Quantcast
Channel: テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

ビーバップ!ハイヒール 「科学者たちの不都合な真実~繰り返される捏造事件の舞台裏」 その3

$
0
0
こちらからの続きです。

http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11889422309.html
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11889759384.html



研究で不正、捏造が繰り返される理由を、
榎木英介先生は3つ挙げました。

1. 研究費を獲得するため
2. 研究職を続けるため
3. 歴史に名を残すため


論文を発表し続けなければ、研究費、補助金は得られず、
また、任期のある研究職の場合、
その間に成果を出さねば、次の契約はありません。
そして、後世に名前を残したい名誉欲。
そういった動機があるようですね。



ノバルティスファーマ ディオバン臨床データ捏造事件

現在捜査中の医療、医薬の信頼性を揺るがす
この悪質な事件のお話です。
番組では社名、個人名、
薬品名は出ませんでしたけれど、
ここでは隠す意味もないのでそのままお書きします。
番組を逸脱する部分もありますが、
それは他の私の記事でもそうですので、
今更ですね。

血圧を下げる医薬品、降圧剤。
この分野は利益が大きいため、
各社にとってドル箱であり、
そこに巨大な利権が絡んでいました。
ノバルティスファーマの降圧剤バルサルタン、
商品名ディオバンは、
年間の売上が1千億円超の年もあったほどの重要な商品。
このディオバンは2001年から京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、
滋賀医科大学、千葉大学、名古屋大学が臨床研究に参加、
対象は高血圧患者8400人以上というもの。
各大学はその成果を次々と発表、
その内容はディオバンの有用性を評価するものでした。
一般に、降圧剤を服用すると、
脳梗塞や心筋梗塞発症の可能性が高まりますが、
ディオバンの場合、他の降圧剤と比較して、
それらのリスクを半減させるというデータが得られたというのです。
そして、1研究チーム、1大学だけではなく、
次々と同様の研究結果が出されていきます。
これらの発表が医師向けの宣伝材料となり、
ディオバンは売上を伸ばし続け、
年間売上1千億円を超えるほどにもなりました。

しかし、ヨーロッパの学会で論文に対する疑問が上がり、
検証作業が行われ、医学雑誌ランセットなどに

「報告されたデータの中に重大な問題が存在する」

と記されました。
その重大な問題とは、
カルテにない症状が論文に記載されている、
脳梗塞などの発症率のデータが操作されているといったもの。
この事態に東京慈恵会医科大学は自らが発表したデータを照合、
その結果

「研究チームが関与していないデータ解析において
血圧値の一部に人為的な操作が認められました」

と発表し、論文を撤回しました。
他の大学もデータの照合を開始、
すると、奇妙なことが判明したのです。

白橋伸雄。この人物が5つ全ての大学の臨床研究チームに参加していて、
その肩書きは大阪市立大学非常勤講師となっていましたが、
市立大にそのような人物はいません。
彼はノバルティスファーマの社員だったのです。
白橋は身分を偽り臨床研究に関与していたと考えられています。
しかし、この時点で既に彼は退職していたということで、
ノバルティスファーマは、この白橋元社員による
データ操作、改竄について一切の証拠は発見されず、
当人が聴取に応じず、業務活動記録の調査も拒否したとして、
捏造行為を認めず謝罪するのみとなりました。

この一連の事件で厚生労働省はノバルティスファーマを刑事告発、
その容疑は「誇大広告」「虚偽表示」というもの。
医薬品の臨床データ改竄は、
その薬害で死者が出る可能性があったというのに。
昨年6月、東京地検特捜部は白橋伸雄を逮捕、
ノバルティスファーマを起訴しています。



ノバルティスファーマから
国内の5大学に支出された奨学寄付金が総額11億3千万円、
いわばこれは種金で、ディオバンの売上総額は
1兆2千億円以上にもなっています。


ハイヒールのリンゴさんが
このディオバンを服用されていたそうですね。
医師からは「最もスタンダードな降圧剤」として、
「最初はほぼこれから入る」と説明されていたそうです。
私も、昨年の夏頃電話で、
母親が服用している降圧剤を確認していたりします。
今、まさに産学の癒着が生んだこの事件の全容解明が
期待されているところです。



番組の最後はエジソンとニュートンについて。
この二人は、私が考える「尊敬したくない偉人」あるいは
「子供の頃に学んだ人物像と実像のギャップが最も大きい偉人」
その二大巨頭ですね。

トーマス・エジソンは
直流システムの発電所を最初に作った人物ですが、
交流送電と電力事業におけるいわゆる「電流戦争」がありました。
エジソンは直流送電をインフラのスタンダードにするために、
交流送電の危険性をアピールするべく、
腹黒い彼は処刑用電気椅子に交流電流を採用させました。
ネガティブ・キャンペーンにより、印象操作しようとした訳です。
彼は野良犬や野良猫たち次々とを交流電流で殺し、
ゾウも交流電流で殺し、
その様子を収めた映画を全米で公開しています。
彼の敵である交流陣営はニコラ・テスラと、
ジョージ・ウェスティングハウス社であった事から、
エジソンは「westinghouse」という言葉を動詞化し、
その意味を「交流電流によって死刑執行される」としています。
実際には、電流は直流交流どちらも使用を誤れば危険なのは同じで、
どちらかといえば、直流のほうがより危険ではあるでしょう。




アイザック・ニュートンは
ニュートン力学などにその名を残しますが、
万有引力については、同時期に同様の研究をしていた
ロバート・フックなどもいました。
二人は万有引力の発見は自分のほうが先だと主張しますが、
ニュートンはそれを確実に自分の功績とするために、
フックの研究論文を隠してしまいます。
肖像画まで破棄してしまったために、
フックの存在自体が忘れ去られ、
彼は長年歴史に埋もれてしまうことになりました。
未だ、フックの肖像画は未発見のままです。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

Trending Articles