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人権無視の風評加害番組『報道特集』甲状腺がんの扱い / 話題のサル痘について

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5月21日の『報道特集』で、福島県で発見されている甲状腺がんについて、
原発事故の影響だと思わせる内容が放送されました。
こちらでも、この問題は何度もお書きしてきており、
この非人道的デマを批判してきました。

まず、国連のUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)が
その可能性を否定しています。
IAEA(国際原子力機関)やWHO(世界保健機関)も同様で、
UNSCEARの見解では

放射線関連のがん発生率上昇はみられないと予測される

としています。

『報道特集』を含むTBSの報道は事実よりもイデオロギー、

党派制を優先しますので、
常日頃から報道でも何でもないのですが、11年以上が過ぎてもまだ、
このような風評加害行為を犯すとは。

あらためて、そもそも論から始めます。
亡くなった高齢の方を何らかの理由で解剖すると、
甲状腺がんが見つかることがあります。
甲状腺がんは無症状のことが多く、
当人もがんに気付かないまま亡くなられたと予測されます。
一生、健康や生活に害を及ぼさないことが多いがんなのです。

私たちは「がんは早期発見が重要」だと教えられていますが、
日本で早期発見により死亡率を下げられるとしているのが、
胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5つのがんのみです。
だから、自治体はこれらの検診を行っているわけです。

ワクチンの件でも、常々お書きしているように、
医療は利益が不利益を上回った時にのみ施されるもので、
それは治療に限らず、予防接種でも検査でも忘れてはいけない鉄則です。

検査にもデメリットがあるわけですが、
無症状者に対する甲状腺がんの検査のデメリットには、
「がんを見つけてしまう」というものがあります。
それは一生、体に悪さをしなかった可能性が高いがんであるのに、
見つけてしまったばっかりに、当事者は不安を抱えて一生を過ごすことになり、
摘出ということになれば、一生、服薬を続けなければならなくなります。
これが「過剰診断」の害です。

無症状者に対する検査、スクリーニングの甲状腺がん検査が
死亡率を下げないことは明らかなのです。
今、福島の子どもたちに甲状腺がんが増えているのは間違いありませんが、
それは検査をしたから見つかったのであって、
ほかの地域でも同様の検査を行えば、同程度のがんが見つかるものと考えられます。

これは韓国で既に起きていることであり、
韓国では無症状者に対する検査により大量の甲状腺がんが見つかってしまい、
韓国では無症状者に対する検査を推奨しなくなりました。

「同程度のがんが見つかるはず」という主張に対する批判に、
「ほかの地域で検査して比較すればいい」という指摘もありますが、
それは許されないことなのです。
無症状者に対する甲状腺がん検査は被験者に害となるからです。
子どもたちを犠牲にしてまで、
データを取ろうなどというのは人道に反する行為なのですから。

もちろん、原発事故から現在まで、
甲状腺がんを含むあらゆる健康上の問題において、
後世までそれらが遺伝するなどということはありません。
それは、広島と長崎で犠牲になられた方々と
そのご家族から得られた尊いデータからはっきりしています。
福島で暮らす人も、福島で生まれた子どもたちも、これから生まれる子どもたちも、
健康面で私たちと何も変わらないのです。

あとは、この種の問題に
「予測される」「考えにくい」などの表現が使われることがありますが、
これを「予測に過ぎない」

「可能性はゼロではないということか」と批判する人もいますが、
自然科学では、
「24時間以内に岸田総理の頭とバイデン大統領の頭に隕石が当たる」
という確率も「当たらないと予測される」「考えにくい」とされます。
一般の感覚では「あり得ない」ぐらいで丁度よいかと思います。

 

 

 

 

 

 



山本昇雲「金魚の餌」



次にサル痘の話題。
WHOも警戒する姿勢を示しているわけですが、
現時点では、コロナ禍のような状況にはならないかと思います。
サル痘はサル痘ウイルスにより感染しますが、
感染力がかなり低いウイルスとされます。
日本の感染症法においてサル痘は四類感染症ですね。

サル痘はネズミやリスなどの齧歯目、サルの一部などが感染し、
ヒトについては、1970年、現在のコンゴ民主共和国で確認されています。
アフリカ以外では、2003年にアメリカにペットとして輸入された齧歯目動物から、
プレーリードッグに感染が拡がり、十数名の感染者が出ています。
現在の症例では、ゲイのコミュニティでの報告が多く見られ、
症状についても、軽いとされ、今回の流行で死者は確認されていません。
サル痘には、天然痘ワクチンが有効とされ、
その使用が検討されていますが、
使われるとしてもまずは濃厚接触者でしょうか。

天然痘患者が最後に確認されたのは1977年。
そして、1980年にWHOが世界根絶宣言。
日本では1976年に天然痘ワクチン接種が終わっているようですね。
天然痘ワクチンで得られる免疫は強いとされますので、
子どもの頃、このワクチン接種を受けた方々の免疫は有効だと考えられています。

天然痘ウイルスは懸念されるバイオテロの筆頭のようなウイルスですので、
各国、ある程度のワクチンを確保しているか思います。
日本も用意しているかと思いますが、数量は不明です。
ともあれ、あまり大騒ぎせず、続報を待ちましょう。
 

 


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