全ては国が悪いんですけどね。
玄葉外相は、都知事の外務省に対する批判に対して、
何もやっていないということは全くない
と反論していますけれど、
ここまでの現実、その後の尖閣周辺での情況を見ていますと、
何をか言わんや、虚しい限りです。
ちなみに、山口公明党代表は、
国の外交関係、領土主権との調和は十分に吟味されなければならない。最終的に国民、都民の理解を得られるかどうかも重要な要素だ
と。
尖閣諸島の主要な島と岩礁は、8つですが、
現在、東京都が予定しているのは、そのうちの魚釣島、北小島、南小島。
金額は10~15億円程度だといいます。
まず、可能であるかどうかですね。
こういうのも借地借家法の規定に従うのかどうか考えていましたら、
どうやら、来年3月末に国との賃借契約が終了する模様です。
その後に東京都が、ということみたいですね。
一年契約で賃料は年間で2450万円。
何もなければ国は更新するつもりでいたんでしょう。
東京都民はどう判断するでしょうか?
都からの支出ですから、都民の理解が必要であるように思いますが、
それがどうなりますやら。
Wikipediaの記述によりますと、
前の所有者から、1970年代に
埼玉県内の親交のあった人物に約4,600万円で譲渡した、とあります。
2010年に都知事がテレビ番組で語ったところによりますと、
この所有者に石原氏が相談したところ、
「政治家には一切会いたくない」と門前払いされたとなっています。
この所有者は元々大地主で、戦中戦後に政府に土地を削られたり、
没収されたことから、政治家嫌いだと書かれています。
その後、その所有者は
本来土地というものは、先祖代々受け継がれるもの。私が所有者である限り、あの島は日本の領土です。外国企業からあの島を350億円で売却して欲しいと言われたが、断りました。もし仮に私の子孫が途絶えても、その時島の所有権は日本に移る。あの島は永遠に日本の領土です。
と語ったもようです。
東京都による尖閣諸島購入計画が明らかにされたことで、
藤村官房長官は
必要な場合は国による購入もあり得る
と話しましたが、この所有者は、
今の日本政府に尖閣を売るでしょうか?
期待薄ではないでしょうか?
政治家を信用せず、買い手が日本の領土として守れるならば、
という条件付で売ろうとしているのでしょう。
そうであるならば、日本政府に売りたくはないでしょう。
私が尖閣の地主でも現政権には売りません(前政権もそうですが)。
ただ、石原都知事もずっと都知事でいられる訳ではない訳で、
東京都の土地となった尖閣を、
次の都知事、その次の都知事と受け継いでいくことになります。
現在の議会がどのような考えになるのかはわかりませんが、
議会にも変化があるはずで、
その時の都知事と議会が、尖閣に対して、
現在の石原都知事と同じような判断をするかどうか、
そのあたりにも疑問があります。
尖閣諸島は、北方領土や竹島とは違い、
外国の実効支配を受けていません。
我が国の領土として、我が国が実効支配しています。
…が、その割りにはずっと及び腰、
そのうち、中国の漁船が転覆でもして、
緊急避難として上陸してきたりしそうです。
そして、大陸から救援物資が届き、
小屋が建ち、人が増え、
中国による実効支配という事態にもなりかねません。
日本政府が保有すべきなのが筋です。
しかし、この政府が全くあてにならないので、
このような複雑な計画が出てくる訳です。
野田総理はと言えば、消費税増税以外は何も興味がないかの如く、
他の問題では言葉を発しませんけれど、
国家の宰相として、
尖閣諸島をどのように考えているのか、
今後の中国船への対策はどうなのか、
それぞれ、彼の口から伺いたいです。
当然のように中国と台湾からの反発です。
東京都の方針が適当かどうかはともかく、
いずれにしても、これは日本国内の問題です。
諸外国にとやかく言われる問題ではありません。
総理大臣としての毅然とした言葉を期待しています。
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東京都による尖閣諸島購入計画について考える
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