私の本棚の中には外国人が書いた
日本についてのものがたくさんあります。
そういう本が好きで、
外国人の目から見た日本の話を読んでいると、
あらためて、日本について気付かされることが多いんです。
外国の人との会話でもそうですね。
日本のこと、日本人のこと、
そして、日本語のこと、
日本人では気付けないことを
彼らは知っていたりします。
今回は
外国人は気づいた!日本語イズ ミステリアス!!
と題したそんなお話です。
先生は公益社団法人国際日本語普及協会の長尾昭子講師。
日本語で相手を指す言葉、
二人称はどれだけ思いつきますか?
「あなた」「お宅」「君」「お前」「貴様」
「貴君」「貴殿」「お主」「汝」
などなどたくさんあります。
しかし、外国語の場合は違います。
たとえば、英語では
you
のみ。
次の言葉はどうでしょう?
どうも
私たちがよく発している言葉ですが、
これは状況やイントネーションなどによって
大きく意味が変わる言葉です。
・出会った時の挨拶
・別れの時の挨拶
・上手くいかない時
・軽い謝罪の時
しかし、私たちがそれを意識して使い分けている訳ではないため、
この日本語の特性に気付くことはあまりありません。
気付くとすれば、学習言語として日本語を学ぶ外国の人々。
長尾先生は日々、外国人の生徒たちの質問に
驚かされているそうです。
一人の男性生徒が緑色のペンを手にして尋ねてきました。
先生、これはどうして緑いペンではないんですか?
私たちにとってそれは「緑のペン」であって、
「緑いペン」ではありません。
しかし、彼曰く、
でも、赤いとか青いは言うのに、
なんで緑いは間違っているんですか?
この質問に対して先生はこのように説明されています。
「い」を付けていいのは、
赤い、青い、白い、黒いだけなの
考えてみて下さい。他の色では、
「緑の」「紫の」の形や
「茶色い」「黄色い」など、
「~の」「~色い」を付けて物を修飾しています。
これは元々、日本では
「赤」「白」「青」「黒」の4色のみが
色として認識されいたことの名残です。
また別のお話。
先生、さっきズボンを買いに行って
店員さんにびっくりされたんですよ
どうやら、彼は裾上げの採寸をされている時に、
「裾の長さはどれぐらいにしますか?」
と店員さんに訊かれ、
いい加減にしてください
と答えたところ、
店員さんに驚かれたんだそうです。
日本語の「いい加減」には2つの意味があります。
いい+加減
は、具合がいいという意味であり、
いい加減
のように一語として言う場合は、
無責任のような意味合いになってしまいます。
そして「いい加減にしてください」と一気に言ってしまいますと、
相手の行動を継続を中止させる言葉となります。
またある時生徒が
人間は天然を大事にしないといけませんよね
そんな事を言いました。
先生は意味がわかりませんでしたが、
彼が次に
だって最近天然破壊が問題になってますよね
と続けたことで、彼が言いたいのは
自然破壊
だと理解出来ました。
先生が彼にそう教えると、
辞書には"nature"って、
ちゃんと「天然」って載っていましたよ
私たちは状況によって、
「自然」と「天然」を使い分けています。
「自然ガス」「天然遺産」「自然パーマ」とは言いません。
外国人でなければ、
これらの使い分けの難しさに気付くことはないのでしょう。
…続きます。
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