http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12071262790.html
こちらからの続きです。
藤原氏がそうであるように、
かつては関西が政治、経済の中央であったため、
関西がルーツとなっている名字が多数あります。
「高橋」は佐藤、鈴木に次いで、
3番目に多い名字です。
この「高橋」は奈良県天理市にある物部氏の総氏神、
石上(いそのかみ)神宮だとされています。
この神社の裏手にある古事記にも登場する古道・山の辺の道、
この脇には崇神天皇陵や景行天皇陵もあり、
初期の大和政権の所在地だとも言われています。
この神聖な道をさらに進み、
山奥深くにかかっているのが「布留の高橋」です。
全ての「高橋」姓はここから始まります。
現在はコンクリート製ですが、
この布留川の渓谷に架けられた高い橋は、
この地域に住む人にとって誇りでした。
かつて渡河といえば、船で渡るのが当たり前の時代、
土木技術が進んでいないこの時代では、
橋の近くに住むことは一種のステイタスでした。
石上(いそのかみ) 布留(ふる)の高橋 高高(たかたか)に
妹が待つらむ 夜ぞふけにける
詠人知らず。万葉集巻十二・二九九七の歌です。
「小野」は全国53位の名字。
そのルーツは近江国滋賀郡小野村、
現在の大津市小野にあります。
第5代孝昭天皇の末裔がここに移り住み、
小野と名乗るようになります。
この一族からは多数の有名人が出ています。
たとえば、小野妹子。
遣隋使として大陸へ渡り、国の要職に就きました。
彼の墓とされている唐臼山古墳はこの地にあります。
その他、参議篁・小野篁、そして、小野小町など、
小野姓は1400年続くエリートの証なのでした。
現在の総理大臣の「安倍」は奈良県桜井市の安倍文殊院から。
全ての阿倍、安倍姓は
ここを氏寺とした左大臣・阿倍(安倍)倉梯麻呂が始まりです。
しかし、名字の分布では、現在東北に多いことがわかります。
後に安倍氏は東北の経営に大きく関わり、
そこで慕われた安倍氏は東北に根付いていきます。
そして、安倍氏は九州にも。
安倍氏はそれぞれ違う漢字を使用することで区別します。
現在の地名で、福岡から大分の安部、
大分のみの安辺、甘木市に集中している安陪などなど。
いずれもルーツは奈良になります。
「プロテニスプレイヤー錦織圭」で知られる「にしこり」。
私の小学校時代の同級生に「錦織君」がいまして、
彼は「にしこり」読みでした。
だから、私にとっては
少年隊リーダー「錦織一清」さんの「にしきおり」のほうが珍しく、
世間は錦織一清さんが有名ですので、
多くの人は「にしきおり」のほうが一般的なんですね。
「錦織」姓は現在の滋賀県大津市の錦織(にしこり)町。
古代、この地域に多く住んでいたのが錦を織る人たち。
この人たちを「錦織部(にしこりべ)」と称し、
のちに末尾が省略されて錦織となりました。
元は「にしこり」であるようです。
森岡さんに推察によりますと、
「にしこり」氏がその土地を離れ、
移り住んだ先で「にしきおり」と名乗ったのではないかと。
鹿沼さんと同じように、発祥の地を離れますと、
読みづらい漢字は本来の読みを読んでもらえなくなります。
だから、文字通りの読み
「にしきおり」になっていったのではないでしょうか。
同様に、「服部」姓は衣服を織っていた
「服織部(はたおりべ)」という職業から。
これは中央の文字が落ちて「服部(はたおり)」に
そして音便化で読みが「はっとり」となっていきます。
…さらに続きます。
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