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ビーバップ!ハイヒール 「MADE IN JAPANチョコレート」 その2 ~むぎチョコ~

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バレンタイン直前企画 世界が唸る!MADE IN JAPANチョコレート
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11773289146.html

の続きです。



兵庫県尼崎市、
奇蹟のチョコレートメーカーと呼ばれている企業がここにあります。

高岡食品工業
http://www.takaokachocolate.co.jp/index.htm

明治10年創業、
男子従業員30名、女子従業員40名のけして大きくはない会社です。

昭和19年、高岡康博は中国にいました。
彼は子供の頃からのチョコレート好きで、
弾丸飛び交う戦地でも
チョコレートのことを忘れたことはなかったとか。
彼が楽しみにしていたのは、
自宅の近くにある森永の工場で作られた
チョコレートを買うことでした。

彼は自分でチョコレートの製造を考えるようになります。

俺のように、我慢することなく、
日本の子供たちに腹一杯チョコレートを食べさせたい


戦争が終わったら…、と。

終戦、帰国した彼が目の当たりにしたのは、
敗戦国、日本の現実でした。

アメリカ兵を見つけると、
子供たちが我先に「ギブ・ミー・チョコレート」と叫び、
アメリカ兵がチョコレートを地面に撒くと、
必死に子供たちはそれを拾っています。
物乞いのような子供たちの姿に、
彼はさらに思いを強くするのでした。

この子たちには、日本人が作ったチョコレートを
腹一杯食べさせたい


しかし、現実には不可能でした。
統制によりカカオ豆が輸入禁止になっています。
そこで代用できるものを探したところ、
唯一、ココアパウダーが入手可能であることがわかりました。
これを如何にチョコレートに近づけるか、
彼は試行錯誤を繰り返し、
辿り着いたのが「ブドウ糖にココアパウダーまぶす」と方法。
しかし、ココアパウダーも、
製品として製造するだけの量は確保出来ません。
彼が出向いたのは、大好きだった森永製菓です。

日本の子供たちに我々日本人が作ったチョコレートを
お腹いっぱい食べて欲しいんです。
どうか、お力をお借りできないでしょうか?


大企業に対して彼が何かの取り引き材料を持っていた訳ではありません。
ただ、彼が持っていたのはその熱意だけ。

森永製菓はそんな彼の思いに応え、
協力を承諾します。
こうして、彼は代用チョコレートの製造に成功。
本物のチョコレートには及ばないながら、
それを美味しそうな食べる子供たちの笑顔が
彼には何よりも嬉しいものでした。

昭和25年、カカオ豆輸入解禁。
森永や明治などがチョコレートの生産を再開、
高岡もこれで本物のチョコレート生産を始められるはずですが、
それには莫大な設備投資が必要となります。
これに、社員たちが猛反発、
しかし、彼は諦める気など全くありませんでした。

僕が戦争から帰ってきたとき、
アメリカ兵に群がる子供たちの姿を見かけたんです。
ホンマに情けなかった…
誰かに任せるんやない。
僕が安くて美味しいチョコを作るんです


最低限の設備投資、
それで足りないものはアイディアでカバーしようとしました。



いずれも採算ギリギリの商品でしたが、
どれもがヒット商品となります。
中でも特に好評だったのが



このむぎチョコです。
1972年発売のこのむぎチョコは、
麦の香ばしさとチョコの苦味を楽しめるとして、
年間売上360万個の大ヒットです。

このむぎチョコ、一見難しそうには見えませんが、
かなり製造技術が必要なんだそうです。
かけるチョコが少なければ味が物足りなくなり、
多ければ麦と麦がくっついてしまいます。
小さくて軽い麦にチョコを均等にかけるのは、
人の手が一番で自動化は出来ないと、
40年間変わらず、今でもその製法が続けられています。



変わらないのは製造方法だけではありません。
1袋30円、そのお値段も40年前のままとなっています。

現在の会長は高岡康博さんの奥さんの和子さん。

子供たちが実際に手にとってくれる事がまず第一ですからね、
そのためには安くないとだめですし、
それを買ってものすごく美味しそうに食べてくれてるんですよね。
そうすると、うれしいなぁと思うんですよねぇ




現在も売られているこの高岡食品のむぎチョコですが、
海外には全くないもので、
今はポップコーンにキャラメルをかけたものがあり、
その元祖だともいえそうです。


知らない話が多く、
また、こんなにもチョコレートの歴史を作った商品の数々が、
ずっと食べられるというのが嬉しいですね。





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