この春にはNHK総合で「タイムスクープハンター」は始まるわ、
「ドクターG」も始まるわ、「幻解!超常ファイル」も始まるわでたいへんです。
「幻解!超常ファイル」は、
約1年前にBSプレミアムで放送されていて、
地上波で放送するにあたり、
新たな取材と未公開素材を加えた内容にしてある模様です。
まずはいわゆる
エイリアン・アブダクション
から。
アメリカ・サンフランシスコ、
この街の一角では、謎の生命体と遭遇し、
誘拐された人々の集まりが開かれています。
彼らは、家族や友人にもその経験悩みが理解されず、
同じ境遇の人たちと語り合うことで、
自分に何が起きたのかを理解しようとしていました。
ヘレン・ゴンザレスさんの体験です。
1968年十代の頃、スーパーに買い物に行った時、
近くで船を見ました。船には3人が乗っていて、
その中の一人と目が合った時、とても恐怖を感じ
動けなくなりました
ハワード・イリザリーさんの体験です。
6~7歳から体験は始まりました。
アパートのベッドで寝ていました。
夜中に起きてみると、誰かがいるのが見えました。
ある時、船に運ばれました。
何か道具を見ましたが、そこから何も憶えていません
そして、こう付け加えます。
これは夢ではありません。
今、あなたと話していることが
紛れもない現実であるのと同じです
彼らの証言で多いのは、
謎の人物や宇宙船を目撃すると、
次の瞬間には謎の施設の中にいて、
謎の人物に取り囲まれている、というもの。
これら、体験者が書いた絵に示されるとおり、
自由を奪われ、無理矢理人体実験をされた、
体の組織や細胞を採取されたなどと続きます。
中にはエイリアンとの間に子供が産まれた、という人も。
エイリアンの外見は、肌は青白く、
目が大きい場合に多いようです。
この種の事件で、最も有名なのが
ヒル夫妻誘拐事件
でしょう。
1961年、クルマでの帰宅途中、
夫妻はクルマを追いかけるような謎の光を目撃します。
恐怖を感じながらも、明け方に帰宅、
謎の光を見てから3時間ほどが経っていました。
そして、夫妻はその間の記憶が曖昧であることに気付きます。
夫妻は専門家に相談し、
催眠を受け、脳の奥底に残っているであろう記憶を
引き出してもらうことに。
すると、その記憶が蘇り、
驚くべき証言を始めたのです。
夫は謎の光を観察しようと
双眼鏡を手に外へと出ます。
それは大きな飛行船だった。
飛行船の窓際に男たちが並んでいた。
彼らは私を見下ろしていた
催眠中の彼はそう話しました。
双眼鏡を離さないと! 神よ我に力を!
双眼鏡を離し逃げるんだ!
彼はそう叫んでいました。
妻の催眠中の証言。
彼らは私を仰向けにして
検査官が長い針を手に持っているの。
その針を臍の下に入れるだけの
簡単な検査だと言った。
私は言ったの。
イヤだ。きっと痛い!やめて!
この事件は全米の話題となり、
自分もアブダクションされたという証言者が急増、
その中で見られるのが、寝ている間に誘拐されたというケースです。
得体の知れない恐怖感に目を醒ましたものの、
体が動かない、近くに何者かの気配を感じる。
見たこともない人影が…。
近づいてくるその人影を見た後、
気がつけばベッドの中。
しかし、数時間が過ぎていて、
記憶にあるのは夢とは異なる現実感のある恐怖。
その恐怖が何なのか、思い出そうとしても思い出せない。
記憶の空白。
これらの体験をした彼らは、
不安に駆られセラピーへ。
そして催眠を受けて、
その時に、失われた記憶が
誘拐されていた時のものであることが分かることに。
数々のアブダクションの事例を収集し、相談を受け続けている
アブダクション研究家のデビッド・M・ジェイコブズは
このように話します。
私の元へ来る証言者は
わざわざ作り話をする必要がありません。
家族や友人に「宇宙人に誘拐された」と話したところで、
気持ち悪がられるだけです。
ただ、記憶が失われた間、
自分の身に何が起きたのかを知りたいだけ。
そう願っているだけなんです
ここで、エイリアン・アブダクションの典型的な例の一つ、
寝ている間に誘拐されたという場合を考えてみましょう。
私たちの多くはアブダクションの経験も、
それを体験した人を知る人は少ないでしょうけれど、
金縛りはどうでしょうか?
自身や周囲に体験者がいるかもしれません。
夜中に目が醒めたものの体が動かない。
誰かがいる。
これはアブダクションの典型例と同じです。
江戸川大学、精神生理学の福田一彦教授のお話です。
金縛りというのは、単純にいえば体が動かない。
夜中に起きた時に体が動かない。
場合によっては夢よりも鮮明な幻覚、
視覚だけではなくて、触覚、
もちろん聴覚により、リアルな幻覚を感じることがあります
眠りが浅くなると、脳が活性化し、
夢を見やすくなります。
この時に、恐怖や不安を司る扁桃体が活性化し、
夢は恐いものが多くなりがちです。
この時に意識が目覚める一方、
体の筋肉が目覚めないと、金縛り状態になります。
この現象は医学的には睡眠麻痺と呼ばれます。
睡眠麻痺の時には、脳の五感を司る部分も活性化、
その結果、自分がいる部屋にいる
リアルな幻覚を見ると考えられています。
こうした状況が重なると、
体が動かず、今まさに恐ろしいものが
近くにいると感じることになります。
この恐怖の対象は、国や文化により異なることが分かっています。
アブダクティ(誘拐された人)が見るのは
幽霊ですよね。
日本人の場合は、まあ幽霊だとかそういった人影なんです。
これが、中性のヨーロッパでは夢魔(ナイトメア)、
悪魔、魔女だったりした訳です。
この種の幻覚は、常に見知ったことを元に作られることになります
このアブダクションの証言には、
さらに一つの人為的な問題が関わっているともされます。
それが
催眠
です。
スタンフォード大学のデビッド・シュピーゲル教授は
催眠は"作り話"を"実体験"の記憶とする可能性があると指摘します。
教授が注目するのが前部帯状回と呼ばれる場所。
ここには様々な記憶を比べ合わせる機能があり、
本や映画などで得た記憶と、
自身が実際に体験した記憶を比較して、
現実と矛盾がない正しい記憶を選び出して区別しています。
催眠を受けた状態だと、
その比べ合わせる機能が一部に集中してしまうことで、
作り話の記憶を実際の経験と認識してしまう可能性が生まれます。
催眠は非常に集中した意識を作り出します。
とてもいい映画を見ているような感じで、
矛盾を感じることなく、その世界に没頭します。
そのため、催眠中に自分が語った体験を、
後で振り返ると、矛盾だらけで
なせそのような体験をしたのかわからない
ということもあります。
催眠による記憶はファンタジーかもしれませんが、
現実よりもリアルに感じてしまう場合もあるのです
ヒル夫妻の証言依頼、アメリカでは
多数の映画・テレビなどで取り上げられ、
曖昧な記憶や体の不調の原因を
アブダクションとする例が増えていきます。
ハーバード大学の心理学者、
スーザン・A・クランシー博士は
350人近いアブダクション証言者に対し聞き取り調査を行い、
多くのケースが日常的な心や体の不調に悩むうちに、
体験談を見聞きして「自分も同じだ」と
思い込んでしまったのではないかと話します。
彼らはアブダクションこそが
自分の不可解な事実に一番ぴったりすると感じたんです。
それが一番辻褄が合うと感じたんです。
だから、診療所やアブダクション研究者の所を訪れ、
そこで催眠を受け、宇宙人が見下ろしているというイメージを見てしまう。
その瞬間、彼らは「誘拐されたのかもしれない」から
「誘拐されたと思う」となり「誘拐されたに違いない」と
認識を変化させてしまいます
私たちの記憶の中に、
偽りの記憶は混ざり込んでいないでしょうか?
20分番組なので、短くて済むと思っていましたら、
また長い記事となりました。
「特命リサーチ200X」をはじめ、
この種の番組は大好きですね。
本当はヒル夫妻誘拐事件や
偽りの記憶について掘り下げたいところですが、
ご興味がございましたら、調べてみて下さい。
偽りの記憶といいますと、
ザ・プレミアム 超常現象 第1集 さまよえる魂の行方 ~心霊現象~ その4 -生まれ変わり-
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11755103282.html
ここでも登場しましたね。
この続きはまだ作成していませんが…
ビーバップ!ハイヒール ~記憶はこうしてねつ造される~(2010.04.02)
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10498292605.html
これもそうですね。
それが冤罪を生み出したケースもあり、
虚偽記憶、過誤記憶については、
今後も研究されていくものと思われます。
↧
幻解!超常ファイル「私は宇宙人に誘拐された!?」
↧