ビーバップ！ハイヒール 弔辞「THE ラストメッセージ ～故人に送る最後の言葉～」 -動画-

一昨年11月の作成

ビーバップ！ハイヒール ～弔辞～ 上岡龍太郎さんから横山ノックさんへの最後の言葉の全て -動画-
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11411624389.html

以来、アクセス数が多く、
今でもよく見られている記事です。
今回はそれ以来2回目のこの企画。


宇津井さん
会えてよかったです
もし どんな人になりたいかって聞かれたら
「宇津井健さんのような人になりたい」と
答えようと思います

水谷豊さんから宇津井健さんへの弔辞です。
1977年の大映テレビのドラマ「赤い激流」で二人は共演、
ピアニストとその師匠という役柄で、
その後も親交を深めてこられました。
しかし、その後共演の機会は訪れず、
それが実現したのは
それから30年以上が過ぎて2010年の特番ドラマ「外科医 須磨久善」でした。
それよりも少し前のこと、仕事現場で偶然すれ違った水谷さんに宇津井さんは

「相棒」いいドラマだよね。
いつか出たいんだけど…、ただし、君の相棒役は無理だけどね

この宇津井さんの言葉が実現したのは同じ歳の暮れの映画
「相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」にて。

一昨年には「相棒シリーズ X DAY」で共演されています。





宇津井さんの他界はそれから1年後のことでした。



父であり 師であり
理解者であり
私のファンでもありました
私も父のファンでした

原辰徳読売巨人軍監督から、
高校野球の名門東海大相模、東海大を率いた原貢元監督への弔辞。
選手と監督、父と子という他にはない間柄ならではの言葉です。



今回も前回同様カシコブレーンは「大弔辞」がヒットし
放送作家や演出家などでも知られる高平哲郎さんです。


立川談志 享年75 2011年11月21日死去



1971年談志さんは落語家から参議院議員に転身、
それをよく思わない先輩議員が多い中、
声を掛けたのが石原慎太郎参議院議員でした。
彼もまた、作家から政治家になったばかりという似た境遇。
しかし、ただ二人の友人関係は特殊でした。

石原さんが東京都知事になってからの事。

都知事以外にポジションがないんだろ
プライドを満たすところ。居場所なんだな
小説は大したことないし、総理にはなれねえしな

談志さんがそう言うと

人間が弱いから家元になっちまったんだ
家元なんてやめちまえ

石原さんはそう返したそうです。
そう言い合って笑い合える仲だったのでしょう。
石原さんの無二の親友への弔辞です。

お前さんが
「俺があんたに会って石炭焚かれると
妙に元気が出るんだよね」って
言ったのをよく覚えているんだ
まあ私もね、お前さんに
言いたいこと言われると
逆に反発しながら元気が出たんで
実は気がクサクサして
人生にもいろいろ迷いが出て
私もね、逆にお前さんに
石炭焚いてもらおうと思ったんだけども
その相手が死んじゃって
死にそうでってことであの電話したんだよな
最後は君は俺に答えてくれた。いろいろ
ねえ、ゼイゼイゼイゼイいう声が聞こえて
音はそれだけだったけど
俺はあんたの答えというか
人生に対する言い分というか
全部、全部理解出来たと思う
そして僕はあの時、君をね
俺なりに見送ったんだよ
あの世でいつかまた会えるんだろうから
それまで死んでも元気でいてくれ
あばよ
さよなら
談志師匠



三國連太郎 享年90 2013年4月14日死去

34歳の時に老人を演じるために歯を10本抜くほど、
その役にこだわりを見せた三國連太郎さん。
私生活では4度の結婚をし、
佐藤浩市さんは3度目の奧さんとの間にもうけた息子さんです。
佐藤さんが11歳の時に三國さんは離婚、
それから、佐藤さんのお母さんは女手一つで彼を育てました。
そして、十年弱が過ぎ、佐藤さんが選んだのは父と同じ役者の道でした。
佐藤さんは三國さんに相談します。その時、三國さんは

おやりになるなら、親子の縁を切りましょう
一切、君の芝居は見ません

後に二人の間の確執は広く知られるようになります。
そんな二人でしたから、共演がなかったのは当然で、
しかし、ついに1996年の映画「美味しんぼ」で共演することに。
しかも、役の上でも親子の間柄。
三國さん演じる海原は妻と息子を捨てているのです。
憎しみ合う二人をこの親子が演じました。
それは、三國さん73歳、佐藤さん35歳の時のこと。
お互い「三國さん」「佐藤君」と
現場ではそう呼んでいたようです。
一昨年春、佐藤さんは父の訃報を聞きますが、
彼は撮影現場で仕事を続けました。
葬儀前日も変わらずに現場で演技を続け、
彼は最後の最後まで
彼は三國さんを「父さん」と呼ぶことはなかったようです。
そんな佐藤浩市さんの葬儀での挨拶です。



本日、三國連太郎、佐藤政雄両名の葬儀・告別式を
無事、執り行うことができました
昨日、自分は撮影に参加しまして
撮影を休むことは故人の遺志に沿うこととは思えなかったので
撮影に参加させていただきました
朝現場に行って、ロケ現場を横切る時
「ああ、この現場の空気を、現場を歩くことを、
もう三國には出来ないのかなと
三國はもう一度、この現場に立ちたいと
どれだけ思っていたことだろう」と
そう思うと、自分はこれからたぶん数千回
現場に立つことになると思います
「そのうちの何回かでいい
お前、今日のことを思いだしてみろ
そうしたら、雑な…、雑な芝居も
そんな芝居も出来ないでしょう」
そう三國が言っているような気がしました
最後にまた、三國連太郎に教えられた思いがします
だから、ずっと、あちらの世界でもまた
映画を撮り続けると思います
本日はありがとうございました

当時のこのキャスティングが発表された時の衝撃は覚えています。
それを受けられたこの二人の役者としての気概にも感動しました。
番組のほうでは挨拶冒頭の"三國連太郎、佐藤政雄両名の～"が
カットされていたんですが、これもまた特殊ですよね。
亡くなったのはお一人。しかし、芸名とご本名で両名とされています。
とても興味深いお二人ですけれど、
以前、明石家さんまさんがラジオでこんな話もされていました。
例年の年末年始のオーストラリアで、
その時は佐藤浩市さんご一家もいらっしゃっていて、
佐藤さんの息子さんが村上ショージさんのギャグをとても気に入り、
ずっとそれを繰り返していたようです。
帰国後もそれを続けていて、
お祖父ちゃん、三國さんの前でもそのギャグをしたところ、
「役者にそんなものは要りません」
と不機嫌になられたとか。
街を歩いているとスカウトされるような
とても綺麗なお顔のお子さんということで、
お孫さんも演技の世界にとお考えだったのでしょう。
そして、実は世間が考えているような感情とは違うものがあるのか、
あるいはお孫さんがいらっしゃるからこそのものなのでしょうか。
葬儀での佐藤さんの挨拶からは
彼の三國さんの存在を誇りに思われていたことがわかりますね。







…横山ノックさんから弟子・横山やすしさんへの弔辞へと続きます。