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こちらからの続きです。
栗花落
中世からあるというこの歴史ある名字。
ほとんどの人は読めません。
この名字のルーツは現在の神戸市北区。
この地域では栗の花が落ちる頃は梅雨入りの頃、
そこで、その人は考えました。
「栗花落」と書いて
つゆいり
と。これが転訛して、「つゆり」「ついり」などにもなりました。
愛用のATOKで変換してみますと、
「つゆいり」には登録されていませんが、
「つゆり」「ついり」で「栗花落」が出てきます。
また、変換候補の中には「栗落花」というものもありました。
一口
錦織君は小学生の時の同級生でしたが、
一口君は中学の時の同級生でした。
東京都千代田区には一口坂もありますね。
かつて、家屋が密集し、出口が一つしかない集落がありました。
皆が一斉に集落の外に出ようと思うと、
出口に人々が殺到することになります。
その様子を、この出口に住んでいた一人が外を見て思いました。
まるで「芋を洗うようだ」と。
いもあらい
これもATOKは問題なく変換します。
浮気
そのまま読むと失礼になるこの難読名字。
滋賀県守山市にも浮気町があります。
古来、湿地を「フケ」と言いました。
ふけ
漢字は「浮気」。
このような土地か周囲に住んでいた人がこの名字を名乗ったのでしょう。
時が過ぎ、「ウワキ」という言葉が生まれ、
この漢字が使われるようになり、
浮気姓(浮気性に非ず)の人たちが迷惑したであろうことは想像に難くありません。
なお、ATOKでも変換候補に出てきますが、
「浮池」という漢字も見られますね。
貫地谷
これは有名人がいらっしゃいますので、
人間にもATOKにとっても簡単です。
名作「ちりとてちん」は今でも大好きです
は、現在の広島県広島市西条町。
「石(こく)」は米の取れ高を表す単位ですが、
室町時代以前は「貫」が用いられていました。
一貫ぶんの米が取れる田んぼを一貫地と呼び、
貫地谷とは、一貫の米が穫れる谷に住んでいた人の名前です。
かんじや
は、全国でも10世帯以下しかいない稀少な名字、
この記事を作成中「いっかんじ」を変換しましたら、
「壱貫地」と変換されました。
調べてみますと、静岡県磐田市にこういう地名が、
そして、新潟県三条市には三貫地新田も。
それだけの米が穫れたということなのでしょう。
後者では、新田開発の歴史も地名に織り込まれています。
稀少な芸能人の名字では剛力彩芽さんの「剛力」も。
全国で20世帯程度しかいません。
これは修験者について荷物を運ぶ歩荷が由来です。
静岡県三島市の限られた地域に分布しています。
つまり、富士山登山で頼りにされた歩荷一族ということなのでしょうか。
「ごうりき」では「強力」と書く名字もありますね。
鴨脚
カモの脚です。まず読めません。
誤読すら出来ません。
カモの脚…、といいますか、
足を思い出してください。
イチョウの葉に似ています。
いちょう
鴨脚さんは京、下鴨神社神官の一族。
現在も守り続けられている由緒正しき難読名字は、
ATOKにも登録されています。
ここからは難読ではなく、稀少な名字をご紹介。
肥満
読みはそのまま「ひまん」。
現在の三重県のある村でのこと。
旅の僧に宿を貸したところ、
僧は礼として一つの石を村に与えました。
その石はどんどん大きくなり、
村もこの石のように栄えますようにとの願いで、
ここの住民たちは「肥満」と名乗るようになりました。
昼間
「ひるま」さんには徳川家康が絡んでいるという話があります。
豊臣秀吉に命じられ、急ぎ足で遠征したものの、
夜間の渡河には危険が伴います。
そこへ村人たちが大きな松明を掲げ、
周囲を明るく照らします。
家康は喜び言いました。
これぞ昼間の如し
以後、彼らは「昼間」と名乗るようになったとか。
玉虫
「たまむし」さんは、虹色に輝く昆虫タマムシから。
平安時代、戦に負けた武士が生き恥は晒すまいと
自刃を決心します。
しかし、そこに現れたのが老いた一人の老人でした。
この老人に諭され、生き続けることを決心した武士でしたが、
老人は目の前から消えてしまっていました。
その時、飛び去ったのが玉虫。
あれは神仏の化身に違いないと、
そのありがたみを込めた「玉虫」姓を名乗るようになったんだとか。
最後に筒井康隆先生のご質問から。
九十九
は、なぜ「つくも」なのか。
森岡さんによりますと、
「百」は「もも」であり、
かつて「九十九」は「つぎもも」だったとのこと。
これが転訛して「つくも」になったのではないかというお話でした。
以上です。
ATOKではどれも問題ありませんでしたが、
同じJustsystemの校正プログラム「Just Right!」では、
難読名字が軒並みチェックされました。
苛つかされることも多い「Just Right!」ですが、
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