「浪速の底力 大阪人の科学」が今回のテーマです。
ここ数年で、大阪市の中心部に次々と大きな施設が出来、
観光客も増え続けている訳なんですが、
その大阪を作っているのが大阪人です。
東京でその大阪人のイメージを尋ねますと、
・ノリがいい
・せっかち
・とりあえず値切る
の3つが挙がりました。
それぞれ、実際の大阪人で確認してみます。
まずは
ノリがいい
この指で作った拳銃で通行人を口で
バンッ!
と言いつつ、撃ってみます。
大阪人たちはどのような反応を示すでしょうか?
最初の中年男性は撃たれて倒れそうになってくれました。
次の若い男性は撃たれたところを避けて、
撃ち返してきました。
刀でも試します。
「バサッ!」と言いつつ刀で斬る振りをしますと、
ちゃんと斬られてくれる人ばかり。
反応してくれない人を見つけたかと思えば、
奈良の人だったり、静岡の人だったり。
ノリツッコミはどうでしょうか?
こちらのボケに対して、
一旦ボケて乗ってみせてからツッコむという技術です。
ユージさんが、
僕の友達と電話がつながっているんで
喋ってもらっていいですか?
といいつつ、女性に手渡したのはバナナ。
言葉で説明されている時には、
ええー? 何? 何?
と不安げでしたが、
バナナを前に出されると、
あっ、もしもし
とバナナを受話器にして話し始め、
なんでやねん!
と、ノリツッコミしていました。
次は総菜屋さんのおっちゃん。
ユージさんが
最新のスマートフォンなんで
ちょっとみてもらっていいですか?
と言い、手渡したのは
こんなおろし金。
あっ、これ画面おっきいからちょうどええわね、うん。
と言いつつ、指でタッチパネルを操作しようとして…
めっちゃ手ぇ痛いやんけ!
と返してくれました。
大阪人に染みついているこういったノリは、
もちろん後天的に獲得したものですが、
では、何歳ぐらいからノリがよくなるのでしょうか?
番組では最年少5歳の子がノリツッコミをしてくれていました。
子供たちになぜ出来るのかを尋ねますと、
・環境
・喋り方
・大阪弁
が理由として挙げられていました。
ここでは大阪弁の環境に着目し、
とある家庭にお母さんだけに事情を説明してカメラを設置、
家の中での会話を見せてもらいます。
テーブルにはカセットコンロ、その上に鍋が。
お母さんが
あっ! ネギ買うの忘れた!
と言いますと、
女の子 またあ?
男の子1 どんだけ忘れるん?
女の子 ネギ、さっき入れたんちゃうん?
男の子2 忘れん坊!
と、ツッコミの嵐。
相愛大学現代大阪文化コースの前垣和義教授は、
大阪弁が丸い、柔らかいというふうなことは、
ノリの良さに有効に働くと思いますよね。
相手に対して柔らかい響きのほうが
横に並んで言っているような関係になるのなかと思います。
と解説します。
大阪弁の特徴として、
・「ん」「や」「な」の多用
・母音を強調する
・言葉を重ねる
があるらしく、
「そうやんな」「そうやん」「そうやんな」
「手ぇ」「毛ぇ」「目ぇ」「歯ぁ」「木ぃ」
「ちゃうちゃう」「ええねんええねん」「ほんまほんま」
などが思いつきます。
文化的には、商人の街として成立したこの街は、
同じ身分の人が多く、対等な立場でモノを言う言葉が発達した、
と説明されます。
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次は
せっかち
この大阪名物のカウントダウン付き信号機。
この信号機のカウントダウンは、
5秒ごとなんですが、"10秒"の次にあるべき"5秒"がありません。
なぜ、"5秒"が表示されないのでしょうか?
大阪府警交通規制課によりますと、
ギリギリまでカウントすると、
ゼロと同時にダッシュする人が出てくる
とのこと。
極端な話でもなんでもなく、
自分が信号赤で止まっている時には、
横の青になっている信号を見続けていて、
そこが黄色になると歩き出す人が多いのが大阪です。
動く歩道、ムービングウォークというものがあります。
どうやら、全国的には乗れば止まるもののようですが、
大阪人は歩きます。
私は大人になるまで、
動く歩道は歩くものだと思っていました。
番組では東京と大阪の動く歩道を確認。
通過する100人を数えて、
何人が止まっているか、歩いているかをカウントします。
東京では
東京 歩いている人 59人
止まっている人 41人
でした。
大阪 歩いている人 98人
止まっている人 2人
と、大阪のほうは極端に歩く人ばかり。
もちろん、そこを歩いているのは、
大阪人ばかりではないでしょうが、
他が歩いているため、
自分も歩くことになるのではないでしょうか。
前垣教授によりますと、
大阪は隣も隣も隣も商売人が多いという街の形態でありました。
時間というものはお金であるというとで、
ちょっとでも無駄な時間は使うなと教えてきた。
じぃーっとしていることを無駄だと捉える部分がありますね。
とのこと。
番組では「たった1分間待てるか」を実験していました。
アイマスクと耳栓をして、
1分待ったと思ったら、
ストップのボタンを押すだけの簡単なルールです。
まずは対照として東京から。
25人のうち、
16人
が1分間を待つことが出来ました。
次に大阪。こちらでは、
8人
しか待つことが出来ませんでした。
このような大阪人気質があるため、
カップヌードル、一括コイン投入式券売機、
自動改札機、回転寿司が大阪から生まれたのでしょうか。
なお、「1分間待つ」という先ほどの実験ですが、
1分ちょうど待てたら、景品が出ます
という新ルールを予め大阪人に教えておきますと、
10人中7人が1分間以上待つことが出来、
うち3人が1分ジャストで景品を獲得しました。
私の感覚でも、
何事においても「時間がもったいない」という意識が強く、
だから時間は潰さないというポリシーでもあるんですが、
最近の大阪人も様変わりしているように思います。
私が特に感じるのは
行列
ですね。特に食べ物屋において。
○○、関西初上陸!
なんて聞きますと、最近の大阪人は並ぶんですよね。
私の感覚ではどんなに美味しくても、
5分ぐらいが限度です。
まあ、そもそも私は食べ物への興味が薄いですし、
昔はどこの店でも美味しかったんですが、
そういう個人のお店が減っているということもあるのでしょうか?
あと…、"いらち"、
「せっかち」「気が短い」「イライラしやすい人」を指して、
関西ではこう呼びますが、
他の例では歩く速度が世界一、二を争っているとか、
エスカレーターも歩く、とかが挙げられるでしょう。
最後は、
とりあえず値切る
について。
千林~テレビ局が面白い一般人のロケをしようとする時の
第一候補地の商店街~の揚げ物屋さんで観察していますと、
おばちゃんが
ネエちゃん、2つ買うから負けてえな
と言っています。
奥から大将が出てきて、
ほな、500円で
と応じ、おばちゃんは一つ280円のものを2つ買い、
60円の値引きに成功しました。
他の例では、
何付けてくれんの?
と、値引きではなくおまけを要求しています。
前垣教授は
大阪人は商売人の社会でしたから、
お金の話を堂々としていくという背景がありますよね。
コミュニケーションとして、
値切り交渉を楽しんでいるんだと、
なんとかなったら得でしょ、
という感覚で言ってみるんですね。
と説明。
どれだけ「お得好き」なのかを実験で確かめます。
裸のトイレットペーパーを100個山積みにしておき、
そこに
どうぞご自由にお持ちください
と表示しておきます。
このトイレットペーパーがなくなるまでに、
どれぐらいの時間を要するかというのが今回の実験です。
まずは対照の東京から。
72分
で、台の上が空になりました。
次に大阪。
30分
で全てのトイレットペーパーがなくなりました。
たしかに、大阪人は値切るのが好きですよね。
ただ、これも最近は少なくなっていて、
もう十代ぐらいの世代には無縁なのかも。
それは、個人商店が少なくなっているからではないかと思います。
それでも、家電量販店で値切ったことはありますが…
最近の目がテンでは、
「47都道府県 ミステリー研究所」という企画をやっていて、
今回はそれかと思っていましたら、
別ものでしたね。
元々はそのための取材だったのかも?