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日本は1541年にポルトガル人が発見した ~Mrs.GREEN APPLEの騒動について考える~

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Mrs.GREEN APPLE「コロンブス」のミュージックビデオが問題となり、
公開停止になりました。
日本コカ・コーラのキャンペーン曲でしたが、
それもなかったことになりました。

コロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンに扮したメンバーが
たどり着いた小島で、サルを使役しつつ音楽や乗馬などを教導、
さすがにこれを肯定的に捉えるのは難しいかと思います。

なぜ、ここに至るまでに誰も指摘しなかったのかというのが疑問で、
ただ、組織の一員として既に形になっているプロジェクトを止める指摘は、
かなりの勇気がいるのではないかとも考えます。


時代ごとに価値観、物事の捉え方は変わるもので、
楽曲「コロンブス」にも出てくるクリストファー・コロンブスは、
かつては「アメリカ大陸を発見した」と説明されていましたが、
近年は「アメリカ大陸に到達した」と表現されることが多くなりました。

先住民たちにしてみれば、自分の足の下に大地があることを知っているわけで、
それを「発見」というのは、ヨーロッパ人の価値観に過ぎません。
また、現実には彼の到来が先住民にとっての悲劇の始まりです。

暴力により新しい秩序が押しつけられ、奴隷化、病気の蔓延などが始まります。
経済的には、ヨーロッパ中心の搾取が当たり前でした。

コロンブスは1492年10月12日に米大陸に到達したわけですが、
アメリカで10月12日は「Columbus Day」として祝日とされています。
ただ、州により捉え方が異なり、
ハワイ州、アラスカ州、オレゴン州、サウスダコタ州では認められていません。
全米でも先住民と、その遺産を称える日などにしようという動きが見られます。
コロンブス像の撤去運動が活発化し、
学校でもコロンブスを批判的に教えるようになっているとのこと。

日本人が考えるよりも、クリストファー・コロンブスの評価は、
相当に複雑な問題な問題となっているようなのです。

 

 

ポール・ビニー(敏弐)「名匠との旅 ニューヨルク」
 

 

この種の問題は、日本人にとって無関係の話と思いがちですが、

丁度、NHK「歴史探偵」で、大友宗麟が採り上げられ、
リスボンの「発見のモニュメント」が紹介されました。

 


教科書でもおなじみのものです。
動画にもあるように、このモニュメントの足元の地面には世界地図があって、
喜望峰1448年、カルカッタ1498年などとあり、
日本は1541年となっています。
この年は豊後国神宮寺浦にポルトガル船が漂着し、
それが記載されているのでしょう。

1492年 コロンブスによりアメリカ大陸を発見された

のであれば、

1541年 ポルトガル船により日本は発見された

ことになります。

日本人としては、納得できませんよね。
私たちの祖先は、それよりもずっと前からここに暮らしていたのですから。

そして、私たちの祖先も、

米大陸の先住民と同じような悲劇に見舞われていたかもしれません。

なお、この「発見のモニュメント」は、1940年の国際博覧会のシンボルであり、
1960年にコンクリートで再制作されたものだそうで、
今の価値観が象徴されていると断定できるものではありません。

また、日本で「大航海時代」と呼ばれる15世紀半ばから17世紀半ばまでですが、
英語では「Age of Discovery」と呼ばれ、直訳すると「発見時代」です。
「発見時代」という呼称がヨーロッパ人の立場からの見方によるものだとして、
新しい視点からの呼称が必要だということで、
1963年、文化人類学者で、歴史学者の増田義郎氏が「大航海時代」としたそうです。

 

 


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