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ダーウィンが来た!生きもの新伝説「南米・珍獣オポッサム サバイバル大作戦」 その1

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今回は南米・アルゼンチンのオポッサムでした。
オポッサムは有袋類。
カンガルーなどで知られる有袋類のほとんどは、
オーストラリア大陸に生息していますが、
オポッサムは南北アメリカ大陸に住んでいます。



シロミミオポッサムです。



このメスはお腹が大きいようです。



オポッサムは樹上の生活に適応していて、



5本の指で枝を掴み、
尾も毛をなくし鱗状の皮膚を持つため、
滑り止めの役目を果たしています。



オポッサムは雑食性、



この時は好物のパパイヤを食べていました。
その夜には鳥の死骸を食べていましたが、
そんな時、ヤマネコの一種、オセロットが。
オポッサムがそれに気付くのが遅く、
既に眼前に天敵が迫っていました。
大きなうなり声を上げて、
オセロットを威嚇しますが、体の大きさが全く違います。





オポッサムはとうとう動かなくなってしまいました。
すると、オセロットはその様子を見ていましたが、
しばらくするとその場を立ち去ってしまいました。
ネコ科などの多くは、動く物にしか興味を示しません。

オポッサムといえば、この擬死が有名です。
死んだふりをすることで、
敵をやり過ごそうというのです。
このオポッサムが動かなくなってから約1時間、
オポッサムは住処の木へと帰って行きました。








人間が観察すれば、動かないオポッサムが
呼吸をしているぐらいはわかるんですが、
オポッサムは天敵たちを欺くために、
腐った肉のような匂いまで放っているそうです。
腐肉を食べない種には有効な方法となっています。

世界中の化石から、
世界中に有袋類が暮らしていたことがわかっています。
アメリカ大陸にもたくさんの有袋類がいたものの、
私たちも属する有胎盤類が出現したことで、
生息域が減少していきます。
アメリカ大陸で、今もオポッサムが生き延びているのは、
この擬死が関係しているのかもしれません。




お腹の大きなメスは、この木の根元の洞に入っていきました。
ここが彼女の巣穴。



お腹の袋の中にはたくさんの子供たちが。
このメスの場合、10匹。
多い場合は一度に20匹以上産む例も。



産まれたばかりの赤ちゃんは体長わずか1cm。
私たち有胎盤類が胎盤で行っていることを、
有袋類は育児嚢で行うため、
いわば私たちにとっての胎児の大きさで生まれてきます。



こんなに小さくても、お母さんの毛をしっかりと掴んでいます。
オポッサムの赤ちゃんにこんなことが出来るのは、
大きな意味があります。

オポッサムは多産で、
シロミミオポッサムの場合、
一度に20匹以上産まれることもありますが、
それなのに、お母さんの乳首の数は13。



一度吸われ始めた乳首がふくらんで、
赤ちゃんの口から離れません。
つまりは早い者勝ち。
産まれた直後から、厳しい生存競争が始まっていたのでした。

特に武器を持たないオポッサム。
天敵に対して出来るのは、逃げることと擬死くらい。
強い子が自分の遺伝子を残す、
そのための生存競争なのでした。
ちなみに、哺乳類で一度に産まれた赤ちゃんの最高数は56匹。
これもオポッサムで、北米のキタオポッサム。
それでも、お母さんの乳首の数は13しかないのでした。


…続きます。


キタオポッサム






NHK ダーウィンが来た!生きもの新伝説







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