先週の「たかじんのそこまで言って委員会」で
自称イスラム国の議論がありました。
その中で、パネラーの竹田恒泰さんとフィフィさん、
それにゲスト出演の宗教学者・島田裕巳さんが主な発言者で、
竹田さんが多神教である神道の寛容性と、
イスラム教やキリスト教の一神教の狭量な価値観を問題視する発言をすると、
フィフィさんと島田さんがそれに反論するという展開になりました。
島田裕巳さんといえば、オウム真理教を擁護していたとして、
非難を浴びていて、私もそれ以前にそんな彼の著書を読んでいました。
特に1990年代、宗教学の本をたくさん読んでいたんですね。
その時、身近であるはずの仏教や神道に対する誤解に驚き、
キリスト教やイスラム教が世界で広く信仰されている理由について
考えるきっかけになりました。
オウム擁護の話は別にして、
私たちはもう少し、宗教について考えるべきであろうかと思います。
日本人のように、テキトーな宗教観の持ち主も、
信仰を持たない人も、もっと宗教について考えるべきなのでしょう。
もちろん、特定の信仰を持つ人も、
他の信仰についての知識を備えておくべきなのではないでしょうか。
竹田さんは一神教が持つ排他的な価値観問題視していましたが、
その発言自体に寛容性を欠いていたように思います。
昔から多神教の寛容性は言われてきたことではあるものの、
ここで議論されたイスラム教に寛容性がないとはいえないでしょう。
本来、イスラム教には寛容性、緩さが含まれているように思います。
歴史上、他宗教信者への迫害はありましたが、
本質的には、考えの違う者を
力で排除したり従わせようとするような教義ではないのでしょう。
そう考えながら、自称イスラム国や
マララさんを襲い、今でも彼女を殺そうとしている
パキスタン・タリバン運動などの異常な行動を考える必要があると思います。
ビーバップ!ハイヒール「世界を動かしたスピーチ」 その2 マララさんの国連演説 -演説動画-
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11620329731.html
そして、オウム真理教信者による地下鉄サリン事件などの時に、
私が思ったことと同じ事を今もまた考えています。
「信仰に基づく法」を掲げて人殺しを続けている集団がいて、
それなのに、宗教家の声がほとんど聞こえてこないんですね。
オウムの時に、これは既存の宗教の問題なのではないかと思いました。
そこに魅力がないから。それぞれの宗教に信じるだけの意味を感じない、
世界の中の自分にとって、既存の宗教が
意味を持たないと思われているのではないでしょうか。
少なかったものの、オウムの時には宗教家の意見も聞かれました。
しかし、この自称イスラム国問題では、
ほとんどそれが聞こえてこないんですね。
日本人は強い信仰を嫌う傾向にありますが、
こういう時こそ、宗教家として発すべきメッセージがあると思います。
オウムの時に、なぜ少なくない数の人々が、
それに惹かれたのか、それを考えなければなりませんでした。
今現在についても、世界中から
自称イスラム国に身を置きたがる人が集まっている訳ですから、
その動機などについて検証し、
宗教家として意見を述べるべきであろうかと思います。
特にイスラム教徒にとっては我が事であるはず。
イスラム教徒にとっては大迷惑であろうかと思います。
まずはその指導的立場にある人が、
世界に向けて発信すべきでしょう。
このままでは、イスラム教とは
自称イスラム国が示しているような教義の宗教だと、
世界中の人たちが考えてしまうことになってしまいます。
日本人も自称イスラム国のメンバーになろうとしていました。
もう既に何人かの日本人がメンバーなのかもしれません。
おそらく、日本人のほとんどが唯一知るイスラム学者が
中田考だと思います。あの男がしたようなことが
イスラムの価値観なのだと思われないためにも、
ぜひ、メッセージを出してください。
¥669
Amazon.co.jp
日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書)/阿満 利麿
¥821
Amazon.co.jp
世界は宗教で動いてる (光文社新書)/橋爪 大三郎
¥821
Amazon.co.jp
池上彰の宗教がわかれば世界が見える (文春新書)/池上 彰
¥864
Amazon.co.jp
イスラム教入門 (岩波新書)/中村 広治郎
¥864
Amazon.co.jp
池上彰の講義の時間 高校生からわかるイスラム世界/池上 彰
¥1,404
Amazon.co.jp
コーランを知っていますか (新潮文庫)/阿刀田 高
¥637
Amazon.co.jp