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国際社会はシリア内戦問題をどう扱うべきなのか?

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英国下院の議決により、
英国軍は米軍とともにシリアに軍事介入することはなくなりました。
今のところ、米仏は歩調を揃えそうですが…

厭戦ムードが形となって現れた英国ですが、
米国内にもそれは根強く、
特にイラクで多く犠牲の上で得られたもの、
そしてもたらしたものが何なのか、
そこに納得出来る人は少ないでしょう。
元々、

大量破壊兵器が存在している

として米軍はイラクを攻撃しました。
しかし、そんなものは存在しませんでした。
これは米のインテリジェンスの問題なのか、
あるいは意図的に誤った情報を流していたのか、
世界はその真実さえ知りません。


ただ、仮に政府側が化学兵器を使用していたならば、
政府側に対する攻撃を行うだけの理はあろうかと思います。
まずは民間人千人以上殺害したとされる人道問題ですけれど、
国際社会としては、
この化学兵器を使用するという事自体に
何らかの歯止めを設けなくてはならないでしょう。
化学兵器においては、事はシリア内戦の問題だけではありません。
今回使用された化学兵器は、
サリンまたはそれに類したものだと推定されています。
我が国が体験した地下鉄サリン事件などでは、
"たかが"宗教団体の一つにより、
それが製造され使用されました。

それだけ、製造と使用については、
大規模な組織でなくとも可能だということになります。
核兵器だと、大きな資金が必要ですが、
化学兵器では個人が集めうる資金でも可能でしょう。
一番危惧するのは、
それをテロリストが使用することです。

有り体に言うと化学兵器を使用した者たちについては、
「見せしめ」にしておかないと、
今後、世界各地で化学兵器が使用されることにもなりかねません。

ただ、何を信じて良いものか、
本当にアサド政権は化学兵器を使用したのか、
反政府勢力の可能性、それら以外の可能性はないのでしょうか?
化学兵器の性質上、国家レベルではなくとも、
充分に製造可能である訳ですから、
動機は別として、政権側が使用したという証拠が必要です。
反政府勢力にはシリア国外の国家、組織、人物がたくさん関わっています。
だからこそ、アラブの春以降、
ここまで反政府勢力は戦えてきたともいえます。
逆にいえば、アラブの春の時のような、
民主化運動というものでは既になくなっているのでしょう。
米国は政権側が使用したことを決定づける証拠があるとしていますが、
もちろん、それは非開示のままです。
これでは事実がどこにあるのか、
断定するのは困難と言えます。

また、仮にアサド政権が倒れた場合、
その後をどうするのでしょうか?
イラクではフセイン後の失敗で現在でも混乱が続いています。
おそらく、反政府勢力とそれを支援している国家、組織、人物は、
その主導権を握ろうとしていることでしょう。
それが支援の動機ともいえそうです。
そして、それらは一枚岩ではないことは明らかで、、
それも、シリア国内の反政府勢力の中でも一枚岩ではないでしょうし、
国外のそれぞれも考えていることは異なっているでしょう。

この現状でアサド政権が倒れてしまえば、
当然の結果として、国内はまた別の泥沼となります。

現在、米軍が軍事介入したとしても、
それは限定的なものだとしています。
それでは何のために軍事介入するのでしょうか?
化学兵器の使用に対する懲罰?
それで懲りるものでしょうか?
軍事介入はしてみたものの、
人道問題は改善されず、
内戦は収まらないのであれば、
これから起こそうとしている米の軍事行動は、
何のためのものなのか、
この問題についての疑問は尽きません。



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