7月28日の未明、東京都練馬区の住宅で90代男性が倒れているのを家族が発見、
その時には既に亡くなっており、
死因は熱中症だと見られています。
高齢者に限らず、
気温が高くなると、熱中症を発症する人は増え、
報道でも日常茶飯事のようになってしまっています。
ただ、この90代男性のご遺体には特異な部分がありました。
それは、ダウンジャケットを着ている状態で亡くなっていたことです。
これだけ毎年毎日報道され、
死者も出ているのに、熱中症であまり知られていないことがあります。
その一つが熱中症の症状に「寒気」があることです。
熱中症は体温が上昇し、水分、塩分、ミネラルなどが不足し
めまいや失神、頭痛、吐き気、多量の発汗などか起こります。
そして、熱中症になると、脳の障害により、
体温調節機能が正常に働かなくなることがあり、
その場合、環境は暑いはずなのに、
暑さを感じなくなり、汗も止まります。
熱中症の諸症状の中でも、
この状態は極めて危険ですので、
救急車を呼びつつ、応急処置が必要になります。
具体的には対象者を涼しい場所へと移動させ、
首筋や脇、鼠径部などを冷やし、
水分補給を行ってください。
水分補給では、スポーツドリンクのようなものがあればベストですが、
なければ、ごく少量の食塩を混ぜた食塩水でもよく、
それもなければ、ただの水を与えてください。
逆に利尿作用のあるカフェインを含む飲料は避けてください。
この90代男性は熱中症の症状として、
脳機能に問題が起きて、
体温調節機能が上手く働かなくなったため、
寒気を感じ、ダウンジャケットを着たものと思われます。
それと、加齢と熱中症の関係では、
体力面でのことも心配されるほか、
高齢になればなるほど、
温度変化を感じにくくなるという傾向があることも重要です。
「江戸っ子爺さんの熱い風呂が好き」という
嘘か本当かわからないような話もありますが、
それはただ単に我慢強いだけではなくて、
温度感覚が鈍くなっている可能性もあります。
室内でも熱中症にかかります。
この程度、何でもないと思っていても、
体は脱水しているかもしれません。
我慢強さが寿命を縮めることにもなります。
そして、暑さを感じにくくなっている可能性についても、
認識しておく必要があります。
毎日毎日、繰り返し報道される熱中症患者の発生ですが、
おそらく、今日も明日も日本のどこかで、
熱中症の患者は発生するでしょう。
室内、屋外問わず、他人事だと思わないで、
特に子供や高齢者はご注意ください。
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熱中症での死者が着ていたダウンジャケット
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