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ビーバップ!ハイヒール「世界が愛した日本人の心」その2 ~ヘレン・ケラーをもてなした料理人~

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おもてなしは一日にして成らず 世界が愛した日本人の心

http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11714826100.html

こちらからの続きです。


1948年、終戦からまだ3年、闇市は横行し、
その日食べるものを確保するのにも苦労するほど
慢性的な食糧不足が続いていました。
大阪の料理人、辻岩治さんは悩んでいました。
彼はその腕が見込まれて、21歳にして
「日本割烹学校(現辻ウェルネスクッキング)」の
副校長に任じられていました。
彼が悩んでいたのは、
社会福祉事業家の岩橋武夫からの依頼について。
アメリカから大切なお客様を迎えるための料理を頼まれたのです。



そのお客様というのがヘレン・ケラーでした。
社会福祉に人生を捧げた彼女は、
幼い頃の高熱が元で、目や耳に障害が残りましたが、
その苦難を克服、世界中に生きる勇気を与えた女性です。

1937年にも来日していた彼女は、
敗戦の傷からの復興を願い、
自ら日本への慰問を熱望します。
しかし、アメリカ政府はそれを制止、
日本はまだ危険だとして渡航許可を与えませんでした。
そんな彼女の来日に尽力したのが岩橋武夫で、
政府の反対を押し切ってまで
日本にやって来てくれる彼女を
なんとしてももてなしたいというのが、
岩橋の願いだったのです。

その日から必死の食材探しが始まります。
各所でお願いしてみるものの、
我が身の食料でさえ厳しいこの時代に、
彼が満足できるようなものを集めることは出来ません。
仕方なく、最後に行き着いたのは実家の畑。
自分たちが食べるために栽培していた
カボチャとキュウリを使用することに決めます。
他にも重大な問題があります。
目も耳も不自由な彼女に、
どんな日本料理を出せば楽しんでもらえるのか、
しかも、食材は貴重なため、
試作してみることが出来ません。

8月29日、ヘレン・ケラー来日。
敗戦の暗闇に包まれていた日本人は、
彼女を大歓迎しました。
そして、彼女たちが大阪へと向かった日、
その日の朝、辻が待ち望んでいた一つの食材が
ようやく手に入ります。

夕食会。

実家で栽培していたカボチャは中をくりぬいて器とし、
中には日本料理の基礎となる出汁を利かせた茶碗蒸風の卵とじが。



目に障害のある彼女のために、
それを手で楽しんでもらおうと、
彼は食材の形を生かした料理にしたのです。



これはキュウリの昆布じめ。
忍び包丁を入れておくことで、
簡単にひと口サイズにすることが出来ます。



そしてこの日の主菜となったのは、



鯛の宝船造り。
この日の朝、届けてもらった鯛は80cm。
まだ流通経路が回復していないこの時期に、
これだけの鯛を用意することの難しさが覗えます。
そして、料理が乗せられているこの台も、
彼が自ら作ったもの。



料理の隣には海岸に建つ苫屋(小屋)を模したものが置かれていて、
ヘレン・ケラーがそれに手を伸ばし、



リボンをゆっくりと引っ張ると、



中には1羽のハトがいました。
それは彼が平和のシンボルとして、
お互いに戦争で傷つけ合った日本とアメリカの未来のために、
両国の友好の願いが込められていました。
ヘレンはそのハトを手に取り、
慈しむように撫でていたそうです。
食べる人の事を考えた全ての料理に感動し、
また、彼が料理に込めたメッセージは
彼女の心を満たしたのでした。


…数日後、ヘレン・ケラーからの手紙が届けられます。



そこにはあの日の料理に対する彼女の率直な気持ちが綴られていました。
それによると、ハトが出てきた時、

大統領からもらった大切な鳥が
海を越えて自分に会いに来たと思うほど嬉しかった


といいます。
さらに彼女は「あの日の素晴らしい料理」に名前を付けたといいます。

ブルーバードディナー

日本人の心配りに感銘した彼女は、
幸せの象徴である青い鳥で、
日本人のおもてなし精神に対する気持ちを表したのです。

辻岩治さん自身も当時はご存じなかったそうですが、
ヘレン・ケラーはルーズベルト大統領から鳥をプレゼントされていて、
それを大切にしていて、
だから、その鳥が海を越えて日本まで来てくれたのかと、
という言葉になったという訳です。


辻ウエルネスクッキングの歴史 | 辻ウェルネスクッキング 大阪なんば、梅田の料理教室
http://www.tsuji-w-cooking.com/history.html






…まだ、続きます。
明晩は「占領軍提督とトモダチ作戦」の予定です。









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