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こちらから続いております。
・風や温度変化を伴わない冷気
・異常な電磁波
SPRのマーガム城の記録は世界中の研究機関へと送られました。
そのうちの一つが大阪バイオサイエンス研究所。
ここの神経機能学部門研究室長の小早川令子博士は、
哺乳類の行動と脳や遺伝子との関係についての研究では、
世界に知られている存在です。
博士はケースの中にネズミを入れました。
そしてサーモグラフィーで撮影、
この状態では、だいたい37℃前後を示していることがわかります。
次に博士はこのネズミがいるケースの中に
ある薬品を染みこませたシートを入れます。
すると、突然、ネズミが動かなくなってしまいました。
その時の体温は約34℃。
ごくわずかの時間しか経っていないのに、
3℃も体温が下がってしまいました。
より詳細に体温を計測したカメラでは、
ネズミの背中の部分が特に温度低下が大きいようです。
このネズミのケースに入れたシートには、
ネズミの天敵であるヘビなどの匂いが染みこまされていました。
ネズミは恐怖を感じていたのです。
恐怖を感じると、ネズミの体温が
大きく下がることが初めて実証されました。
真ん中の背骨の上のあたりの温度が特に冷えてきて、
物理的に「背筋が凍る」っていう状態ですね。
ネズミの場合、天敵の一つにヘビがいるんですよね。
体表面の温度を下げることで、
ヘビから見つかりにくくなっている、と。
恐怖を感じた時に、体温低下が起きるということは
危険から身を守るための防衛本能として
非常に重要なんじゃないかと思います
小早川博士はマーガム城で感じられた冷気は、
この生存本能が原因ではないかと推測しています。
SPRのメンバーが張り込んでいたのは、
城の中の暗闇の中。
わずかな異変も逃さないという姿勢でもあり、
脳が知らず知らずのうちに恐怖を感じて、
体に信号を送って温度を下げていた、
寒く感じたという可能性は充分にあるでしょう。
人間の生存本能が他の現象に関わっていることもあります。
ロンドン大学の心理学者、クリス・フレンチ博士は
マーガム城で目撃されるという男性の幽霊、
あれは
パレイドリア効果
なのではないかといいます。
私たちはこのグリルチーズサンドイッチに
女性の顔があると認識してしまいます。
パレイドリア効果とは、
意味のないランダムな模様の中に
顔などの形があると思わせてしまう
一種の脳の錯覚のことです。
これは人類が進化の中で獲得した能力。
人間にとって顔の表情は非常に重要な情報で、
周りには常に敵がいる可能性があります。
そのため、人の顔をいち早く捉えて、
敵か味方かを認識し、
迫り来る危険に備える必要があったのです。
マーガム城は築200年近く経っている建造物で、
至る所にシミや凹凸があります。
目撃証言の多くもこの説と矛盾しません。
「その顔は浮かんでいたんだ。
顔だけで胴体はなかった」
「その男はそこの壁に溶け込んでいったんだ。
とても悲しげな表情に見えたよ」
薄暗い城内で、ふと視界に入ったシミや窪み、
城の不気味な雰囲気がパレイドリア効果をより促し、
幽霊を生み出していた可能性が高いのです。
それでは、あの部屋のオレンジ色の光はどうでしょうか?
その部屋で観測された強い電磁波との関わりは?
これについては以前からある説が唱えられていました。
プラズマです。
たしかにプラズマなら
何もない空間に光を生み出すことが出来ます。
しかし、実験室の強い電力を以てしても、
プラズマが光るのはほんの一瞬です。
多くの人が目撃したように、
一定の時間、光の玉が動き続けていたことを説明できません。
それを解決するためのスウェーデン・ウプサラ大学の研究が
注目されています。
電気工学のバーノン・クーレー博士は、
医学博士で息子のジェラルド博士とともに電磁波が
人間や機械に与える影響について研究で大きな成果を挙ています。
これはTMS、経頭蓋磁気刺激法のための装置。
磁場の変化によって脳内に弱い電流を起こさせるもので、
うつ病の治療などに用いられています。
この治療中、患者にはあるものが見えるそうです。
これは患者が見たものを描いた絵。
オレンジ色の丸い玉が描かれています。
ジェラルド・クーレー博士は、
電流は脳の視覚野を活性化させます。
そうすると、実際には光が発生していないのに、
幻覚を見ることがあるのです
後頭葉にある視覚野が電気的刺激を受けると、
光の幻覚を見ることがあることがわかりました。
そして、その刺激が続く間は、
光の幻覚を見続けるといいます。
第二次大戦の最中、兵士たちが見たというオレンジ色の光は、
強力な電磁波が発生していたとすれば、
それは脳が作り出した幻覚だという事が出来ます。
皆が同じ部屋にいたのなら、
皆が同じ影響を受けたと考えられます。
同じ幻覚を見たということも充分にあり得るでしょう。
しかし、まだ疑問は残ります。
そもそも、電気の通じていないところで、
強い電磁波が計測されたのはなぜでしょうか?
また、不思議な金属音や
物が動くなどの目撃についても説明できないままです。
SPRのメンバーたちはは今後もマーガム城の調査を続けて、
ひとつひとつ解明していく計画です。
我々の目的は幽霊を見つけることではありません。
我々はなぜ幽霊を見てしまうのか、
その仕組みを解明したいのです。
人はなぜ幽霊を見るのかを知りたいのです
SPRの調査で指揮を執った
物理学者のスティーブ・パーソンズはそう語ります。
人間は死んだ後、どうなるでしょうか?
やがて跡形もなく消えてしまい無に帰るのでしょうか?
しかし、そうとも言い切れない体験者が
多数いることも事実です。
昨年の3月、国際臨死体験学会がフランスで開かれました。
医療関係者を中心に世界中からのべ2500人が参加しています。
学会の中心メンバーの一人、
ジェフリー・ロング博士は
アメリカでは国民のおよそ5%が
臨死体験をしたと報告されています。
もはや珍しいことではないのです
と話します。
ロング博士は事例を3000例収集した
臨死体験研究の第一人者です。
彼は研究の中で、医学では説明できない
ある事実を見いだしたといいます。
私たちは世界中の臨死体験の事例を検証しています。
すると、驚くほど似通っていることが分かりました。
キリスト教徒にも、イスラム教徒にも、
ヒンドゥー教徒にも、
とても幼い子供にも、老人にも、
さらには目の見えない人にも起こるのです
臨死体験とはどのようなものなのでしょうか?
出産時の大量出血で危険な状態になったオランダの女性は
このように話します。
意識を失うとトンネルにいました。
その奥には素晴らしい光がありました。
とても綺麗で暖かくて幻想的でした。
だから歩いてトンネルから出ました。
辿り着いたのは黄色の世界です。
そこに大きな緑の草原がありました。
草原には花が一面に咲いていました。
そこで私を待っている人がいたのです。
それは私が12歳の時に亡くなった父でした。
父は私の手を握ってくれました。
まさに天国のような世界でした
心疾患を持病に持つアメリカの女性は、
4年前に心停止を経験、
生死の境をさまよいました。
私の意識はある美しい別の世界へと流れていきました。
深い海の底のような場所でした。
美しくて、美しくて、
そこに現れたのは兄でした。
私を水の中から引き上げてくれて、
意識が戻ったのです
15歳の時に交通事故に遭った東京の女性は
膵臓の損傷により危篤状態になりました。
私死んじゃうと思った瞬間に
映像が途切れて、
真っ暗なトンネルの中に場面が切り替わったんですね。
遠くに小さく光が見えて、
だんだんそれが光の粒になって、
その分かれていく景色を見ながら、
ああ、全部光でできているんだなぁと、
思ったんですよね
臨死体験の多くに出てくるのが
トンネルのような暗闇、
そしてその先にある光、
そこを抜けると見たことのない美しい世界、
心地よい音楽が流れていて、
もう会えなくなった大切な人がいることもあります。
ひと言で喩えて言うなら、まさに「天国」です。
臨死体験はなぜ起こるのでしょうか?
アメリカのミシガン大学では
臨死体験を科学で解明しようとしています。
神経生理学のジモ・ボルジギン博士が
ある事実を発見、世界中から注目されました。
心臓が止まると脳はどうなるでしょうか?
脳の機能も停止する、
今まではそう考えられていました。
しかし、その常識は誤りだったんです。
心臓が止まっても、
私たちの脳はまだ働き続けています。
しかも、心停止する直前よりもさらに活発に。
…続きます。