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ビーバップ!ハイヒール「世界が愛した日本人の心」その1 ~49年前のイビチャ・オシム~

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今年の9月8日、2020年に東京にて、
夏季オリンピックが開催されることが決定しました。
最終プレゼンにて



滝川クリステルさんのこの

お・も・て・な・し

が国内でも話題となります。



1964年東京オリンピックでも、
日本側は「おもてなし」のために奮闘しました。
93の国・地域から5000人以上の選手が参加、
各国語の通訳のためのボランティアを募集したところ、
数万人の応募者が殺到しています。
選手村の食堂では毎日7000食もの料理を用意、
料理長たちは世界中の料理を研究し、
全ての選手に対応しました。

その東京オリンピックに出場するために、
当時のユーゴスラビア代表のサッカー選手が来日、
彼が公園を歩いていると、
たまたま一人の老婆と出会います。
彼女は風呂敷の中から梨を取り出し、

もしよかったら、これどうぞ

と彼に差し出します。
どうやら、もぎたての梨のよう。
ユーゴの彼は、敵地に乗り込むつもりで、
この日本にやって来ていました。
社会主義国ユーゴの彼は、
民主主義国の日本を訪れるにおいて、
敵国に乗り込むような心づもりでやって来ていました。
しかし、そんな事情は関係なく、
彼女は彼を、大切なお客様として歓迎したのでした。
梨の味や、彼女の真心に
思想や国家などが関わるはずはありません。
このささやかな彼女のもてなしが、
彼の心を解きほぐしていました。
その後、彼はサッカー界で世界に知られる名監督となります。

イビチャ・オシム

2003年、数々のビッグクラブからのオファーを蹴り、
ジェフユナイテッド市原の監督に就任、
2006年に日本代表監督に就任、
日本サッカー界の躍進に貢献しています。



1964年の体験があったからこそ、
日本での監督の仕事を引き受けたのだ。
そうでなければ遠く離れた国で
長い間仕事をしようとは思わなかっただろう。


当時の事を彼はそのように回顧しています。

50年近くも昔の老婆のおもてなしが、
当時のユーゴスラビアの青年の心を動かし、
時を隔てた日本のサッカー界に影響を与えました。


今週のビーバップ!ハイヒールの講師は
歴史研究家の白駒妃登美さんでした。
大手航空会社国際線CAを経て、
その後、日本の伝統や文化の素晴らしさを発信されています。

「おもてなし」は世界に誇るべき日本人ならではの精神です。
その奥には、相手の事を思いやる心が隠されています。
そこから生まれるきめ細やかな心配りに
世界中の人たちが魅了されているんだと思います。


おもてなしは一日にして成らず 世界が愛した日本人の心

と題して、そんなエピソードをいくつか、
明晩以降も続けていきたいと思います。






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