ロシア軍によるクロアチアでの本格的な軍事行動の可能性は、
少し低くなったのでしょうか?
先が見えません。
国際社会が非難するように、
理窟も何もあったものではないロシアの言い分ですが、
日本は日本で立位置が難しいですね。
国際社会の一員として、
同盟国の米国の存在もあり、
当然、非難はするんですけれど、
ロシアとはある程度接近しておきたいのも事実です。
報道では、北方四島の問題が挙げられていますが、
私はそれよりも、対中国戦力において、
ロシアは極めて意味のある大国である点が重要だと思います。
中国といえば、世界のパワーバランスを
米中露で見た場合、米露関係が悪化した場合、
当然、中露は接近するでしょう。
そうなると、この問題で利するのは中国であり、
我が国は不利益を被ることになります。
ロシアやクロアチアの不安定要素は、
日本国内の物価にも大きく関わってきますし、
事が大きくなればなるほど、
日本と日本国民にとっていい事はないようです。
先月4日、フィリピンのアキノ大統領は
領有権を強硬に主張する中国を
1938年チェコスロバキア・ズデーテン地方を併合した
ヒトラーのドイツになぞらえて批判、
国際社会にも
『もうたくさんだ』といずれの時点で言うのか。世界は言わねばならない
と訴えました。
尖閣諸島で迷惑を被っているよりはるかに、
困難な状況にある南シナ海ですので、
こちらのほうは現実に領土、領海が奪われようとしています。
日本はこれらの国々とこれ以上に連携を深めなくてはならないのは、
現政権も理解していると思います。
アキノ大統領の話に出てきた
ドイツ軍よる「チェコスロバキア併合」の話なんですけれど、
ヒトラーはドイツとチェコ国境付近・ズデーテンに、
多くのドイツ系住民がいることを利用したんですね。
このチェコ領内のドイツ系を支援しつつ、
彼らがチェコ国内で迫害されているというイメージを作り、
ドイツ人を守る
をチェコ侵攻の大義名分としました。
今回の問題では、
ウクライナ東部及びクリミア半島について、
ロシア・プーチン大統領は
自国権益とロシア語を話す住民を守る権利を留保する
として、その権利を主張しています。
2008年グルジア侵攻。
南オセチアはグルジア国内にある自治州でした。
ここと接しているのが北オセチア共和国で、
こちらはロシア連邦に属している一つの国です。
南オセチアの人たちの多くは、
北オセチアとの統合を希望していたとされ、
ロシア政府は希望する南オセチアの人たちに、
ロシアの旅券、つまり国籍を与えていたようです。
そして、ロシア軍によるグルジア侵攻。
この時はメドベージェフ大統領、プーチン首相という体制。
ロシア人を守る
それがロシアの言い分でした。
ドイツによるチェコ統合は、
その後の第二次世界大戦の種となりました。
今回は、そのような過ちを繰り返さないよう、
自国の利益だけではない賢明な判断を、
世界各国の指導者は、その力を発揮していただきたいと願っています。