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GLP-1受容体作動薬の不適正使用には膵炎などのリスクも

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ひと月ほど前からか、GLP-1受容体作動薬を適用外使用が話題になりました。
GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げ食欲も抑える効果があり、
2型糖尿病患者に処方されます。

ところが、ここ数年、ダイエット目的で処方している医療機関が増え、
必要としている糖尿病患者にこの薬が届かないという事態になりました。
日本糖尿病学会は

一部のクリニック等において、2型糖尿病治療薬である GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬を、適応外使用である美容・痩身・ダイエット等を目的として自由診療での処方を宣伝する医療広告が散見されます。また、肥満症を適応とする新規薬剤の臨床試験では、BMIならびに肥満に関連して有する健康障害についての参加基準が厳格に定められています。
http://www.jds.or.jp/uploads/files/jds_statement_GLP-1.pdf

として、適正な使用を求める注意喚起を行っています。

私たちが食事を摂ると消化管からGLP-1とGIPというホルモンが分泌されます。
食事を摂取し血糖値が上がると
小腸下部からGLP-1というホルモンが分泌されるわけですが、
このGLP-1は膵臓に働きかけて血糖値を下げるインスリンの分泌を促進、
グルカゴンという血糖値を上げる強力なホルモンの分泌を抑制します。

GLP-1の代わりにGLP-1受容体に付き、
GLP-1と同様の働きをさせようというのがGLP-1受容体作動薬です。
不適切な使用は美容皮膚科などで見られ、
オンライン診療による処方の場合、手軽さもあり、
かなり横行しているようです。
そもそも、そういった"患者"の多くは、
糖尿病の検査を受けていないものと思われます。

GLP-1受容体作動薬には下痢、便秘、吐き気などの消化器症状、
ふるえ、動悸、冷や汗、空腹感などの低血糖症状といった副反応も。
また、急性膵炎などのリスクもあります。

日本糖尿病学会は自由診療での処方を問題視していますが、
実際には糖尿病ではない患者に対し、

糖尿病と診断をつけて保険診療でも行われているようです。
保険診療でこのような処方が横行すると、
ただでさえ、危機的状況にある国民皆保険制度の破綻を

早めてしまうことになるでしょう。


ネット上では広告を見かけることもありますが、
それらの医療機関は倫理観のない、
患者に対して責任をとらないところだと認識しておきましょう。
何しろ、もしもそれらの医療機関で処方された
GLP-1受容体作動薬により、重大な健康被害に遭ったとしても、
ダイエット目的では、被害救済制度の対象外になってしまいます。
その可能性があるのに、そんな処方を行っている医師なのですから。

 

 

鳥居清光(九代目)「秋」

 

インフルエンザ迅速診断キットが足りなくなってきたという話を聞きます。
ほかにもいろいろと医薬品が不足しています。
薬が足りないという話はこちらでお書きしたんですが、

 

 

一般論としてほかの理由としては、海外からの輸入が減っている、
今後も減るだろうと予測されている点もあるでしょうか。
日本の保険診療では、薬価がとことんまで抑制されています。
海外の医薬品メーカーとって、日本の市場は魅力がないのです。

小野薬品工業ががん治療薬ニボルマブ(製品名オプジーボ)を販売したのですが、
厚生労働省の要請により、薬価が当初の4分の1以下になってしまいました。
たしかに、1人あたりの年間医療費が数千万円になるような高価な薬です。
ただ、メーカーも利益を上げねばならないわけです。

研究開発費は償還されたのか、次の新薬は開発できるのか、

それが心配です。

医療費の膨張を抑制するため、日本では医薬品の価格が下げられ、
海外から見ればそんな市場は魅力がないのでしょう。
国内ではデフレが続き、製薬会社の経営が厳しくなっていて、
薬の支払いが少なくなることを良しとする国民は多いのかもしれませんが、
持続的な医薬品の供給が難しくなる可能性があります。
白色ワセリンとか、黄色ワセリンといったありふれたものですら、
出荷調整という状況にもなってきました。

 

 

インフルエンザが猛威を振るい、
さらに、新型コロナ感染症では第10波が控えます。
咳止めが足りません。
企業の努力に頼る姿勢だけでは、
立ちゆかない状況になっているのではないでしょうか。

政府も国民もこの事態を直視する必要があります。

 


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