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コンクラーベで根比べ? ~その語源~

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ベネディクト16世の後継を決めねばならぬということで、

コンクラーベ

という会議が開かれています。
次のローマ教皇(法王)を決めるわけです。

実はこの「コンクラーベ」という言葉は、
広辞苑にも見出し語として掲載されています。

コンクラーベ【conclave(ラテン)】
ローマ教皇選挙会。枢機卿団で構成。元来、選挙の期間中干渉を防ぐために枢機卿団が閉じこもる囲いの意。

広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店

con・clave /kɑːnkleIv|kɔŋ-, kɔn-/
[名][C][正式]
1 (枢機卿(けい)による)ローマ教皇選挙秘密会議(場), コンクラーベ;[集合的に;単数・複数扱い] 枢機卿.
2 秘密会議
sit [meet, be] in ~ with him|彼と密議する.

ジーニアス英和辞典 第4版 (C) Taishukan, 2006-2008

英和辞典ではこのように説明されています。
ただ、ラテン語の原義は

鍵をかけて

ということらしいです。
10日産経朝刊コラムにその由来の話がありましたので、
こちらでもそのお話を。


13世紀の教皇選挙のこと。
なんでも、当時の教皇庁の在所は時の教皇の意志により
決められていたそうなんです。
ローマではなかったんですね。

時の教皇、クレメンス4世はローマの北100kmほどの街、

クレメンス4世

ビテルボに定めていたとか。
1268年、クレメンス4世が死去、
18人の枢機卿がビテルボに集まり、
選挙を始めたものの、
当時のフランス派とイタリア派の間で決着がつかず、
次の教皇が決められないまま、
1年半が過ぎました。
産経ではここで

まさに根比べに突入した

と表現されています。

これに腹を立てたのが、食料などを提供していたビテルボの市民で、
枢機卿がいる宮殿に鍵をかけて閉じ込めてしまいました。

これが

コンクラーベ

の語源となります。

その後、まだ教皇の空位は続き、
食料は減らされ、屋根まで剥がされてしまいました。

それでも、まだ決められず、
最初の鍵かけから15ヶ月後、
都合、教皇の空位3年を経て選ばれたのが、
グレゴリウス10世でした。

グレゴリウス10世

彼は自分が選ばれるまでに起きた問題を重くとらえ、
教皇が死去した際は20日以内に選挙手続きを開始することや、
選ぶ際には外部との接触を断つことなど、
現在のコンクラーベの基礎を制定しています。


今回、投開票場のシスティーナ礼拝堂の床からは、
妨害電波が飛ばされているとか。
携帯電話を通じないようにするためです。

日本宗教観とは全然違いますよね。
それも興味深いところです。

ベネディクト16世は、
私が教皇として実感する前に退位ということになりました。
ヨハネ・パウロ2世と比べられるのは、
酷だったでしょうか。
先代は偉大だったと思います。

ここのところ、報じられているように、
教会の不祥事が続いています。
現在の法王の責任ではないでしょうけれど、
カトリック教会は、キリスト教は、宗教は何のために存在しているのか、
それを教えてくれる人物であればと期待しています。


追記 システィーナ礼拝堂の煙突から白煙が上がりました。
第266代教皇が決定したようですね。
フランチェスコ1世は76歳。
アルゼンチン出身で中南米初の教皇となり、
ヨーロッパ以外からは1300年ぶりだそうです。







ねてしてタペ




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