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ビーバップ!ハイヒール「第5の戦場!サイバー戦の脅威」その2 ~サイバー戦の実例~

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http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12100535936.html

こちらから引き続き、
様々番組内容に追記する形でお書きしていきます。



Operation "Olympic Games"

2010年、イランの核燃料施設でのこと。
施設職員が制御室にやって来て機械の異常を報告します。
それは数日間続いていた問題で、
遠心分離機の回転数が低下、
ついには全約8400台の遠心分離機が停止、
しかし、制御室の計器はいずれも正常値を表示していました。
原因はウイルスでした。
しかし、この制御システムはネットワークからは独立していて、
インターネットには接続されていません。
それでも、脅威に襲われる可能性はあるのです。
この場合は職員を含む何者かがUSBメモリを持ち込んで感染させたとされています。
では、どういう目的でイランの各施設は狙われたのでしょうか。

このウイルス(ワーム)は、スタックスネット(Stuxnet)と呼ばれ、
この時、イランで遠心分離機を止めたStuxnetの一種は
アメリカとイスラエルが製作、
イランの核燃料施設攻撃のためだけに巧妙にデザインされ、
遠心分離機を停止させるとともに、
計器には偽の情報を表示させ、
正常に稼働しているかのように見せていました。

作戦名、

Olympic Games

ジョージ・W・ブッシュ前大統領時代に開始されたこの作戦は、
オバマ現大統領に引き継がれ、
当時のイラン政府はコンピューターセキュリティの知識に乏しく、
それらを駆除する技術がないため、
システム全体を廃棄するしか方法がなかったようです。
こうして、イランの核開発を「2年間後戻り」させることに成功しています。



現時点で、サイバースペースで最も脅威となっている国は
もちろん、中国です。

こちらはサイバー攻撃をリアルタイムに視覚化したサイト。

Norse - IPViking Live
http://map.ipviking.com/



シミュレーション上で核ミサイルが飛び交う
映画「WAR GAMES」の1シーンさながらです。

2009年、インドのダライ・ラマ14世の事務所では、
各国要人との会談のキャンセルが相次いでいました。
会談の打ち合わせではメールなどを使用、
すると、すぐに会談が断られるのでした。
もちろん、中国がダライ・ラマの会談を行わないよう、
各国に圧力を掛けていたからで、
少なくとも、この事務所における
電磁的なやりとりは筒抜けになっていたものと考えられます。
事務所のPCからはスパイウェアが検出され、
これにより、PCが遠隔操作され、
PC内臓のカメラで事務所内部の様子が映像や音声を盗撮、盗聴されていた可能性も。
そして、この問題はこのダライ・ラマ事務所だけの問題に留まりませんでした。

トロント大学の調査研究グループなどは、
世界103カ国のPC計1295台以上が同種のスパイウエアに感染、
このスパイウエアが構築した
独自のネットワークに取り込まれている可能性があると発表したのです。
しかも、そのPCのうち、30%が国家の外交機関や非政府組織、メディアなど、
情報の機密性が求められている機関で使用されているとしています。

GhostNet

この目に見えない独自のネットワークはそう呼ばれるようになりました。



次は比較的記憶に新しい事件です。
2013年、韓国のテレビ局のPC数万台がダウン、
そして、銀行のATMが使用不可能になりました。
韓国政府はこれを北朝鮮からのサイバー攻撃だと断定、
もちろん、北朝鮮はそれを認めませんが、
なぜ、テレビ局と銀行が標的にされたのでしょうか。

企業へのサイバー攻撃は、方々で起きているとしても、
必ずしも、それが公になるとは限りません。
攻撃を受けた企業にとって、
それを公にすることは、
企業のセキュリティの甘さを公表することになるからです。
しかし、放送局や銀行は違います。
これらが攻撃を受けた場合、
それを隠すことは出来ません。
北朝鮮は何かしらの情報を盗み出すことが目的ではなく、
韓国で騒ぎを起こすことで、
当時、そして今も続く
アメリカとの交渉のためのメッセージを送ったのではないかと考えられています。


バルト三国の一つ、エストニアは1991年、ソビエト連邦から独立、
以後、国策として積極的にIT技術導入を推進、
世界で最も進んだインターネット利用国、
IT先進国として知られていて、
私たちにもエストニア生まれの「Skype」は馴染みがあるはずです。
2007年4月、そんなエストニアの大統領府、政府、国防省、外務省などの政府機関、
銀行、新聞社、病院など、国中のネットワーク機能が停止しました。
これは

DDoS攻撃

と呼ばれているもの。
攻撃者が多数の端末を乗っ取り、
遠隔操作でエストニアの各サーバーにアクセスを集中させます。
この時乗っ取られていた端末は数百万台、
サーバーが受けた通信量は通常の400倍にもなりました。

これほど大規模に、国家が標的になったサイバー攻撃は初めてのことで、
これは第一次ウェブ大戦とも呼ばれるようになりました。
エストニア政府は、この攻撃はロシアによるものだとして激しく非難しています。
なお、このDDoS攻撃は常日頃から、
私たちに日本も受け続けています。







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