前々回のビーバップ!ハイヒールから。
今回も時間制限のある番組内容に加え、
毒の詳細、具体的事例などを追記しつつ、
記事にしております。
生物の生命活動において、
悪影響を与える性質を毒性と呼び、
その物質が毒と呼ばれています。
毒といえば、水銀や砒素、
シアン化カリウムのような、
毒としてよく知られているものがありますが、
これらはごくごく一部の毒に過ぎません。
私たちは毒に囲まれて暮らしており、
それなのに、ほとんどの毒について、
私たちはそれを毒だとは認識していません。
番組では、そんな毒が紹介されていました。
毒というのは、私たちの身の回りに結構あるものなんです
家庭内での毒の事故は
毒についてよく知っていればほとんどが防げるものなんですね
薬も使い方を間違えたら、毒になりますから
そう話すカシコブレーンは日本薬科大学の船山信次教授。
船山教授は人間にとっての毒物のメカニズムを研究、
多数の著作でも知られています。
史上最強カラー図解 毒の科学 毒と人間のかかわり/ナツメ社
¥1,728
Amazon.co.jp
毒と薬の世界史―ソクラテス、錬金術、ドーピング (中公新書)/中央公論新社
¥864
Amazon.co.jp
¥1,728
Amazon.co.jp
毒と薬の世界史―ソクラテス、錬金術、ドーピング (中公新書)/中央公論新社
¥864
Amazon.co.jp
ある男性が台所で水を飲もうとすると、
口が痺れ、手を激痛が襲いました。
さらに、布団に入ったところで
全身が痒みに見舞われます。
救急車で病院に搬送されるも、
それらの症状の原因が突き止められず、
入院は1年間にもなりました。
そして、ようやく明らかになった
シガテラ
という毒。シガテラは亜熱帯に生息する藻類に含まれる毒で、
人間が摂取すると、
神経系では、口周辺や手足の知覚異常、関節痛、筋肉痛、
その中の温度感覚障害、
通称「ドライアイスセンセーション」と呼ばれる
冷たいものに触れた時に激痛を感じるようになります。
その他、消化器系では腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、
循環器系では血圧低下、脈拍低下などが起きます。
日本での死亡例は確認されていませんが、
海外では数例が報告されています。
最初に症状が出た日、
この男性は釣ってきたイシガキダイを刺身にして食べており、
このイシガキダイがシガテラを含んだ海藻を餌にしていて
彼はシガテラ中毒になったものと思われます。
本州では高級魚として食べられているイシガキダイですが、
沖縄ではイシガキダイはバラハタなどとともに、
その危険性は広く知られているとか。
ただ、彼がイシガキダイを釣ったのは本州。
なぜ、シガテラを含んだ海藻がそこにあったのでしょうか。
実は現在、地球温暖化の影響で、
シガテラを含む藻類の生息域が北上しているのではないかといわれています。
本州でのシガテラ中毒はこの男性だけではないのです。
なお、シガテラは加熱や冷凍でも、
無毒化されることはありません。
大学生のある飲み会にて、
ビールをひと口しか飲んでいない男性が辛そうにしています。
聞けば彼はテスト対策で徹夜続きだったとか。
彼は救急車で搬送されました。
実は危険な状態にあったのです。
彼は連夜の徹夜のために栄養ドリンクを飲み続けていました。
栄養ドリンクには多量のカフェインが含まれています。
カフェインには眠気を解消したり、
疲労感を緩和したりする効果がありますが、
その摂取量によっては動機や吐き気を催すことになります
ひと口に栄養ドリンクとはいっても、
様々な種類がありますが、特にエナジードリンクや
「眠気覚まし」を謳っているものに含まれているカフェインは注意が必要で、
1日あたり1本を限度にしてください。
それは、商品にも書かれています。
昨年末、九州でカフェイン中毒による死者が出ました。
彼が常飲していたのがエナジードリンクで、
一部報道では、胃の中にカフェインの錠剤の一部とみられるものが確認されたとあり、
おそらく、市販の飲料だけでは、
1日に何本も飲み続けなければ心配ないでしょうが、
そこにアルコール摂取の影響が加わると、
心筋梗塞などのリスクが高まりますので
注意が必要です。
なお、EUの食品安全機関では
成人が1日に飲んでいいコーヒーは4杯だとしています。
身近な植物が中毒事件の原因となることも。
大葉とも呼ばれる青ジソは、
その味から、また見た目のためにも調理、盛り付けられることがあります。
しかし、青ジソとよく似たアジサイの葉には毒があります。
2008年6月、つくば市の飲食店で、
添え物のアジサイの葉を食べた10人のうち8人が、
そして、同月大阪市の居酒屋で、
だし巻き卵の下に敷かれていたアジサイの葉を食べた人が食中毒を起こしました。
その原因物質の詳細は未だ不明で、
青酸配糖体が含まれているという説が有力なようですが、
その研究論文は見つけられませんでした。
アジサイの葉による食中毒の症状はめまい、
顔面紅潮、吐き気などとなっています。
ほかに、家庭菜園からの生み出される毒物も。
2006年、沖縄県の女性がスパゲッティを食べたところ、
食後約3時間後にろれつが回らなくなり、
意識混濁、発言内容が意味不明なことから、
夫が彼女を病院へと連れて行きました。
彼女は輸液と経過観察のみで改善したため帰宅、
夫が残っていたスパゲッティの残りを食べたところ、
約3時間後に妻と同じ症状に襲われました。
食後同時間経過後に同じ症状が出ていることから、食中毒が疑われ、
ともに食べていたスパゲッティが調べられましたが、
それはただのミートソースがかけられたものでした。
しかし、そのミートソースは市販のミートソースに
友人宅からもらってきたタマネギと、
庭から収穫したナスを煮込んだもの。
患者夫婦に話を聞くと、
このナスは由来不明な台木に接木されており、
京都薬科大学で鑑定したところ、
その台木はチョウセンアサガオでした。
チョウセンアサガオ、別名ダチュラは薬用植物としても知られています。
ただ、無用に摂取すると、
ふらつき、幻覚、妄想、悪寒などの症状が現れます。
全世界で違法薬物が流通していますが、
それらの常用者でもこのチョウセンアサガオは手を伸ばしません。
毒性が強過ぎるからです。
その毒はアトロピン系アルカロイド。
この毒が接ぎ木されたナスに移り、
そのナスを食べた夫婦に中毒症状をもたらしたと考えられます。
日用品にも毒はあふれています。
雨の日に備え、靴や衣類などに撥水効果を付与する防水スプレー。
これにも命に関わる危険性があります。
製品の缶には、室内で使用しないようにと書かれているはずですが、
その表記があまり目立たないためか、
それを知らない人もいます。
防水スプレーに含まれるフッ素樹脂やシリコン樹脂を吸入してしまいますと、
肺胞炎や肺水腫のような急性肺障害になることがあります。
そして、最悪の場合、死亡します。
この防水スプレーに使われているようなフッ素樹脂はさらに注意が必要で、
これに熱が熱が加わると、有毒ガスが発生しますが、
もしも、フッ素樹脂が肺にある状態で
喫煙でもしようものなら、
命取りになり、現実に死亡例もあるようです。
浴室にも毒性物質による中毒の危険があります。
洗剤の容器には混ぜてしまうことによる事故防止のために、
「混ぜるな危険」と大きく目立つ文字で書かれています。
ただ、洗剤と別の洗剤を混ぜなくても、
硫化水素が発生することはあまり知られていません。
その組み合わせは
酸性洗剤と硫黄成分の入った入浴剤
その入浴剤が付着した浴槽などを
酸性洗剤で洗浄することで、
硫化水素が発生することがあります。
硫化水素の吸入は呼吸困難を招き、命に関わりますので、
この組み合わせは覚えておくべきだと思います。
毒草・薬草事典 命にかかわる毒草から和漢・西洋薬、園芸植物として使われているものまで (サイエ.../ソフトバンククリエイティブ
¥1,028
Amazon.co.jp
毒があるのになぜ食べられるのか (PHP新書)/PHP研究所
¥994
Amazon.co.jp
毒! 生と死を惑乱 ―「薬毒同源」の人類史/さくら舎
¥1,512
Amazon.co.jp
¥1,028
Amazon.co.jp
毒があるのになぜ食べられるのか (PHP新書)/PHP研究所
¥994
Amazon.co.jp
毒! 生と死を惑乱 ―「薬毒同源」の人類史/さくら舎
¥1,512
Amazon.co.jp