いろいろな人がいるものですねえ。
今年の大河ドラマについて、
うちのテレビがおかしくなったのかと思うような画面だった。
画面が汚く、兵庫の観光も影響を受ける
とは定例会見での井戸敏三兵庫県知事。
薄汚れた画面を流さなくてもいい。もっと華やかで生き生きとした清盛らしさを強調してほしい。番組の人気、不人気で観光も影響を受ける。NHKに早速申し入れたい
と話しました。
東大法学部を出ても、頭の悪い人はいるもので、
平氏の栄枯盛衰を考えますと、
そのようなドラマ作りだというのはわかりそうなものですが。
1年間もドラマはあるんですよ。
ずっときらびやかなままで?
きらびやかだと視聴率が上がり、観光客が増えるとでも?
低視聴率も、大河ではずっと幕末、戦国と繰り返していて、
それはその時代に馴染みがあるということなんでしょうけれど、
この平安末期に対する馴染みのなさの顕れでしかないと思います。
かといって、永久に幕末と戦国を繰り返す訳にもいきません。
これからどうなるかはわかりませんが、
第1回は気合いの入った制作意図が見える作品になっていたように感じました。
局に申し入れるということですが、
なぜ、NHKが兵庫県の宣伝をしなければならないのかがよくわかりません。
それに、兵庫県、ほぼ神戸市内ですけれど、
清盛ゆかりで平安末期を偲ばせるようなもの、
どれぐらいあるんでしょうか?
大輪田泊石椋とか能福寺清盛廟とかですかねえ?
こういうものが点在してはいるんですが、
観光客を呼びたければ、工夫が必要でしょう。
宮島の厳島神社とは違うんですから。
さて、井戸知事の弁を受ける訳ではないんですが、
たしかに、実際はもう少し、
平忠盛らはいい生活をしていたはずではあります。
このシーン。
源為義が血まみれの平忠盛を見て、
その姿は?
と尋ね、
院の命により、盗賊朧月一味を召し捕った
と忠盛が返事をすると、
何だと? けっ…、平氏には都を騒がした盗賊一味、
源氏には下賤の女一人を捕らえよとの仰せ
と、為義が嘆息しています。
このあたりを掘ってみたいと思います。
白河法皇には早世した娘がいます。
忠盛の父、つまり清盛の祖父の正盛は、
この亡くなったその娘のために所領を寄進、
そこに御堂を建てて菩提を弔っています。
これより、白河院は平氏を重用し、
平氏は大国の受領(ずりょう)と官位を得ることになります。
白河法皇も、あらゆる事々を意のままに出来ていたわけではなく、
特に院政初期には対抗勢力や
寺社を抑えるだけの武力を持っていませんでした。
そこで頼みとされたのが正盛率いる伊賀平氏、
院近臣(いんのきんしん)として、
つまり、自らの手足、
実行部隊として武門の力が利用されるようになります。
この院近臣はやがて、白河院のごり押しにより、
政治の各部署にまで送り込まれるようにもなり、
平氏の力は朝廷内に深く食い込んでいくことになります。
また、白河院は親衛隊として、北面武士(ほくめんのぶし)を置き、
その筆頭が平正盛であり、その子の忠盛だという訳です。
だから、同じ汚れ仕事にしても、
平氏は都の一大事である盗賊退治を任されているのに、
源氏は白拍子を捕まえるという任務の差を
同じ武門なのにと嘆いているのでした。
(為義らには素行にも問題があったとされます)
ということで、身分としては貴族には及ばないものの、
武家としては最高の位置にいたのが平氏の棟梁たる平忠盛で、
この忠盛は武士として初めて、
内裏への昇殿が許されます。
この時、清盛は4歳ぐらい。
身なりなどには制限があったはずですが、
平氏が白河法皇を支えたのは、
武力だけではなく、財力面でも同様なんです。
以上、平正盛から始まる白河法皇と平氏の関わりについてのお話でした。
このように、あらためて資料に当たらないと、
わからない事が多い平安末期、
それだけ、私たちはこの時代に馴染みがないということですね。
私も負けないようにしたいと思います。
この記事につきましても、
間違いがありましたら、ご指摘下さい。
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