以前、自称ジャーナリストで活動家の質問ではない質問に対し、彼がいらだち、会見が中断された際、私は「会見で怒らせれば辞めさせられるという前例にしてはいけない」とお書きしました。昨夜、テレビ画面に速報が流れた時、その後にも同じ出来事がありましたので、この関連かと思いましたら、全く違っていました。
東日本大震災のような大災害が東京で、首都圏で起きていたとすれば、多数の犠牲者が出たことは間違いありません。その数は3.11よりも多くなるでしょう。経済的な損失も甚大となり、だからこそ、防災インフラを充実させようということであれば、私も賛成しますが、それを「東北でよかった」とするのは、人間性の問題に加え、政治家が務まるとは思えないほど愚かです。
二階派のパーティーにおける講演での出来事ですが、民進党の福山幹事長代理は
「即刻辞任していただくしかないと思うし、復興大臣としても、国会議員としても、私はこの方は適切ではないと思います」
と、政局に関する言葉を交ぜ入れず、至極まともなコメントをしていたことが印象的です。
このパーティーでは、安倍晋三総理大臣も出席。登壇直後に
「まず冒頭ですね、安倍内閣の今村復興大臣の講演の中におきまして、東北の方々を傷つける、極めて不適切な発言がございましたので、総理大臣としてまずもって、冒頭におわびをさせていただきたいと思う次第でございます」
と謝罪しました。すぐに頭を下げなければならないほどの事案だという判断です。そして、今村氏は事実上の更迭となります。国民の利益を侵害する野党の審議拒否は支持できませんが、総理大臣が復興大臣というポストを「ただの大臣の椅子」扱いしあてがった責任は重いです。
その後、多方面からあきれる声や非難の声があふれかえる訳ですが、中には「被災地のため」といいながら、「放射能デマ」をばらまいていた、あるいは今もばらまいている連中の声もありました。
山本太郎のように「福島の農作物を食べてはいけない」と叫び、それを訂正しない奴らが「被災地のため」のことを思っていると考えられるでしょうか。「福島に住んではいけない」「福島で異常分娩や先天性疾患の赤ちゃんが増えた」などという、簡単にデータで否定できるデマを言い続けている連中に、今村氏を非難する資格はありません。
一方、被災者の方々には落胆の気持ちがあるかもしれません。それでも我慢強いということなのか、そもそも国に対する期待が薄いということなのか、Twitterには思ったよりも怒りの声は控えめという印象です。逆に刮目したのは
#東北でよかった
このハッシュタグです。
以前から私も「#福島撮影隊」というハッシュタグのtweetをRetweetさせていただきますが、今回のハッシュタグは、今村氏の発言を逆手に取り、「#東北でよかった」をポジティブな言葉として使用し、東北の美しい風景などをアップしています。
Twitterでは行きすぎた悪のりもあるんですが、このTwitter民のセンスには感動しました。上の太字はリンクになっていますので、ぜひ、一度、ご覧下さい。
※追記
#life_in_fukushima
こちらのハッシュタグはあまり認知されていませんが
福島の方たちの私たちと変わらない日常のtweetです。
↧
今村雅弘復興相辞任は当然 ただデマ屋に非難する資格はない ~#東北でよかった~
↧