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『虎に翼』朝鮮人虐殺・福田村事件の教訓 / 熱中症対策は何よりも高温多湿な場所を避けること

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NHK連続テレビ小説『虎に翼』は重い話が多く、
さらに、たくさんの問題を同時進行で進めることが多く、
今週ですと、5つぐらいの問題がストーリーになっていました。
15分ですので、欲張りすぎかなと思います。

その中で、「朝鮮人虐殺事件」が扱われました。
Xなんかを見ていますと、
虚構の話で日本を貶めているという主張も見かけましたが、
そういう認識なのかと驚かされた次第です。
学術界でも、虐殺はなかったという主張もあるようですが、
さすがに無理筋ではないかと考えています。

そうでなければ、後述の福田村事件が起きた原因を説明できません。

1923年9月1日の関東大震災では、関東各地が大混乱となり、
不安に駆られた人たちが、根拠不明の流言蜚語を信じるようになります。
「朝鮮人が井戸に毒を入れる」「朝鮮人が井戸に毒を入れた」
「朝鮮人が暴動を起こした」「朝鮮人が放火した」
という噂が真実かのように飛び交っていたのです。

噂は火のような速さで広まり、
発災の翌日には東京中、横浜中の人たちの耳に入っていたようです。
当時の新聞も、事実が確認できないまま
「大久保で鮮人が井戸に毒を投じ二百人死亡」などと報じています。

武装した民間人(多くは自警団)が民間人を襲撃し、殺傷事件が多発。
その被害者の多くが朝鮮人だったとされます。
中には中国人、日本人もいました。

『らんまん』における関東大震災の部分の中に、
長屋に標本を取りに戻ろうとする万太郎が自警団に止められる描写がありました。
行き先を「根津の十徳長屋に」と説明すると、
彼はそこを通してもらえました。
朝ドラとして、その理由の説明は難しかったのかもしれませんが、
脚本家かプロデューサーは、どうしてもこの件を入れたかったのでしょう。

『虎に翼』では、そこを踏み越えてきました。

自警団が日本人か朝鮮人かを見分ける際に、
手掛かりとしたのが言葉でした。
自警団は人を見ると「15円50銭」などと言わせ、
ちゃんと発音できた人を日本人と認識したようです。

ドラマの万太郎は「十徳長屋」を言えたから、

通ることができたという描写なのでしょう。

朝鮮語の子音には、平音、激音、濃音がありますが、
清音と濁音の区別が難しく(ないといえるかも)、

特定の音が語頭に来た場合に有声音化が起き、
逆に語頭には濁音がないという特性があります。
そこで「15円50銭」という朝鮮の人には発音しづらいであろう言葉を言わせ、
区別しようとしたのでした。

しかし、当然、関東には地方出身者もいて、
まだまだ、標準語が当たり前ではなかった時代。
方言を話す日本人も犠牲になり、中国の人も、
殺されています。

発災から5日が過ぎた6日、千葉県東葛飾郡福田村で、
香川県から薬売りで関東に来ていた行商人 9人が殺される事件がありました。
聞き慣れない讃岐の言葉から、朝鮮人だと見なされたのです。
そこには妊婦、2歳、4歳、6歳の幼児も含まれています。
これがいわゆる「福田村事件」です。
そして、昨年、同名の映画が公開されています。

 

 

 

『虎に翼』には、車椅子の女性が務める店舗が、
繰り返し嫌がらせを受けている描写もありました。
実際、「障害者を目に触れさせるな」という認識が世の中にはあり、
それも半世紀前ぐらい前までは当たり前だったのでしょう。
子どもには「悪いことをするとああなってしまうから」と、
説教のダシにされていました。
不吉だ、穢れだという認識だったのです。

大正ロマン、昭和ノスタルジー、人情の時代なんていいますが、
こういう暗部も忘れてはいけないのです。
大なり小なり、私たちは内側に差別意識を抱えていて、
それを理性で制御しているだけに過ぎません。

今も続く福島への差別、優生思想、
コロナ禍で見てきた感染者、施設への攻撃など、
理性によって制御できるはずの差別は今後も起きることでしょう。

それらの差別の行為者は「正しい」という認識だったはず。

本当に「正しい」行為なのか。それを疑わねばなりません。
抗うことができるとすれば、やはり理性しかないのです。

 

ポール・ビニー(敏弐)「百年の華 一九二〇年のモガ」

 

 

続いて、7月26日の武見敬三厚生労働大臣の会談ですが、

 


急性呼吸器感染症とは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)あるいは下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群を総称して急性呼吸器感染症と言います。新型コロナウイルス感染症とは異なる「かぜ」の原因となるコロナウイルスもここに含まれます。

として、従来の風邪を5類感染症として扱うことになりそうです。
以下は7月9日の時点での報道。

 


急性呼吸器感染症をモニタリングすることで、
何らかの病原体の流行を察知したいがための変更のようです。
今のところ、実際の運用がどうなるかわからないといったところ。
おそらく、一般に影響はないと思います。

さて、猛暑が災害であることを思い知らされる日々です。
メディアで言われるのは、
水分を摂りましょう、適切に冷房を使いましょうですが、
熱中症対策で何よりも重要なのは、
暑熱環境にいないことです。
(暑熱環境にいないこと⊃冷房を使いましょう)


意外なほど、ここに触れていないものが多いようですので、
あらためて、高温多湿な環境にいないこと。
それを第一に心がけてください。
第11波の真っ只中です。

東京都では、新型コロナの入院者数が5類移行後最多となりました。
救急車も逼迫しています。

 


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