現在、東京都に対し緊急事態宣言が発出されていますが、
まん延防止等重点措置適用の埼玉、千葉、神奈川各県、
大阪府にも緊急事態宣言が発出されるようです。
前回の緊急事態宣言の時にもお書きしましたが、
発出は当然ながら、その効果がどの程度あるのかは疑問です。
政府のせい、オリンピックのせいだと考えている人が多いとすれば、
この感染拡大は止まらないかもしれません。
現在の新規感染者数の増加は、2週間前であり、
開会式よりも前の感染状況を示しています。
政府の対応に問題があるのも事実ですが、
感染して困るのは、自分自身や家族などです。
感染拡大を抑制するには、個人レベルの心がけが第一で、
今、電車の中で喋りまくっていたり、
食べながら喋っていたりと、個人の問題のある行動が目立ちます。
今まで、満員電車の中でのクラスターが確認されたことはありませんが、
デルタ株においては、満員以外でもそれが起きる可能性が充分にあります。
マスクをしていても、近い距離で長く話さない、
外食や同居家族以外が同席する食事では黙って食べることが必要です。
政府やオリンピックへの呪詛を吐いたところで、
感染しないわけではありませんし、感染拡大防止にはなりません。
オリンピックがあろうがなかろうが、
すべきことは同じなのです。
1年数か月もの間、私たちは努力を続けてきましたが、
医療現場で奮闘されている方々は、
私たちもはるかに厳しい感染予防が求められています。
楽しみを犠牲にしている部分は私たちよりもはるかに大きいはずです。
オリンピックで頑張っているアスリートたち、
関係者たちも、私たちよりも感染リスクを下げる努力をされているかと思います。
弱音を吐いてもいいのですが、
彼らのことを思えば、できるはずなんです。
オリンピック中止論もありますが、
中止にして状況が改善するのでしょうか。
それに、オリンピックは無数にあるコンテンツの中でも
最強のキラーコンテンツです。
ステイホームには最適です。
自宅でオリンピック観戦を楽しみましょう。
吉田博「渓流」
重症化しなければいいというわけではないとお書きしましたが、
アメリカで内科専門医をされている安川康介先生が
このような図をTwitterで公開されていました。
この図を使用しても良いかという連絡を複数の方から頂きました。僕に確認をせず使用していただいて構いません。イラストは「いらすとや」さんのを使わせて頂きました。
— 安川康介@米国内科専門医 (@kosuke_yasukawa) July 28, 2021
日本での重症度分類は「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」のp33にあります。https://t.co/kznRTa5SBO pic.twitter.com/IhMlCuqXZW
確認不要で使用可能とのことですので、
こちらにも貼り付けておきます。
拡大するには画像をクリックしてください。
ワクチンの効果により、高齢者の感染者、重症者、死者が減少しています。
増えているのはそれよりも下の世代で、
重症化率は低いものの、感染者数が増えれば死者も増えることになるでしょう。
第4波の大阪で起きたようなこと、
症状があってもどこにも入院できない、療養ホテルにも入れない、
電話がつながらない、なんてことが東京で起きようとしています。
あの時の大阪では、新型コロナウイルス感染症ではない、
あらゆる患者の搬送先、入院先が決まらないということが起きていました。
そして、個人の行動が変わらない限り、
大阪でも再びこのようなことになる確率は高いと思います。
若い世代の重症化率が低いということは悪いことではないんですが、
現場レベルでは、それはそれで手間が必要になる部分もあります。
入院から退院、あるいはホテルに移るということが
短期間で何度も繰り返されるわけですから、
退院から次の患者が入るため病室の整備、
車の手配、入退院の手続きが激増することになります。
東京の3,000人を超える新規感染者数は、
連休のデータの積み残しが集計されたものが加算されている可能性があります。
とはいえ、現在、直近の東京の実効再生産数は1.33。
大阪は1.35です。
実効再生産数が2であれば、1人の感染者が2人を感染させ、
1であれば1人を感染させます。
1を超えれば感染者が増えますし、1未満であれば感染者は減るでしょう。
当面、感染者は増え続けるだろうと考えられます。
2週間後には実効再生産数を1未満にしたいところです。