ダーウィンが来た！「南米・珍獣オポッサムサバイバル大作戦」その2

ダーウィンが来た！「南米・珍獣オポッサムサバイバル大作戦」その1 -動画いろいろ-
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11803871931.html

こちらからの続きです。

産まれた直後から始まる生存競争、
多産のオポッサムは母親の乳首の数以上の子供を産みます。
キタオポッサムの記録では、56匹の出産の哺乳類最高記録、
さらにオポッサムは別の記録も持っています。
それは妊娠期間。なんとたった12日間しかありません。
有袋類とはいえ、2週間未満というのは驚きです。
一度に多くの、そして短い期間で次々と産むことが、
オポッサムが子孫を残し続けていくための戦術なのでしょう。

これが生後2ヵ月の姿。
ずいぶんと大きくなり、
体毛の模様も生体に近くなってきました。
授乳期間のお母さんは
たくさんの栄養を摂らないといけないため大忙しです。
しかし、お腹に10匹もの赤ちゃんを入れていては、
木の上の移動もたいへんです。
時には袋からはみ出てしまう子供たちも。

必死にお母さんのお腹に戻ろうとしますが、
7mの樹上から転落してしまいました。
体重が軽く、草むらに落ちたため怪我はありませんが、
赤ちゃんはお母さんを探して鳴いています。
その声に気付いたお母さんも「カチカチ」という独特の音を鳴らして、
自分が気付いていることを知らせます。
お母さんが迎えに木から下りてきました。

たくさんの子供たちがいることで、
時に離ればなれになることもありますが、
こうして鳴き交わすことで、
赤ちゃんの命が守られてきました。

子供たちが産まれてから3ヵ月、
木の洞のあの巣穴からは威嚇の声が聞こえてきます。
声の主はお母さん。
巣の中にいるのは、そのお母さんと1匹の子供だけ。
お母さんが威嚇している相手は、
その子でした。

子供はどうしていいかわからず戸惑うだけ。
これは子供の巣立ちのための行動です。
他の子たちは既に巣立ちしていて、
親離れ出来ない最後の子に向かって、
お母さんは牙を見せていたのでした。
出産から次の出産も短いオポッサム、
いつまでも手を掛けてはいられない現実もあります。

自分の力だけで生きていかなくてはならなくなった
小さなオポッサム。

何とか尻尾で小枝に捕まっていますが…
落下してしまいます。
木の上でもがいているそんな子オポッサムを見ていたのが、

アカエリクマタカでした。

オポッサムにとって、
巣立ち直後が最も危険なのが巣立ち直後。
こうして命を落とす子供たちもたくさんいます。

オポッサムが生き抜いていく上で、
出来ることはとても少なく、
それでも、擬死などの出来ることを
力の限り尽くして、南米のジャングルを生き抜こうとしています。

そして、あの木の洞では、あのお母さんがお腹の袋で、
次のたくさんの命を育んでいます。