始まりました。2015年の大河ドラマ。
今作をどう考えるべきなのか困るところで、
予めアナウンスされていた「学園ドラマ」というのも
悪い予感しかしなかったんですが、
今のところ、それを払拭する中身はなかったですね。
演者は悪くないとは思うんですが。
資料が少ない人物を主人公にする、
だから、自由にドラマを描ける、
しかし、それが面白いドラマになるとは限らず、
多くの場合、オリジナルストーリーを立てたことにより
歴史との齟齬を生じ、中には歴史の蹂躙にも繋がることも。
近年の大河全てに言えることですが、
現代の価値観を取り入れすぎなんですよね。
今回も反戦が前に出てきそうな気がしますが、
それだけで生きていけるほど、それぞれの時代は甘くはなく、
それぞれの時代の価値観をもう少し取り入れて欲しいと思います。
とりあえず、今回は記事を作ってみますが、
「江」の時は後半はずっと関ヶ原だけのことを記事にしていましたので、
今回は脚本が気に入らなかったら記事自体作らないと思います。
今後、このドラマが学園ドラマ、ホームドラマだというのであれば、
群像劇としての厚みが出て来ることを期待しています。
主人公・杉文の誕生から始めておけば、
吉田松陰、寅次郎の幼少の頃も描けるので
そのほうがいいと思うんですが、
残念ながら、寅次郎の子供の頃については回想シーンのみ。
台詞などでの説明はあったものの、
分かりづらかった彼の生い立ちから始めたいと思います。
1830年8月4日、寅次郎は
萩城下26石取りの下級武士・杉百合之助の次男として生まれます。
4年後、叔父である吉田賢良(大助)の養子に。この時に吉田姓となります。
吉田家は杉家の宗家に当たる家柄で、
代々山鹿流兵学の師範を務めていました。
寅次郎もその指導を受けるはずでしたが、
寅次郎が養子となってから賢良は間もなく死去。
吉田姓ではあるものの、寅次郎は生家の杉家で暮らすことに。
そして、これも寅次郎の叔父に当たる玉木文之進が
寅次郎の教育に当たることとなりました。
玉木文之進という人はとにかく謹直な人物として知られ、
松下村塾といえば吉田松陰というイメージがありますが、
そもそもこれは、1842年に文之進が自宅に開いた私塾が始まりです。
寅次郎12歳の時ですね。
この文之進、優れた人物なのは間違いないとは思うんですが、
それも度を越すと被害者も生まれます。
劇中にも紹介された読書中、寅次郎の顔にハエが止まった時のこと。
顔が痒いので寅次郎は頬を掻きますが、
文之進は寅次郎をぶん殴りました。
痒みは私のことである。己のことを優先する者は
将来私利私欲を優先するであろう。
それが文之進の理窟でした。
その他、本の持ち方がなってない、
声の出し方が良くないなど、
事あるごとに殴り飛ばしていたようです。
後年の松陰は「よく死ななかったものだ」と言っていたようですが、
吉田松陰その人に最も強く影響を与えたのが
この玉木文之進ではないかと思います。
彼は松陰が憎かったわけではありません。
生まれた家によって人が評価されるこの時代にあって、
武士の家に生まれたから侍になる訳ではない。
侍は作られてこそ侍になるのだと、
その信念に基づいた教育でした。
だからなのか、寅次郎の生まれながらの才能なのか、
彼が8歳の時には藩校・明倫館の教授見習いに、
10歳の時には藩主・毛利敬親に御前講義をするなど、
長州で知らない人はいないほどの少年となっていきます。
後に安政の大獄で松陰が捕縛されると、
助命嘆願に奔走したのも玉木文之進だったのでした。
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