本日午前、民進党は岡田克也代表による
自由民主党の安倍晋三総裁に対して公開質問状を送付したと公表しました。
参議院選挙の重要争点に関する公開質問状
https://www.minshin.or.jp/article/109505
この質問状は「経済」「社会保障」「憲法」「政治とカネ」
この4つの項目で構成されており、
その回答期限を明日中としています。
しかし、これらの質問に対して、
答えるべきはその質問者である民進党であるようです。
「経済」ですと、おそらくは民進党も
現在のデフレ、あるいは不景気に対し
何からの対策が必要だとは考えているのでしょう。
自民党が行うと言っていることは
私の考えと大きく異なり、
言及しない点にも多数の問題がありますが、
それ以上に、何も見えないのが民進党の考えです。
「社会保障」では消費税増税延期に伴う
"社会保障の充実"の計画が一部実施されないことについて触れていて、
これについては実施すべきだとしています。
そして、その一部の計画について実施するなら
財源をどうするのかと質問していますが、
それこそ、民進党ならどうするかを提示する必要があります。
「憲法」では、主に改正と憲法9条、
集団的自衛権についての質問がなされていて、
少なくとも、民進党が改憲に反対だということはわかります。
ただ、中国とロシアの両軍艦による接続水域の航行、
中国による領海侵犯が続いています。
中国軍機が自衛隊機に対し攻撃直前の行為まで行っていた事実もあります。
自衛隊でなければ反撃に出るべき案件で、
撃墜も当然という事態です。
北朝鮮の兵器開発が進んでいることを踏まえて、
それらにどう対処していくかについての発言はありませんでした。
巷間、北朝鮮で続けざまに失敗している
ミサイル実験などをあざ笑う声がありますが、
まさか、同じように鼻で笑っている訳ではないでしょう。
もしも、そうであるならば、認識が甘すぎます。
兵器は実験を行えば行うほど、
成功に近づくというもの。
ムスダンと見られるミサイルは
失敗を繰り返しながら、
6発目で成功したとされています。
そして、運用できるかどうかは別にして、
彼らは核兵器を持っています。
集団的自衛権を否定するならば、
米軍が日本の国土、領海、領空、
またはその外で日本の船舶などを守るための軍事行動も
否定されるべきでしょう。
日本を守るための軍事行動中の米軍を
日本の兵力では助けられないのですから、
日本が米軍からの軍事力の援助を受けるというのは虫がよすぎるというもの。
日本は単独でこれらと国民の生命と財産を守ることになりますが、
それでは自衛隊に配分されている予算が少なすぎます。
軍拡と拡大路線を続ける中国に対する戦力が必要です。
そして、核の傘から出る覚悟なら
その予算は現在の十倍以上でも少ないという試算もあります。
日本が輸入している石油や天然ガスを運搬している船を
自衛隊が護衛しなければなりません。
特に南シナ海は今よりもはるかに危険になる可能性があります。
もしも、核兵器を開発するというのであれば、
話は違っているのかもしれませんが
おそらく、その選択肢は存在しないでしょう。
そもそも、自衛隊について民進党はどう考えているのでしょうか。
野党共闘の元、民進党は日本共産党とも手を組みました。
先日、日本共産党の藤野保史政策委員長U(当時)は防衛費について
「人を殺す予算」だとしました。
それについて、民進党はどう考えているのでしょうか。
日本共産党は日米同盟の破棄を掲げ続けていますが、
その点についてはどうでしょうか。
自衛隊を違憲だとする共産党は、
いずれ自衛隊を廃止するとしながらも、
当面は容認するとしています。
共産党が自衛隊を違憲だという憲法解釈を行っていながら、
それを解消しないことについて、
民進党はどう考えているのでしょうか。
「憲法を守れ」というのであれば、
自衛隊を廃止するか、改憲するかの二択しかありません。
それを民進党はどう考えているのでしょうか。
「政治とカネ」では、
甘利前大臣と舛添前都知事の問題に言及しています。
甘利前大臣の件については同意できる部分が多いものの、
舛添前都知事についてはどうでしょうか。
今回の選挙で何が不思議かといえば、
政治資金規正法の改正について言及する政党が少ないことです。
おおさか維新の会と日本共産党には見られるぐらいです。
民進党でいえば、
山尾志桜里政調会長のでたらめな政治資金報告書は手つかずです。
地球5周分にもなるガソリン費を計上している件について、
党としてはどう考えているのでしょうか。
舛添氏と同じく、違法ではないので問題ないと考えているのでしょうか。
今後、同様の行為を違法にするための法改正が必要なのです。
そのことについて、どう考えているのでしょうか。
舛添氏の不祥事は都知事選で彼を推薦した、
自民党と公明党に責任があります。
しかし、この時の民主党は細川護熙候補に乗る形で支援したに過ぎず、
自らの政策を実現させるための候補を立てられませんでした。
あの時の候補者の顔ぶれを見れば、
舛添氏に投票した都民の選択も仕方ないともいえます。
なぜ、あの時、民主党は"まともな"候補を擁立しなかったのでしょうか。
政治資金規正法に話を戻しますと、
この法律には使途に関する規制はありません。
舛添氏にしても、あのホテルの宿泊費などについて、
堂々と「家族旅行」と書いていれば、
違法性は全くありません。
その点を改正しなければならないのに、
他党の攻撃だけして、
自党の要職にある山尾志桜里政調会長のことは放置。
このことを説明できるのでしょうか。
そもそも、このような質問は公示前に行うもので、
他党への批判はあるにしても、
現在は自党の政策をアピールする期間です。
国民は民主党政権時のことを忘れていません。
どれだけいいことを言ったとしても、
国民は聞く耳を持たないでしょう。
現時点では、いいことも言ってなければ、
過去の反省を踏まえているとも思えない状況です。
だから、支持率は全く伸びないままです。
その焦りがこの公開質問状につながったのでしょうか。
いっこうに聞かれないあの時の反省を生かした政策。
ブーメランばかり投げていないで、
まずは自らを省みることから始める必要があります。
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参議院選挙 民進党が自民党に対し公開質問状 -必要なのは政権時の反省を踏まえた政策-
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