こちらからの続きです。
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11712874457.html
カモノハシを観察していると、
ウなどの水鳥が尾行するようにして張り付いていることがあるようです。
カモノハシの狩りは、水中で目を閉じて行いますが、
そのために、クチバシで石の下、隙間などを探るので、
驚いて出てきた水生昆虫やエビ、カニなどのうち、
食べられるのはごく一部です。
カモノハシにとってはそれでいいのでしょうけれど、
その隙間から出てきた小動物をあてにしているのが水鳥たちです。
カモノハシが潜れば、必ず獲物が飛び出してくるため、
それを食べようという訳です。
時には度を超して、休んでいるカモノハシを突き始める水鳥も。
カモノハシにとっては災難ですが、
カモノハシも反撃してウを追っ払ったりもします。
それだけ、カモノハシの能力が高いということを示している訳ですが、
数分間(運動しなければ10分ほども)の潜水能力に加えて、
1cm四方に6万本という毛に空気を蓄えることで、
それが断熱効果を生み、冷たい水の中でも活発に活動が出来ます。
さて、カモノハシで目を惹く要素の一つが産卵です。
8月になると繁殖期を迎えます。
この時期が近づくとメスは繁殖用の巣穴を掘らなくてはなりません。
ヘビなどの天敵に襲われないよう、
いくつも枝分かれした奥行30mにもなる巣穴です。
こんな光景も見られます。
これはメスのカモノハシの尻尾。
尻尾を丸めて、巣材となる落ち葉を巣まで運びます。
巣の準備が出来るころには、
メスはオスの求愛を受けることが可能になり、
お互いがお互いの後を追うクルクルまわるダンスが始まります。
そして、メスがオスの尻尾をくわえれば、
カップル成立…のはずですが、
ここにまた別のオスが割り込んで来ることも。
そうなると、オス同士の戦いになります。
番組では水上の戦いでしたが、
岸で戦っているオス同士の動画が見つかりました(25s~)。
かなり激しいバトルです。
戦いは一方が逃げ出すまで続き、
残ったほうのオスをメスは巣まで誘導します。
しかし、野生のカモノハシの産卵の様子を見た人はいません。
1950年に、保護施設内の巣穴を掘り、
約2cmのカモノハシの卵が確認されているぐらいです。
かつての哺乳類も卵を産んでいたことがわかっています。
2億2000万年前、恐竜が生まれた頃と同じ頃、
哺乳類も誕生、
それがこの最古の哺乳類アデロバシレウス(の想像図)です。
このアデロバシレウスは産卵し、
孵化した赤ちゃんに母乳を与えていたと考えられています。
その1億年後には、私たちと同じように、
赤ちゃんを産む種が出てきていて、
子供を連れて移動できるため、
卵を襲われる危険はなくなりました。
その繁殖面で不利であるため、
卵を産む哺乳類のほとんどは絶滅、
カモノハシは数少ないそんな哺乳類の生き残りなんです。
なお、カモノハシは単孔目(カモノハシ目、単孔類)に属しますが、
この単孔類が産卵して母乳で子供を育てる分類群です。
彼らは排泄を全て爬虫類、鳥類と同じように、
単一の総排泄孔から行うのでこの名があります。
ここに分類されているのは、
カモノハシ科カモノハシ属のカモノハシと、
ハリモグラ科ハリモグラ属のハリモグラ、
そして、ハリモグラ科ミユビハリモグラ属の3種、
つまり2科3属5種しか確認されていません。
これらが生息する地域はタスマニア島を含む
全てオーストラリア東部に限られています。
この地域には彼らの天敵が少なかったのでしょう。
特にカモノハシの場合、
食料の多い淡水での生活に進化したことで、
現在まで生き延びることが出来たと考えられます。
次にカモノハシで特殊なのは毒。
哺乳類で毒を持っているのは数種類しかいません。
カモノハシの場合は蹴爪にその毒があります。
現在まで人間の死亡例は確認されていませんが、
刺されると1~2週間の加療が必要になり、
感覚障害などの後遺症が残ることも。
そして、毒を持つのは成体のオスだけ。
この毒が何のためにあるのかについては、
不明ですが、有力な仮説としては、
オスどうしの戦いのために使用するというものです。
オスとオスが戦うとき、
このように上ののしかかろうとする習性があるんですが、
この最も有利な状態だと、
蹴爪を相手に刺すことが可能になります。
実際、繁殖期のオスには
他のオスに刺された穴が見つかることが珍しくないようで、
もしも、繁殖のためにライバルのオスと戦うために
毒があるのだとすれば、
それはカモノハシが世界で唯一の動物だということになります。
しかし、なぜそれほどにも強い毒が必要なのかなど、
不明な点は残ります。
まだまだわからないことだらけのカモノハシ。
私たちが考える哺乳類の常識とは違う別の方法で
今まで生き延びてきています。
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