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スタンフォード監獄実験 ~「看守」として振る舞っている人は現実にいるのではないか?~

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昨夜はこんな記事をお書きしました。

「ミルグラム実験」が示す人間の残酷性 ~体罰を容認する意識~
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11452071401.html

今夜はこれに類した

スタンフォード監獄実験

についてお書きしようと思います。
これは一般人が肩書きや地位を与えられたことにより、
変化が行動に顕れるかどうかを検証したものです。

この実験は1971年、心理学者フィリップ・ジンバルドー教授率いる
米スタンフォード大学心理学部が
このために設けられた刑務所を模した地下施設でで行いました。
予定は2週間。
なお、ジンバルドー教授はこちらの理論でも知られています。

「ホンマでっか!?TV」 ブロークンウィンドウズ理論 broken windows theory
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10945805317.html



被験者は男性21人。
いずれも公募による参加で一般人でした。
このうちの11人をくじ引きにより看守役に、
残る10人を囚人役としています。

この実験は念の入ったものでした。
ただそれぞれの役を演じさせるだけではなく、
まず囚人役を"逮捕"しパトカーで護送、
指紋を採取、看守役たちの前で服を脱がせて身体検査。
そして足首には鎖が付けられることに。
そのようにして、囚人役には(現実の囚人よりも)常に屈辱感を抱かせています。
ただし、暴力は禁止というルールになっていました。

実験開始初日こそ何も起こらなかったものの、
看守役は囚人役に対し高圧的になり、
命令に従わなかった囚人役に、
自ら罰を与えるようにもなります。
反抗グループの首謀者を独房(倉庫)に監禁、
残るメンバーにはバケツでの排便を命じます。
それはエスカレートしていき、
囚人たちに素手でのトイレ掃除や性行為の真似事を強要します。
そして、ついには暴力を振るう看守役が現れました。
それは禁止されているはずだったのですが。

この頃になると、囚人役の中からこの実験の中止を求める人が。
しかし、教授はこれを拒否、
実験の継続にこだわりました。
間もなく囚人役の中に精神を錯乱させた人が出て、
カウンセラーとして参加していた牧師が囚人役の家族に連絡、
家族らが弁護士を引き連れて乗り込んできたところで、
この実験は終了となりました。

ここまで、実験が行われた日数はたったの

6日間

でした。

ジンバルドー教授はこの時の自らの過ちに気づき、
この時の被験者を10年間自らカウンセリングすることで、
後遺症を解消させています。

この実験では、元々は存在していなかった上下関係、
支配する者と支配される者という関係を設けると、
それが偽りのものであっても、
人間はその役割に沿った行動をとるようになるということが示されています。
そして、それは各個人が持っているはずの個性も、
理性も塗りつぶしてしまいます。
誰あろうジンバルドー教授自身も、
その役割の飲み込まれてしまっていました。
彼はこの実験の責任者で、
観察者であるはずでした。
しかし、実際は彼自身がこの状況にのめり込んでしまい、
早い段階で暴力行為を止められませんでした。

この時の実験を元にした映画が



この「es」で、さらに



「The Experiment」としてリメイクされています。


この実験では、現実世界で何も関わりのない他人21人でしたが、
もしも、現実の上下関係で、
支配していると思っている人がいて、
支配されていると思っている人がいるとすればどうでしょうか?


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