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総合診療医 ドクターG シーズン5「せきと熱をくり返す」(2)

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http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11814713158.html

こちらからの続きです。


患者
宮本智子さん
42歳 主婦
161cm 45kg
主訴:咳と熱を繰り返す

宮本智子さんの来院時の基礎データ
体温 39.0度
血圧 138/72
脈拍 98回/分
呼吸数 20回/分
SpO2 94%



ここまでの情報で研修医3名全員が疑ったのが、

過敏性肺臓炎

でした。
過敏性肺臓炎は、特定の物質を
繰り返し吸い込むことで起きるアレルギー性の肺炎のこと。
肺の奥に炎症を起こし、咳や息切れ、
呼吸困難などの症状が現れます。
カビやペットの毛、塗料などが原因物質となりますが、
彼女の場合、古い家に移ったこと、
既に付けられていたエアコンの掃除をしたことで、
カビや埃が拡散し、それを吸い込んだのではないか考えました。
また、掃除の後に症状が出ていること、
過敏性肺臓炎なら、
レントゲンで異常が見つからない時期があることも。

では、彼女は過敏性肺臓炎なのでしょうか。
そうではない可能性を考えなくてはなりません。
過敏性肺臓炎には当てはまらない矛盾点を挙げることとします。
まず、症状が出ていない時期があること、
過敏性肺臓炎では、症状が出ていない期間はありません。



発熱を考えた時に、最初に考えるべきは感染症でしょうか。
インフルエンザはどうでしょうか。
当初、彼女はインフルエンザの検査を受けているようですが、
たまたま、陽性反応が出なかっただけではないでしょうか?
次に結核も疑わなくてはなりません。
感染症以外で発熱の症状があるのが
自己抗体が自身の正常な細胞を攻撃する自己免疫疾患、膠原病です。
膠原病であるなら、疑われるのがサルコイドーシス、
そして、全身性エリテマトーデスが考えられます。
サルコイドーシスは、全身のリンパ節や肺、皮膚に
異常な細胞の固まりが出来て炎症を起こす病です。
また、全身性エリテマトーデスは、
関節や腎臓に炎症を起こす病気で、
顔や全身の皮膚に皮疹などが現れやすいという特徴があります。
感染症、自己免疫疾患以外で発熱を伴うとすれば、
他に腫瘍が挙げられます。
腫瘍であるなら、悪性リンパ腫を。
悪性リンパ腫は、リンパ球が癌化し、
以上に増え続ける病気で、
主に首や脚の付け根のリンパ節が腫れ、
特徴的な症状として、発熱や寝汗、体重減少などがあります。

一つの病名だと断定することはいわばゴールになります。
そのゴールに辿り着くまでに様々な可能性を考えておかないと、
ゴールの段階で大きな間違いを犯すことになります。
これから、次の映像を見ることになりますが、
どういった点を注目すべきでしょうか。
研修医たちは、それぞれ
膠原病を疑うのであれば、関節の痛みの有無、皮膚の症状など。
家族の既往歴と3ヶ月前の生活の様子を知りたいと回答しました。







「先生、妻はそんなに大変な病気だったんですか?」

まだわかりませんが、これから症状が悪化することもあるので、
経過を見るための入院です。
それでは、もう少しお話を聞きたいのですが、
引っ越しをする以前に、
何か大きな病気をしたことはありますか?


入院するような大きな病気をしたことはありませんでした。

「いや、待てよ。去年の夏のあの風邪、ほら」



忘れていました。
まだ引っ越しをする前、去年の夏頃、
風邪を引いたのかなと思って、
体温を測ってみたら、38度ぐらいあって。
不安になりましたが、少し休んだら薬を飲まなくても
熱も下がって、咳も治っていたんです。
よく考えてみますと、
それから毎月のように、
そんなことがありました。

では、ご主人にお聞きしますが、
奥さんの症状で咳と熱の他に何か気になることはありますか?


「今日、法事の食事会で、
智子が部屋を出て行く時に、姉さんが言っていました。
"智子さん、少し痩せたんじゃない?"って」

今年に入って…、何キロぐらいかな…、
体重が減りました。

そうですか

「先生、こんにちは」

あ、娘です。

お嬢さんはお母さんのことで、
何か気付いたことはありませんか?




「あっ、そうだ。
洗濯をしようとした時、気がついたんですけど、
お母さんのパジャマとシーツが
しょっちゅう濡れていることがありました」

…時々、寝汗をかくことがあります。

それでは、これから症状がどういう経過を辿るか見ていきます


入院中
胸部・腹部のCT検査 異常なし
血液検査 目立った異常なし



入院から3日経過――――

症状も回復しましたし、一度退院されて
ご自宅でお体の調子を見て下さい。
何か変化があれば、いつでも連絡していただければ


入院して体を休めることで、
体調はすっかり戻りました。


退院から4日目――――



「先生! また咳と熱が出てしまいました!」

前回熱が出てから、から、ちょうど1週間ですね







…番組は研修医たちの最終鑑別へと続きます。





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