavaxのワクチンについても、
入院するほどの人、亡くなった人は出ていません。
いずれ、その恩恵にあずかることになりそうです。
河野太郎新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣のメッセージです。
政府や報道機関にはこういった情報を広める必要があります。
ワクチンの効果・有効性
ワクチンの副反応
あとは以前お書きした小説家で医師の知念実希人先生が
誤ったワクチン情報を掲載した出版社に対し、
版権を引き上げると警告した件について採り上げられています。
コロナワクチン報道に怒り…医師の作家が出版社に記事撤回を求めた理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79877
医療者の多くは、メディアが発した間違った医学情報によって命を落とす人、またその家族の悲しみを嫌というほど見ているのです。反医療、反ワクチンといったネガティブなアプローチは人の関心を呼びます。
ですが、その情報に関わったメディアの人が知らないところで、命を落とす人がたくさんいる。誤った医療情報は命を奪うことにもなりかねない。ちょっと強い言い方をあえてしますが、間接的な殺人行為になってしまうこともあるのです。それぐらいの危機感を持ってほしいと思ったのです
「自分の作品を人質にするなど、恥ずべき行為だと思っています」とも語っています。
やはり、先生もHPVワクチンの件を挙げられていますね。
天久鷹央の推理カルテ