なんと素晴らしい疑問でしょうか。
手が冷たいと
ハ~
と、温かい息を吹きかけることがあります。
しかし、同じ息でも、
フー
と吹きかけると冷たく感じてしまいます。
これが何故なのか、
考えなくてはなりません。
ゲストの高橋愛さんは、
腹式呼吸というものがあるように、
お腹から出す息が温かく、
肺から出す息が冷たいと考えましたが、
これは渡辺徹さんの
腹式であろうと、胸であろうと呼吸は肺なんですよね。
という事実の説明に否定されてしまいました。
すイエんサーガールズの4人も考えます。
皆さんも試してみて下さい。
フー
と、
ハ~
手に当ててみると、たしかに違うはずです。
すイガールの中から、
息の量が違うので温度が違って感じられるのではないかという意見が。
フー
は、息が多い、
つまり勢いがあるために冷たく感じるのでは、と。
それでは、「フー」と「ハー」の息を袋の中に入れてみましょう。
すると、見た目ではあまり違いはないように見えます。
どうやら、「フー」も「ハー」も、
吐いた息の量に差はないようです。
次にこの袋の中の温度を測ります。
その結果は、
ハ~の袋 30.8℃
フーの袋 30.8℃
と、同じ温度が計測されました。
他の3人でも、
フー ハー
31.0℃ 31.5℃
31.5℃ 31.5℃
32.0℃ 32.3℃
と、ほとんど違いは見られませんでした。
息をはくとなんでフーは冷たくてハ~はあったか~いわけ~?
と、始めたはずなのに、
温度が同じだとはどういうことでしょうか?
そして、温度が同じなのに、
冷たかったり、温かかったりする理由は何でしょうか?
次にすイガールたちが手渡されたのは、竹製の水鉄砲。
(こういう物)
早速、バケツの水を水鉄砲で吸い上げて水を飛ばしてみます。
しかし、もう一つ用意されていた
水鉄砲のほうが遠くまで水を飛ばせます。
この違いの原因が何なのか、
すイガールたちが二種類の水鉄砲をよく観察しますと、
最初の水鉄砲は水を飛ばす穴が大きく、
もう一つのほうは穴が小さく出来ていました。
穴が小さいと、圧力が集中して、
水を勢いよく飛ばすことが出来るのでした。
では、フーとハーの違いは?
すイガールの黒田瑞貴さんがひらめきました。
フーっていう風は勢いがいいから、
体の水分を蒸発させるくらい強い風なんだよ
夏の暑い日に、道路に打ち水をしたとします。
すると、路面の水がかかった部分の温度は下がるはずです。
これは水が蒸発する時に、路面の熱を奪ったからです。
この時、風があるとより温度が下がりやすくなりますが、
人の体の表面にも汗という水分があり、
ここにフーっと風が当たると、
熱が奪われて冷たく感じるという訳なのでした。
これでフーが冷たい理由がわかりました。
しかし、ハーが温かい理由がまだわからないままです。
ここでまた手渡されるビニール袋。
ただし、今度はスーパーなどで雨の日に入れる傘袋のような、
細長い袋、しかも全長4mもあります。
これをどれだけ早く膨らませることが出来るか、
というのですが…?
4人のすイガールたちは、
袋の端に口を付け、一気に息を吹き込もうとしますが、
なかなか膨らんでくれません。
息が続かず苦しそうです。
結局、息継ぎ5回ぐらいでようやく膨らませることが出来ました。
しかし、もっと簡単に、
しかも一瞬で膨らませる方法があるそうです。
それはどういう方法なのか、
考えてる彼女たちが連れてこられたのがサウナ。
室内は70℃の高温です。
ここで彼女たちは気付きました。
サウナの中での
フー
を手に当てるとが熱く感じるということを。
普段冷たく感じるはずのフーが、
サウナの中だと熱く感じてしまいました。
自分たちの体の中から出る息が、
体温よりも熱くなるはずはありません。
それなのに、熱く感じました。
サウナの中で熱いのは…
元の場所に戻ってきたすイガール4人。
再びあの細長い4mの袋を膨らませることになります。
前回と同じく、上手く息を吹き込めません。
他の3人が苦しんでいる中、
井之上史織さんがひらめきました。
彼女は口に袋を着けていません。
少し空間を空けています。
そして、両手の指で袋の口を広げています。
口の形はフー。
この状態で息を吹き込むと、
細長い袋は一気に膨らみました。
なぜ、袋の口を口に着けては膨らまず、
口から離してフーと吹き込むと、
簡単に膨らむのでしょうか?
そして、これとフーとハーの息が冷たかったり、
温かかったりするのとどういう関係があるのでしょうか?
それは、今度はハーで袋の中に息を吹き込んでみればわかります。
袋は全く膨らんでくれないでしょう。
もしも、サウナでこの細長い袋を、
フーの口で袋の口から離して吹き込んだとすれば、
袋の中はどうなるでしょうか?
きっと、熱い空気が送り込まれているはずです。
フーで勢いよく袋の中に送り込まれた空気は、
彼女たちが吐いた息そのものよりも、
その外側にあった部屋の空気のほうが多かったんです。
だから、袋の口を口につけて吹き込んだ場合、
ほぼ自分の息しか中に送り込めず、
なかなか膨らまなかったという訳なのでした。
横浜国立大学大学院
・都市イノベーション研究院の深井一夫准教授によりますと、
細い口から勢いよく出るフーは、
周りの空気を巻き込みます。
しかし、ハーの場合は勢いがないため、
ほとんど周りの空気を巻き込みません。
そのため、周りの空気の温度が低ければ、
フーはその空気を巻き込んで一気に冷えます。
一方のハーは巻き込みが少ないため、
体の中で温められた息が冷めにくく、
温かい温度が長く続いていたという訳なのでした。
ということは、周りの空気を巻き込まなければ、
フーでも温かいということになります。
これは細長い筒があれば、簡単に確認出来ますので、
試してみて下さい。
丸めた紙でも食品ラップの芯でも何でも構いません。
これに口を着けて、フーと吹いてみて下さい。
もちろん、手は筒の先です。
これで、きっと温かいフーが実感出来るはずです。
以上で終了…、ではなく、
次回予告がありました。
アッツアツのスープをフーッとイッキに冷ました~い!
放送予定は以下です。
12月11日(火)夜7:25~ Eテレ
(再)12月15日(土)前9:30~ Eテレ
記事にするかどうかは未定です。
↧
すイエんサー「息をはくとなんでフーは冷たくてハ~はあったか~いわけ~?」-奥深い素朴な疑問-
↧