ダーウィンが来た！生きもの新伝説「口が2つ！？スーパー怪魚ウツボ」その1 -別動画付き-

Alien: Resurrection - エイリアン4(40sぐらいから)

ギーガーがデザインした異星の生命体
通称「エイリアン」、
その口の中にはもう一つの口が隠されていますが、
この地球上にもそのような生命体が実在します。

今回の舞台は千葉県館山沿岸。

全国でも最も多くのウツボが見られる海域です。
見た目は怖いですが、
見た目どおりに気性の荒い魚です。

長さは1mほどの細長い魚。
世界には200種ほどのウツボが確認されていますが、
館山では主に3種類を見る事が出来ます。
その中でも最も大きく、数が多いのが
ウツボという名前のウツボです。

ウツボだらけです。
館山の海底は水平に溝が走り、
ウツボにとってはとても暮らしやすい環境で、
さながらウツボの集合住宅のような状態になっています。
ただ、気性の荒いウツボのこと、
小競り合いは常に起こっています。

ウツボは岩棚の隙間にいるカニやエビ、
魚などを捕らえて暮らしていて、
顔の先端が細くなっているのは、
隙間に顔を入れやすくするため。
そして、この海域では人間が漁を頻繁に行っていて、
そのおこぼれが海底にまで降ってくることも。

そんなおこぼれの大きなサバを見つけて咥えるウツボ。
このような大きな獲物を捕まえた時には、
頭を後ろへと後退させ、

腹から尻尾を輪にして、
その中に頭を通すと、

こんな感じに。
自分の体で結び目を作り、
そこにサバを巻き込むことで、
サバの首を折ってしまいました。
ウツボにはこんな必殺技があるんですね。

ちょっと雰囲気は違いますが、
形としてはこんな感じ。

そしてもう一つの必殺技、

これはワニのデスロールですが、
ウツボも同じ行動をします。
獲物を引きずり出せなければねじり切ってしまいます。

さらには、こんなことも。

サバを咥えたウツボ、

次の瞬間、サバは真っ二つに折れてしまいました。
ウツボの口は開いたままです。

この動画では少しだけその秘密を見ることが出来ます。
ウツボの頭部の骨格を横から見ますと、

このようになっていて、
この図では青で表示されている
体内の顎が見られます。

これは

咽頭顎

と呼ばれ、
文字通り、喉にある第二の顎です。

ウツボは捕食する時にまずは外側の顎で獲物に噛みつき、
次に喉から咽頭顎を伸ばしてきて獲物を挟みます。
そして、口を開けつつ咽頭顎を奥に引くと、
獲物が折れて体の中へ引き込まれるという仕組みです。

多くの魚類の場合、

このカエルアンコウのように、
獲物を水ごと吸い込んで捕食しています。
そのためには口を大きく膨らませなくてはならず、
巨体のウツボがそれを行うには、
かなり大きく口を開かなければなりませんが、
隙間に頭を入れて行う狩りでは、
それも出来ないため、
確実に飲み込むために咽頭顎が発達したと考えられています。
そのおかげで吸い込み方式では無理な
大きな獲物も飲み込むことが出来るようになりました。
外側の顎も危険ですが、
この咽頭顎のためにダイバーが
指を失うなどの事故も起こっているので、
注意が必要です。

食後のウツボが住処に帰ってきました。

口の中にホンソメワケベラが入りました。
ウツボはこのホンソメワケベラを食べようとはしません。
こうしてウツボは食べ残しを掃除してもらっているんです。

そしてゴンズイ。
ゴンズイの群れがウツボの全身の体表面をクリーニングしています。

成長してしまえば、天敵がいなくなるウツボ、
敵は他のウツボぐらいなので、
悠々自適の生活なのかもしれませんね。

明晩は「陸でも油断は出来ないウツボ」についてお書きします。

http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11571506606.html