STAP細胞とその論文の問題点についての勉強は、
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11798581963.html
こちらから続いております。
理化学研究所が5日、
実験手順等について追加発表した文書が物議を醸しました。
TCR再構成はなかった
これは何を意味しているのでしょうか?
TCRとは「T Cell Receptor」の略で、
TはT細胞のことを指します。
T細胞は病原体などから体を守る重要な細胞で、
病原体に対抗する物質を表面に持っています。
対応すべき病原体は一つではありませんので、
そのそれぞれに対応した物質を用意する必要があり、
そのために、T細胞ではDNAを変化させています。
具体的には、DNAの一部が切り捨てられて配列が変化しています。
これがT細胞のみに見られる
TCR再構成
です。
生物の細胞は、肺であろうが網膜であろうが、
それぞれの細胞のDNAは同じものです。
ただし、T細胞だけはDNAの配列を変化させているために、
他の細胞と異なるDNAになり得ます。
つまり、TCR再構成という現象は、
T細胞に分化した証なんです。
元の論文によりますと、
STAP細胞でTCR再構成が起きたと説明されています。
これは、元のマウスの血液細胞に含まれていたT細胞が
初期化されたのだということになります。
ただ、5日の理研の文書では、
STAP幹細胞にTCR再構成はなかったとしています。
TCR再構成はSTAP細胞にあって、
STAP幹細胞にはなかったという説明です。
さらに先日の理研の会見では、
STAP細胞の段階で、
TCR再構成が本当にあったのかが疑問視されました。
論文の問題のこの画像ですね。
中央の列がT細胞で、右2列がSTAP細胞、
同じ縞が見られることから、
TCR再構成が起きたと判断したとしていますが、
よく見ると、中央の列の背景、
左右の黒が濃いように感じられます。
これが画像の切り貼りが行われた跡だと言われた訳です。
そして、理研は別の実験画像からの切り貼りであることを
認めました。
これを以て、STAP細胞が出来たのかどうか、
それがあり得るのかどうかまで疑問視されるようになりました。
この時点で考えられるのは、
何らかの細胞が初期化された
どのような細胞なのかは不明ながら、
初期化が起きたという可能性、
そして、もう一つが
元々あった多能性細胞が選ばれた
というもの。
酸性の液体に浸け、
残ったものが何かしらの幹細胞、
多能性細胞だったのではないか、という可能性です。
さらに問題は、別の画像からも。
STAP細胞をマウスに注入し、
様々な組織細胞になったとして論文に掲載されていた
この画像。
これが小保方先生の博士論文のものからの
流用であることがわかりました。
この画像はSTAP現象が起きた証拠として
用いられているものですので、
その現象そのものが起きたかどうか自体が
わからなくなってしまいました。
理研の会見以前に、この事実に対し、
論文の共同著者の山梨大学生命環境部・若山照彦教授は、
論文の撤回を提案することになりました。
論文の作成において、
若山教授は小保方先生から受け取った"その細胞"を
マウスの初期胚に注入、
これを観察したところ、様々な臓器に分化し、
1匹のマウスが誕生しました。
これはSTAP細胞の可能性を示す決定的な証拠であるはずでした。
もらったSTAP細胞については
何も僕はわからなかった。
僕がもらったSTAP細胞は何だったのかが
一番今知りたいことなんですよ
若山教授はそのように話します。
高度な研究においては、
各分野のエキスパートが分業で行うことになります。
当然、他の研究者が持ってきた細胞について、
疑ってかかるということはしないということなのでしょう。
刺激を受けたことで初期化が起こる。
このこと自体、生物の世界では珍しいことではありません。
これはシクラメン。
この茎を切ってしまいます。
これを観察していると、切り口に変化が見られるようになります。
これがシクラメンにおける細胞の初期化で、
この場合、初期化した細胞の塊をカルスと呼んでいます。
このカルスを培養すると、
根や茎、葉などに育ち、
やがて花を咲かせるようにもなります。
STAPの第一報に触れた時、
私は園芸の葉挿しを連想しましたが、
そのようなことが動物であってもおかしくはないでしょう。
ただ、あってもおかしくないからといって、
実際にあるということにはなりません。
事実がどうであるのか、
真実が反映された新たな研究結果が待たれています。
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11798581963.html
こちらから続いております。
理化学研究所が5日、
実験手順等について追加発表した文書が物議を醸しました。
TCR再構成はなかった
これは何を意味しているのでしょうか?
TCRとは「T Cell Receptor」の略で、
TはT細胞のことを指します。
T細胞は病原体などから体を守る重要な細胞で、
病原体に対抗する物質を表面に持っています。
対応すべき病原体は一つではありませんので、
そのそれぞれに対応した物質を用意する必要があり、
そのために、T細胞ではDNAを変化させています。
具体的には、DNAの一部が切り捨てられて配列が変化しています。
これがT細胞のみに見られる
TCR再構成
です。
生物の細胞は、肺であろうが網膜であろうが、
それぞれの細胞のDNAは同じものです。
ただし、T細胞だけはDNAの配列を変化させているために、
他の細胞と異なるDNAになり得ます。
つまり、TCR再構成という現象は、
T細胞に分化した証なんです。
元の論文によりますと、
STAP細胞でTCR再構成が起きたと説明されています。
これは、元のマウスの血液細胞に含まれていたT細胞が
初期化されたのだということになります。
ただ、5日の理研の文書では、
STAP幹細胞にTCR再構成はなかったとしています。
TCR再構成はSTAP細胞にあって、
STAP幹細胞にはなかったという説明です。
さらに先日の理研の会見では、
STAP細胞の段階で、
TCR再構成が本当にあったのかが疑問視されました。
論文の問題のこの画像ですね。
中央の列がT細胞で、右2列がSTAP細胞、
同じ縞が見られることから、
TCR再構成が起きたと判断したとしていますが、
よく見ると、中央の列の背景、
左右の黒が濃いように感じられます。
これが画像の切り貼りが行われた跡だと言われた訳です。
そして、理研は別の実験画像からの切り貼りであることを
認めました。
これを以て、STAP細胞が出来たのかどうか、
それがあり得るのかどうかまで疑問視されるようになりました。
この時点で考えられるのは、
何らかの細胞が初期化された
どのような細胞なのかは不明ながら、
初期化が起きたという可能性、
そして、もう一つが
元々あった多能性細胞が選ばれた
というもの。
酸性の液体に浸け、
残ったものが何かしらの幹細胞、
多能性細胞だったのではないか、という可能性です。
さらに問題は、別の画像からも。
STAP細胞をマウスに注入し、
様々な組織細胞になったとして論文に掲載されていた
この画像。
これが小保方先生の博士論文のものからの
流用であることがわかりました。
この画像はSTAP現象が起きた証拠として
用いられているものですので、
その現象そのものが起きたかどうか自体が
わからなくなってしまいました。
理研の会見以前に、この事実に対し、
論文の共同著者の山梨大学生命環境部・若山照彦教授は、
論文の撤回を提案することになりました。
論文の作成において、
若山教授は小保方先生から受け取った"その細胞"を
マウスの初期胚に注入、
これを観察したところ、様々な臓器に分化し、
1匹のマウスが誕生しました。
これはSTAP細胞の可能性を示す決定的な証拠であるはずでした。
もらったSTAP細胞については
何も僕はわからなかった。
僕がもらったSTAP細胞は何だったのかが
一番今知りたいことなんですよ
若山教授はそのように話します。
高度な研究においては、
各分野のエキスパートが分業で行うことになります。
当然、他の研究者が持ってきた細胞について、
疑ってかかるということはしないということなのでしょう。
刺激を受けたことで初期化が起こる。
このこと自体、生物の世界では珍しいことではありません。
これはシクラメン。
この茎を切ってしまいます。
これを観察していると、切り口に変化が見られるようになります。
これがシクラメンにおける細胞の初期化で、
この場合、初期化した細胞の塊をカルスと呼んでいます。
このカルスを培養すると、
根や茎、葉などに育ち、
やがて花を咲かせるようにもなります。
STAPの第一報に触れた時、
私は園芸の葉挿しを連想しましたが、
そのようなことが動物であってもおかしくはないでしょう。
ただ、あってもおかしくないからといって、
実際にあるということにはなりません。
事実がどうであるのか、
真実が反映された新たな研究結果が待たれています。