16日、中国海軍の船7隻が日本の領海の接続水域を通過、
接続水域なので問題はないんですが、
通らなくてもよい海域を軍の船がわざわざ通った訳ですから、
明らかに挑発と威嚇だと考えるべきなのでしょう。
実際に軍が具体的な「行動」には出ないはずですし。
急ぎ、港などの施設を建設しておくべきでしょう。
どうせ、この問題は最低数十年は解決しないでしょうから。
(永久にかも)
このブログを検索してみますと、
尖閣の文字を最初に出したのは2年前であるようです。
それからぼーっとしているから、
こんなことになった訳なんですけれど、
だいたい、中国はなぜあの島々を欲しがるんだと。
よく言われるのは、
あそこに石油などの資源が埋蔵されている可能性が指摘されてから、
という話なんですけれど、
もちろん、それだけではありませんよね。
前々から、この問題で思い浮かべるのが
ロシアにおけるウラジオストク
なんです。
似てる部分があるのかなと。
それが、このあいだの「たかじんNOマネー」で
やっぱりそうなのかなと思えましたので、
そんなお話を。
1856~60年にあったアロー戦争は、
清とイギリス・フランス連合軍のあいだで起きた戦争です。
阿片戦争は清国にとって理不尽な戦争でありましたが、
このアロー戦争も全くの言いがかりで、
英国が開戦しています。
この二つの戦争は連続しているものとして見た場合、
アロー戦争は第二次阿片戦争とも呼ばれます。
英仏連合の勝利で終えたこの戦争では、
最終的に調停役として、間にロシアが入っています。
ここからの振る舞いが実にロシアらしいんですが、
英仏とともに、清国の領地から割譲を受けているんですね。
その土地が北満州で、
そこにロシアが築いた港がウラジオストクです。
このウラジオストクという地名は、
東を支配する町
というロシア語だそうで、
ロシアがこの港にかける思いが込められています。
それはここがロシアで初めての大海に出られる不凍港だったからです。
この場合の不凍港とは、文字通り凍結しない港のことです。
ロシアは広い国土を持つため、
長い海岸線を持ちますが、
そのほとんどは高緯度にあるため、
冬には凍結してしまいます。
ロシアは17世紀から幾度となく南下政策を繰り返してきました。
バルカン半島に、中央アジアに、そして、極東に。
その最大の目的は不凍港の獲得だとされています。
いくら軍事力を持とうとも、海が凍っていては船は出せません。
閉じ込められている船は船ではなく、
商業的にも意味を持ちません。
だから、不凍港の獲得は長年の国家的願望でした。
後に、南樺太と千島列島を不当に占拠するのも、
関係していると思います。
中国は海上交通路戦略として、
真珠の首飾り戦略
を展開しています。
香港から始まり、果てはスーダンまで。
これらのルートの要所に経済支援を行い、
施設を建設、
それは経済面での航路確保が目的だとしてはいますが、
いずれは軍事面で大きな意味を持ってくることでしょう。
今、日本では尖閣諸島で大騒ぎしていますが、
中国は南沙諸島、西沙諸島にも進出し、
フィリピン、ベトナムなどと領土問題で対立しています。
この地図で見るインドは、
この"首飾り"に囲まれてしまっています。
インドは核保有国であり、
その理由は西隣のパキスタンとの領土問題、
不仲にあるとされていますが、
その保有目的の実際は、
対中国を意識したものだとも言われています。
(また、インド・中国間にも領土問題あり)
先週の「たかじんNOマネー」は、
インドを知ろう、インドと仲良くすべきだ、
というような内容でしたが、
中国と渡り合うという目的において、
特にインドの人たちは日本に対して、
好感を持っているということですので、
尚更、インドとの距離を近づけたいところです。
もちろん、フィリピン、ベトナムなどとも。
海上に3つの○をつけました。
北から尖閣諸島、
南シナ海の北のほうの○が西沙諸島、
南の○が南沙諸島です。
このポイントを米軍と同盟国に押さえられ、
台湾が敵に回りますと、
中国の船が活動できる海域は極端に小さくなってしまいます。
米軍と同盟国に船が閉じ込められてしまうでしょう。
中国は領土の東端に長い海岸線を持ちますが、
領海の外側には米国の同盟国の領海が。
それを恐れる中国の姿が見えます。
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中国が尖閣にこだわる理由 ~真珠の首飾り ロシアにおける不凍港・ウラジオストク~
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