どうすれば「あの戦争」は回避できたのかを未来のために考えなければ

書き物の仕事では、時事、健康と医療、
歴史、時々芸能関係のお話をお書きしていて、
歴史の分野ではやはり、日本史の中の戦国時代、
幕末のものが多く、
近代史、現代史の需要は低くなっています。
私自身も、歴史に対する興味は
ここ10年ほどで、
近代史、現代史のオーダーがあったところで、
この時代についてはまだ難しいかもしれません。

歴史について、特に戦争について考えるときには、
この戦争はどうすれば回避できたかも考えてしまうことがあります。
私たちにとって最も身近な戦争である大東亜戦争、
あるいはGHQがいうところの太平洋戦争では、
どうすれば回避できたのでしょうか。

「戦争反対」という声は盛んに聞かれます。
特に8月15日にはよく聞かれることになります。
テレビ局は、戦争の悲惨さを伝える内容の番組を制作し、
放送します。

それで国内には戦争を避けようという意識が作り上げられ、
それはそれで大切なことなんですけれど、
もしも、本当に戦争を回避しようとするならば、
それだけでは不充分でしょう。
戦争は自国のみが起こすものではないからです。
自国にその気がなくても、
戦争は起きるからです。
なぜ、あの戦争は起きたのか、
回避する方法はなかったのかを考えなければ、
当時と似た状況に陥ってしまう可能性があります。

アメリカとの開戦は誤りだったとしても、
では、どうすればよかったのかを考える必要があります。
結局、問題となるのは、大陸の権益で、
最初から満州に進出しなければそれが争点となることはなかったでしょうが、
ならば、日露戦争の評価を考える必要が出てきます。
その戦勝がなければ、日本はどうなっていたかを
考える必要が出てきます。
現時点で、私は「あの戦争」を回避するアイディアを思いつきません。
今後、勉強する中で、私はそれにたどり着くことができるでしょうか。

戦後の日本で、子供なら「戦争反対」の意識で充分です。
しかし、大人なのにそれで完結してしまっている場合は
無責任ともいえるでしょう。
政治において、何らかの決定が行われようとするとき、
それに反対する場合は、その対案が必要になります。
戦争が起きようとしているとき、
それを止めるのは、戦争以外の対案になります。
絶対に戦争をしないのであれば、
その時々の対案が必要なのです。

何らかの紛争の種があるとして、
「話し合いで」「交渉で」というのはその通りなのでしょうが、
どこの誰に、どのように交渉するかを提示できない限り、
その言葉はあまり意味を持ちません。

往々にして歴史は繰り返します。
南シナ海での中国の主張は第一次世界大戦前のドイツに似ています。
フォークランド紛争の事例は日中双方で
尖閣諸島問題に生かそうと研究されています。
戦争を避けようとするならば、
歴史の研究が必要になるでしょう。
それぞれの事例の考察は各自も行えることで、
私自身も「あの戦争」を避ける方法を考え続けたいと思います。
「戦争反対」と声を上げているだけでは
戦争は避けられません。
「あの戦争」の開戦を批判するならば、
開戦前の状況を理解する必要があります。
戦後のことはよく語られますが、
戦前のことはあまり知られていません。
それはGHQがあの戦争についての研究を禁止し、
また、戦前戦中の書籍を焚書にしたことにも関係しているでしょう。
ただ、その歴史の空白を知る方法はあるはずです。
「戦争反対」だけで思考停止しないためにも、
「戦争反対」ならなおのこと、
戦前の日本と国際情勢をさらに知る必要を感じています。
既に考えをお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、
私にはまだ見つけられそうにありません。