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大河ドラマ「おんな城主 直虎」 ~直虎は男かもしれないし女かもしれない~

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今、「真田丸」を視聴中です。
現在、8話のあたりで、
見直してみますと、登場人物の描写が後半と違っていることに気づきます。
特に真田信繁はこの時期、
まだ十代前半ぐらいでしょうから、
その後の成長で人物像を変えてきたということもあるでしょうが、
作品として、まだ手探りの部分もあったのかなと思います。
徳川家康も、よく爪を噛むなど、
中盤以降とは設定が変わっているように思います。
当初はお笑い担当でもありました。
逆に、これが後の布石となっているのかと
気づかされることもありますのも楽しいですね。

さて、今年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」が始まりました。
初回の感想としては、まずは好印象といったところです。
視聴率も「真田丸」の恩恵もあったのか、
まずまずという数字となっています。

井伊家は徳川幕府において大老を出すような名門となるわけですが、
溯っていくと、直政で行き止まりになります。
その前の代の直虎が主人公となっている訳ですが、
「彼女」についての記録といえば「井伊家伝記」で、
ここでは次郎法師を「養母」としてていて、
この次郎法師が直虎だという訳です。
…が、次郎法師は直虎ではないという資料が出てきたというわけで、
そこには今川家が家臣の関口氏経の子に「井伊次郎」と名乗らせたとあり、
これが事実ならば、
伊直盛の娘の次郎法師とは別人だということになります。

「井伊家伝記」は井伊谷の龍潭寺住職が著したとされ、
成立は享保年間。
龍潭寺と井伊家の関わりについて書かれているそうです。
ただ、研究者の間ではあまり評価されている史料ではないようで、
実際に多数の明確な誤りが書かれています。
一方、新発見の史料は「守安公書記」の中の「雑秘説写記」で、
記録事態は寛永の頃。
井伊家家老・木俣守安が家中の聞き書きをまとめたもので、
ここから確実なのは、寛永の頃の家中にそういう話があったことぐらい。
次郎法師が直虎なのか、
直虎が男なのか女なのか、結論は「わからない」です。
私個人の印象では、
やや女性説のほうがやや有力かなとは思っていますけれど。
今回のドラマの設定に採用された説、
今作の時代考証担当の小和田哲男先生の説では、
井伊直盛の娘の大叔父・龍潭寺南渓瑞聞は
その娘の出家の際、井伊家代々の当主は備中次郎を仮名としていることから
次郎法師を法名とし、
それが男の名なのは、
女性では還俗できないからだというもの。
南渓は「直盛の娘」が俗世に戻る可能性を考えていたことになります。

この幼名も性別もよくわからない人物をどう料理するか、
実際に起きたシビアな出来事とのバランスをどうするか、
その点、「真田丸」は史実と創作の部分の違和感が少なく、
それが好評価に繋がったと思うのですが、
今作ではどうでしょうか。

「真田丸」のBlu-rayを見始める前に、
見ていたのが「JIN -仁-」でした。
昨年秋ぐらいから、内野聖陽さんの龍馬を見たくて、
また、涙ながらに見終えて
続いて「真田丸」の家康を見ています。
考えてみれば、「JIN -仁-」の頃の内野さんはご本名の「まさあき」でしたね。
「おんな城主 直虎」の脚本は「JIN -仁-」でも担当した森下佳子さん。
「JIN -仁-」ではある程度、
原作の中で歴史と医史と創作部分の折り合いができていましたが、
ドラマ版オリジナルの設定もあり、
そのあたりを上手く料理されていたと思います。
今作でも歴史に違和感のない創作に期待しています。
ただ、結局はプロデューサーがどう考えているか、
局がどう考えているかなんだと思います。
脚本の方針を決めてるのはそちらですから。
三谷幸喜さんぐらいの超ビッグネームだと、
脚本家の意見の影響もある程度強くなるとは思いますが、
今作ではどうでしょうか。



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